2009,5/21のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿

日時:5月21日、木曜日、午後2時より
場所:先端計測実験棟多目的室
出席者:東、藤井、真木、田中、田内

以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。

Pre-amp boxの2チャンネル化、藤井

ファイル: PDF(4ページ,1.3MB)

5月14日にTPCの4ch化に伴い,プリアンプ(ボックス)を2ch化して用いるための改良を行なった。チェンバー内部のTPCにtest pulseを与えて、Ampの動作を確認した。一連の作業とチェック結果について上のノートにまとめた。

今後のプロトタイプ試験等での課題として以下が挙げられる。

液体キセノン純度のADCによるモニタリング、東

ファイル: PDF(5ページ,1.8MB)
純度曲線のフィット結果(1ページ,172KB)

5月2日のガス相精製循環開始以来のPMTシグナルの増大の解析を行った。光量の『飽和』を確認して、20日17:40に液相精製循環に切り替えられた。それ以来少し光量が増え出しているようだ。

α線による光量の評価は金子のM論から;
Q = E / W × Ω/4π × T (窓の透過率)× Q.E. × e × G (PMTゲイン) ≒5.5MeV/18eV×1.0×10-2×0.9×0.2×1.6×10-19C×7×106=6.2×10-10C
ADCカウント=Q/2/0.25pC = 1232/4106 at HV=700/800V。 ここでPMT1とPMT2のHVは800Vと700Vで、PMT1は前回と同じもので、PMT2は予備品である。 現在の『飽和』ADCカウントは1191と1447である。PMTゲインの測定が必要であるが、かなり飽和に近づいていると思われる。 ( 参照 : W value : table 3 in T. Doke et al., Jpn. J. Appl. Phys. 41 (2002) 1538; 90% 透過率, 錦戸氏D論; G=7×106 at HV=700V, 2×107 at HV=800V, 以上まとめて、PDFファイルとした。 )

低温工学Vol. 38,94(2003)掲載の三原の解説の下の式を使用してフィット(ROOTによる)を行った。
p(d,t) = p0 e-d/λ, λ=λ0 et/τ
ここで、p0は光量の飽和値、dは光源とPMT との距離、λ0は純化開始直後の光の吸収長、τは不純物の減少時定数(キセノン量と循環速度の関数)である。 二つのPMTでの光量のフィット結果はほぼ同じで、λ0=2.9cmで、τ=3.4日であった。これにしたがうと、14日後の吸収長λは1.6mと評価できる。

光量の増大にともない、5/20 12:00 のADCデータからシグナル二つともアテネータ11dBを追加した。( 5/20 10:00 のデータは調整中に自動取得されてしまったため、アテネータ値は8dBであった。)

今年度研究計画(議論)

ファイル: PDF(25ページ,15.9MB)

上のファイルのように測定器開発室への提案を下に本年度研究計画について突っ込んだ議論を行った。

主な論点は今年度何を主目標とするかということであった。以下に議論のまとめを行う。

一連のプロトタイプ試験での目標は14ページ目の性能を実証することである。この中で今年度何が可能であるのか見極める必要がある。計画では5cmのドリフトでの電荷シグナルの検出を提案している。TxePETでの24cmドリフトに対して妥当か。3次元位置精度σ=0.2mmは現行の7.5x7.5mm2のpadで可能か。エネルギー分解能のσ=6%/511KeVを、TOF分解能のσ=130psecは試験可能か。

第一に液体キセノンの純度をppbレベルすることを実証しなければならない。我々の到達度は300ppb程度で少なくとも1/100にしたい。循環速度を倍増にするコンプレッサーの増強を行い純化過程の改善を図る。飛躍的に速度を挙げるには液体精製循環システムが必要となる。このシステムのR&Dを液体アルゴングループとともに行うことを提案している。(現在、1リットル(ガス)/分の液相循環, 全液体キセノン量1.5リットル)

Nantesグループは30日間の液相精製循環で2ppbレベルを達成している(measured attenuation length=75cmで、酸素相当で1.9ppb、ここで 1.4m/ppbを使用した)。彼らは真空引きする前に窒素ガス封入で50℃のベーキングを行っている。その後の到達真空度は10-3Paとのことである。彼らの液体キセノン量は10リットルで循環速度は4.5リットル(ガス)/分である。( 参照: FJPPL09でのD.Thers プリゼン, http://indico.in2p3.fr/conferenceOtherViews.py?view=standard&confId=1704 )

3次元位置分解能試験には1x1mm2程度のpadサイズが必要である。しかも多チャンネルの読み出しが必要である。どのように測定するのかも検討しなければならない。このようなエンドプレートと読み出しシステムは一般のTPC、MPGDと共通なので、別枠でのR&Dと予算請求を考えている。(参照:ほぼ同じ目的のプロジェクトがCERNにある。すなわち、S-ALTROプロジェクト、http://indico.cern.ch/conferenceDisplay.py?confId=58839 )

エネルギー分解能試験は7.5x7.5mm2のPADで十分に遂行できると思われる。読み出しも現在のもので対応できるが、純度向上の他に、エレクトロニクスノイズの軽減が必須である。そのためにもJ-FET, feedback C/Rのpad基盤上への配置は必要である。

PMTの時間分解能試験は、PMTマトリックスによるROI測定とともに、FADC/FPGA/VMEの読み出し、すなわちMEG実験の読み出しシステムをベースとして取り組むことが出来ると思われる。

次回も引き続いて議論したい。

その他

午後3時-4時:FLPPL09ワークショップ参加中のDominique Thers, Eric Morteau(Sabatec, Nantes)両氏が春山に引率されて見学に訪れた。このとき、シンチレーション光と電荷シグナルもスコープで紹介した。(α線の電荷シグナルは見えていなかった。)

以上。