2014, 1/29のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿

日時:1月29日、水曜日、午後1時30分より
場所:1号館1階談話室1
出席者:濱西(横国大)、Vincent、笠見、真木、田内(KEK)

以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。

Subatechでの研究報告、濱西

ファイル : talk (pdf)
約3ヶ月間のSubatech滞在での研究の報告を行った。主な課題は、(1) Small PET(XEMIS2)用のPMT(1”で8 x 32=256本使用)の試験・較正、そして、(2) XEMIS2のGATEによるsimulation studyである。

PMT試験では光源として黄色LEDを用い、常温と液体キセノン温度でのGAIN、-103.2〜99.9℃での依存性等をR7600 (1”), R10551(2”)の複数(1” x 8, 2”x 2)で測定した。後者のマルチアノード上での非一様性も測定した。特に、単光子の検出が識別できることを考慮した。光源の繰り返し周波数の50Hz〜1MHzでの依存性がほとんどないことを測定した。温度依存性も上記の範囲内でほとんどないことを測定した。

GATEによるXEMIS2のシミュレーションでは、二つのPMT配列、つまり、1”PMTで8 x 32、2”PMTで 4x 20 の構造によるシンチレーション検出効率等を調べた。44Scを陽電子源として使用し、1.147MeVのγ線を伴った3γ検出のシミュレーションを行った。このとき、TPCのドリフト電場(2kV/cm)によるシンチレーション光量の減少(30%)とPMTの量子効率(30%)を仮定した。また、(3個の)γ線の発生から液体キセノンとの反応・シンチレーション発生そしてPMTでの検出までの時間情報も記録した。1”と2”PMTで、シンチレーション光の発生から検出までの時間で有意義な差が計算されたが、これは等しくなるものでデバッグ中である。PMTによる事象の検出効率そしてその中での3γ事象の割合を光量の閾値と上限値の関数として計算した。2” PMT使用の方が1”PMTのものより性能が優れていることがわかった。次の課題はトリガーの閾値の決定、『光源』の再構成である。

この3ヶ月間のインターンシップ研究で貴重な経験と多くのことを学んだ。

Q : 電荷シグナルのシミュレーションはどのように扱われているのか。
A : GATEの標準ではサポートされていないので、GEANT4を直接使用しなければならない。
C : ぜひ、電荷シグナルもシミュレーションに取り入れてほしい。Small PETの性能評価に必須である。

Study plan、Vincent

2014年1月24日から3月26日までインターンシップとしてKEKに滞在しこのグループに参加する。主な研究課題は、強い磁場中でも使用可能なアバランシュフォトダイオード(APD)の性能評価試験である。まず、常温でフロントエンドエレクトロニクス(電荷シグナルのものと共通)、データ収集システム(デジタイザーとしてMCAを使用)の構築を完成させる。このとき、APDは市販のもの, S8664-55(浜松ホトニクス製)を使用し、光源としてNaI-241Amパルサーを使用する。

現在、A250を使用したプレアンプとOrtec-575(シェイピングアンプ)の性能評価を行っている。今後の予定は常温試験を2月中に行い、液体キセノン中での試験を3月に行う。後者ではガラスデュワーのchamber(EDIT2013やサマーチャレンジで使用)を用いる。また、キセノンのシンチレーション光の検出には窓のないAPDを使用する。

真空断熱予冷・熱交換システムの構築、笠見

ファイル : pptx
添付の図のように、真空断熱予冷・熱交換システムの設計・製作を今年度内に行う。目的は効率のよい熱交換システムの構築によりガス循環の流量を少なくとも倍増することである。また、スターリング冷凍機による予冷装置の設置によりさらに流量の増加をはかる。
C : この予冷装置の試験で、TPCプロトタイプ試験用のchamberの上方に設置されているPTRの役割の軽減、将来的には、それを無くすようになればよい。

TPCFE(ASIC)フロントエンドエレクトロニクスシミュレーション、田内

ファイル : pdf

LTspiceを用いて、ASICチップのTPCFEのシミュレーションを行っている。目的は使用中のもので観測されている不安定性の再現とその対策を検討することである。不安定性は、テストパルス時に複数(8以上で顕著)の出力を50Ωでターミネーションすると現れる。 現在、JAXAの池田さん、田中真伸さん、房安さんの協力を得て、シグナル生成を行えるようになった。 出力のロード数の依存性等を大まかに『再現』しているが、詳細な調査はこれからである。

次回の定例会議は2/5(水)13:30- , 1号館談話室1。

以上。