2014, 6/27のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿

日時:6月27日、 金曜日、午後1時30分より
場所:1号館1階談話室2
出席者:三原、田内(KEK)、濱西(横浜国大)

以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。

XEMIS2シミュレーション進捗状況、濱西

ファイル :pdf
先ず、バイナリー出力サイズを調べ、ASCIIとROOT(ヒストグラム)のものと比較した。ASCIIの約60%であった。次に、バイナリー出力を読み込むように解析プログラムを変更したい。

"PhotoCathode"を2(v)x4(u)に分割し、放射線源として3γ源の44Scから対向する2γ(511KeV x 2, φ=0, θ=70°)に変更し、シミュレーションを行った。検出されたデータは、crystalID, submoduleIDそしてmoduleIDの三つのIDを持つ。これらのIDから位置を求め、u,v座標でヒストグラムを作成した。このとき、u, vは16 x 40 分割となる。一例を示すが、三つのクラスターに分けられる。その1つは光電効果によるもので、他の二つはコンプトン散乱によるものと思われる。このコンプトン散乱の二つを時間で区別するのは難しいかも知れない。

Q:出力の配列を見ると、0となっているものがあるが、それらは何か。
A : 前回のmeetingで報告したように、1データは25の配列で、IDとして5から11番面の6個が用意されているが、XEMIS2で使用しているIDは7から9番目の3個で残りの使用されていないものは0となっている。他に使用しているものは、11番面のtime stamp, 14,15, 16番面のγ線反応位置(world referential)である。
C : ここで紹介された1例のu,v平面上での2次元ヒストグラムを見ると3つのクラスターが比較的にはっきると見える。これらを見つけるようにプログラムを作成すればよい。例えば、2次元プロットで等高線を描いてみるとピークを浮き上がらせることができる。
C : これまで多くの実験でピーク探しのプログラムが開発されてきている。2次元でのものもあり、それらの中で最もよいと思われるものを利用すべきである。このピーク探しのプログラム中のパラメータを最適化することが重要である。

液体キセノン中でのAPDの再試験等、田内

ファイル :pdf
再ワイヤボンディングされたAPDのno.2を液体キセノン中に入れ、137Csγ線源(10kBq)を照射しゲインをバイアス電圧の関数として測定した。ここで、ゲインは最小のバイアス電圧での値で割った相対ゲインである。その後、常温でXeガス(絶対4気圧)の中で同様の測定を行った。これらの結果をe-log(http://zenon.kek.jp/APD/62)に書いた。また、添付ファイルとしてまとめた。

液体キセノン中では、バイアス電圧は+290Vから+330Vで、preamp(feedback:1pF)とpostampのそれぞれの出力をオシロスコープで観測した。+290Vは出力がほぼ最小であり、+330Vを越えると出力が飽和してしまった。+310V以上のバイアス電圧の10V程度の違いに対してゲインが10以上変動している。

キセノンガス中では、バイアス電圧は+350Vから+480Vで、ゲインの増加は緩やかであったが(~0.7/10V for >+400V)、APDの破壊をおそれて、これ以上のバイアス電圧は印加しなかった。

以上の測定はオシロスコープによるものであまり精度がよくない。したがって、K102を用いてγ線スペクトラムを測定し、その光電ピークの大きさによるゲインの再測定を提案したい。このとき、キセノンガス中のものを測定するとき、γ線源として100kBqの22Naを用いてトリガー率増による効率化を計った方がよい。また、PMTで同じような測定を行い、その量子効率を基準にして、APDの量子効率を評価することも提案したい。

最近、single phaseの液体キセノンTPCで第2のシンチレーション光(Dark matter探索でのS2)の検出が報告された。参照: Detection of Proportional Scintillation in Liquid Xenon, J.Naganoma, TIPP'14。 我々もこのS2の検出を次回のTPC試験で試みたい。上記のものとその発生の仕組みなどが違っているが、我々はキセノンガス中で同じようなシンチレーション光を観測している ( ガスでの第2シンチレーション光の観測, LXeTPC, meeting, 2010.7.5, e-log ( http://zenon.kek.jp/RunLog/111 ) )。先ず、これを液体キセノン中で確かめてみたい。

C 濱西 : 来週、K102を用いて上のゲイン測定をしたい。
C : PMTによる測定はsummer challengeのリハーサルで行うことができると思う。

TRIUMFグループとの共同研究など、三原

TRIUMFのグループから、我々の必要とする機器以外はTRIUMFで使用するとの連絡があった。一度、TRIUMFに行き、打合せを行った方がよいと思われる。今後、どのように共同研究を進めるかも彼らと話し合いたい。
C : 共同研究として、TRIUMFから学生を短期間受け入れて我々の実験に参加してもらうこともできる。

その他

次回、7/18(金)午後1時30分, 1号館1階談話室1の予定。
以上。