2009,7/2のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿

日時:7月2日、木曜日、午前10時より
場所:先端計測実験棟多目的室
出席者:藤井、東、三原、真木、田中、田内

以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。

TPCシグナル解析、藤井

ファイル:pdf ( 7 pages, 1.2MB )

CAMAC PH-ADC(12ビット、最大2.5V)でデータを取ることができるようになった。ご協力を頂いた音野さんに感謝したい。

PMT2本によるシンチレーション光によるコインシデンスのトリガーで、TPC HV=0, 1, 1.25, 1.5, 1.75, 2, 2.25, 2.5と2.75KVで、データをそれぞれ10,000事象読み込んだ。入力無しの状態ではADC値は0であった。ペデスタルとシグナルの分離がポケットMCAのときと比べてよくなっている。シグナル部分を指数関数とガウス分布の関数でフィットして、ガウス分布の平均値とσのHV依存性を調べた。このとき、ADC値はカタログから0.610mV/chで換算した。Pulse generatorでADCの較正を行う予定である。

-2.5~2.75V付近でサチュレーションが始まっている可能性がある。σの値も電圧が増えるに従って増加することが期待されたが下がっている場所もある。ただし、統計誤差が大きいため、もう少し統計を貯めることが必要と思われる。 ペデスタル分布のピーク値とσはHVとともに線形に増大している。

ペデスタルに電圧依存性が見られたので、ノイズの原因がPADにあるように思われる。また、ペデスタルとシグナルの大きさが2程度で、さらにノイズスタディーが必要である。

Q : 『-2.5~2.75V付近でサチュレーション』を確かめるにはHVをもっとかける必要がある。
A : 放電現象が増加するのでどれくらい大きくできるか慎重に見てみたい。
Q : ペデスタル(ノイズ)のピーク値やシグナルの波高値はデジタルオシロスコープの観測値と一致しているか。スコープではノイズの波高は20mV程度と思うが。
C : 一般に、シグナルの大きさはペデスタルを差し引いたものである。したがって、HV=0のときのものが真のペデスタルで、すべてのADCカウントはこのペデスタル値を差し引かなければならない。上記のペデスタルのHV依存性もそれぞれこの差引を行った後、ノイズのHV依存性として見なければならない。σもペデスタルのものをそれぞれの二乗で差し引かなければならない。
C : HVオンでADCゲートのタイミングを大きく変えてペデスタル分布を取って比較してみることも必要である。
次に、秋の学会での発表の内容をまとめた。電荷シグナルについての報告が中心となる。そのTPC-HV依存性、PMTシグナルとの相関、純度の評価を発表したい。次回の実験の予定も話したい。
C : それだけではすでにpublicationされているものの再測定のようであるので、4ch読み出しによる『TPC性能』のような発表も入れるべきである。例えば、宇宙線の飛跡を再構成し天頂角分布を出してみることなど。
C : どの程度の再構成ができるか、簡単なシミュレーションで評価してみることも必要である。
C : 4ch読み出すための準備を考えなければならない。

ASICチップテストボード、東

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テストボードが届いたのでASICチップのテストの準備を行っている。エレクトロニクスグループの田中氏の指導を直接受けるため、隣の実験室にセットアップを移した。

テストパルス入力による出力、バッファーアンプ出力を確認した。

C : テスト項目のリストと具体的な測定方法を示してほしい。専門家に直接聞くことが必要である。

End-plate読み出し基板技術会合、田内

第2回目の打合せが予定通り水曜日にあった。我々のグループからは田中,佐伯と田内が参加した。このプロジェクトは佐伯がリーダーとなっている。議事録も準備中とのことである。先ず、エンドプレート(多層のPCボード)の熱解析を研究課題として房安氏(長崎総合科学大学)が測定器開発室への提案書の骨子を作成することとなった(一週間以内)。その中に、液体キセノンTPCからの提案も入れて行くことになる。

その他

9月18日(金)、早稲田大学で研究会『電離及びシンチレーション検出器の基礎物理と暗黒物質探索への応用』が開催される。そこで、液体キセノンTPCグループも講演をすることとなった。

液体キセノン用の新しいPMT R7600の情報が届いた。低温下で、物理的な破壊や、光電面の高感度化などへの対応が前のものより進んでいるとのことである。

秋の学会報告用の実験と今年度の実験計画の素案を三原が作成しメール交換後に次回meetingで議論することとなった。その際、仕事の分担を明確にしたい。

サマーチャレンジ予行演習は7月23日木曜日午前10時より終日行う予定である。

以上。