以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。
電荷シグナルの波高ピークとσの電場強度(HV)依存性をpedestalを差し引いてプロットし直した。特に、σが小さくなっていることがわかる。
TPC HV=-3kV時のPMT2シグナルを時間系列に1,000事象づつに分けそれらの分布を調べた。それぞれの分布はランダムに変動しているように見える。もう少し長時間データを取ってみないとはっきりしたことは言えないが、PMT2が次第に安定している様子は見られなかった。PMT1もTPC HVを上げると影響を受けている可能性がある。次回のupgradeでPMTのシールドを検討してみてはどうでしょうか。次に、PMT1のADCデータより光電子数を評価した。その期待値は(5.49MeV/20eV)*1.44*10-2*0.2*0.8*10+6~= 630 ±70 (量子効率、アクセプタンスの不定性)と評価される。PMT1のTPC HV=0時、560±30 (Gainの不定性 , 5.5/2 x 106、このとき、シグナルを2分割していることを考慮した)であった。よい一致を示している。
モンテカルロで簡単な条件(200-1000MeVの一様エネルギー分布、エネルギー損失量は2次元での飛跡長に比例する)を与えて1.5cm×1.5cmのパッドの平面上をランダムに通過する宇宙線ミューオンのenergy depositを求めた。これと4つのパッドからのシグナル和を比較する。また、飛跡は4chのパッドに入る電荷の比から求める?
2chでpre-ampのoutputまでPH-ADCに読み込むことが出来た。残りの2chはフィードスルーに短いケーブルを結線した。ch1のノイズがch2に比べて大きく、pulse heightは少し小さいように見える。DAQでPMT-2本とTPC-2chの同時計測システムの準備である(ソフトウエアのデバック中)。
ASIC常温試験結果のまとめを作成中である。8ch/1チップの間でゲインのばらつきがある。入力シグナルのダイナミックレンジ(ゲイン±0.5)は、-30fC〜100fCである。ENCは検出器容量Cd=0で400、50pFで600程度であるが、まだ、ゲインを補正していない。クロストークは隣が20%で他は10%程度ある。これはASICチップとしては大きすぎるので測定方法の工夫が必要である。
ASICチップに温度センサーを取り付け液体窒素による冷却試験を行った。テストボードはアルミケースに収納し、それを発砲スチロールの箱に入れた。アルミケースに穴を空け、そこから乾燥窒素ガスを流し入れながら、箱に液体窒素を流し込んだ。箱にフタをすれば±1℃程度まで温度コントロール可能であった。 冷却中、テストパルスを入力しながら出力を観測した。-20℃ぐらいから振動しだし、-80℃近くになると出力効率が悪くなり、やがてなくなってしまった。常温に戻すともとに戻った。次に、シグナルの出入力のコネクター部分の接触不良をなくすためそれらすべてをハンダ付けし、ジャンパーピン部分もハンダ付けした。また、テストパルス用のコンデンサを容器外(常温)に設置した。この結果、-30℃付近より、連続的なゲインの変化が起こり、-100℃付近で出力がなくなった。いろいろのバイアス電圧をモニターしたが、冷却中特に問題はなかった。
これから、データをまとめる。出力用バッファーチップを外してみる。入力線をエポキシなどでガチガチに固める。また、OrCADで回路図を書き直す。(第2テストボード)
ALTROシステムはLHC ALICEグループのTPC読み出し(wire readout, PAD size of 4 x 7.5mm
その前に、先ず、我々の液体キセノンTPCの仕様(案)について以下のようにまとめた。
ALTROシステムはFront End Card (FEC)、Back Plane、Readout Control Unit (RCU)、そして、PCI-Xを装備したPCから構成される。FECはそれぞれ8個のPASAとALTROのASICチップ(16ch/チップ)を持ち128 chのパッドにカプトンフラットケーブル(長さ25-30cm, 40 lines = 32 signals + 8 ground lines, 0.5mmピッチの宇宙電子製のWRシリーズ)でエンドプレートに接続される。
PASA(PCA16仕様)にはShaper(gain of 12-27mV/fC, peaking time of 30-120nsec)とPreamp(gain of 5.25-6.5mV/fC, rise time of 10-80nsec, decay time of 1 -10usec)の二つのアンプ・出力モードがある。それぞれのパラメータはソフトウエアで設定される。この内のPreampモードがLXeTPCに利用できる。ALTROチップにはADC(<40MHz)とデジタル回路が含まれており、ベースライン補正、ガス増幅のイオンによるTail cancellation、zero suppressionなどが行われる。PASA+ALTROのch当たりの消費電力は高々40mWである。
RCUはトリガー(TTL)を受け取って読み出しを開始する。DataとAddress等から40bitにFormatされる。Dataは20bitで、10bitのADCと10bitのTime stampよりなっている。Addressは12bitで、branch (1bit =2)、FEC (4 bits =16)、ALTROチップ(3 bits=8)、チップ内channel(4bits=16)よりなっている。したがって、1個のRCUの全channel数は4096 (12bits)である。
上のファイルの役割分担が提案され合意された。これにより、スタッフによる責任体制を明確にしたい。
電子ログブックは来週中に立ち上げたい。
次回meetingは7/23日(木)午前10時から行う。
以上。
本題からずれるが、超真空用のケーブルとしてドイツAllectra社の真空用カプトン絶縁被覆電線がある。
PADサイズ:1mm x 1mm (2mm x 2mm)
入力電荷量 : 電子数で100個から100,000個
シグナル立ち上がり : 230-460nsec (グリッドとアノード間=0.5(1)mm)
drift time 0 - 110usec
gain 6mV/fC 程度
rise time 100nsec 程度
decay time 1 - 10us ( Preamp mode )
peaking time 0.5us, 1us, できれば、5usecまでvariableだとよい
Diffusionによる時間方向のばらつき=σで460ns (24cmドリフト)
10MHz程度, 10bit(少なくとも)
パイプライン読み出し
ジョブの分担と電子ログブック、三原
ファイル:役割分担(pdf)
その他
サマーチャレンジ予行演習は7月23日木曜日午前10時より終日行う予定である。