4番目の力:強い力

四つの力の4番目は、強い力。クォークを結びつけ、陽子や中性子等の核子を作り、またそれら核子から原子核を作る力だ。



強い力を媒介する力の粒子はグルーオン。核子を結びつける力(核力)の粒子は湯川博士の予言した π 中間子だが、π 中間子はクォークと反クォークの対からなり、それらを結びつけているのがグルーオンだ。突き詰めれば中間子交換による核力もグルーオンによる力だと言える。

強い力 = グルーオンの交換

強い力のチャージカラー荷。 クォークのカラー荷には赤、青、緑の三原色(もちろん本当の色ではない)がある。強い力を媒介する力の粒子グルーオンには白を除く色の組み合わせ:

3 (赤、青、緑) x 3 (反赤、反青、反緑) – 1 (白) = 8

つまり8種類があり、いずれも質量を持たない。しかし、グルーオン自体がカラー荷を持ちグルーオンをお手玉するので、力は距離が離れるほど強くなり、核子(陽子、中性子)の大きさ程度以上の距離になると全体として白色の状態しか安定に存在できない(カラーの閉じ込め)。従って、強い力の到達距離は、グルーオンが質量を持たないにもかかわらず短く、日常感じることはない。

ここで SU(3) は、弱い力の所で出てきた U(1)SU(2) と同様、群の名前だ。