以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。
上のファイルに4月17日のPMT検査結果をまとめた。下側のPMTはブリーダーから外れており、そのほとんどのピンが曲がっていた。
このPMTのシグナルテストを行った。先ず、シグナル出力にノイズも見えなかった。NaI-Am光源を用いたがシグナルを確認できなかった。予備のPMTではNaI-Am光源のシグナルも確認し、HVの450 - 715Vでのシグナル波高値を測定した。(図中の縦軸は波高で-mVの単位で、横軸はVである)
本日、2つのPMTを再度、出力検査を行った。下側のPMTのフォトカソードを目視したところ変色部分を確認できた。曲がったピンの根元付近からリークしていると思われる。上側のPMTは出力OKであり、フォトカソードの変色もなかった。しかし、そのピンの根元付近のガラス上に損傷がみられたので、アラルダイトを盛り補強した。予備のPMTも再度出力を確認した。今回は暗幕で多い、その隙間よりの光でシグナル出力の確認を行った。
上側のPMTはそのものを設置し、下側のものは予備のものを設置した。
真空引き口をチェンバーに直付けした他、マススペクトロメータ(Pfeiffer製QMA 200)も取付けた。
4つのPADを接続して1chとしてこれまで読み出していたものを、4ch独立に読み出すように変更した。下側の2つのPADをJ-FET読み出し、上側の2つのPADはケーブルでフィードスルー直結とした。今回、テストパルスは1ch(no.1)のみ入力可能とした。フィードスルー部での配線もファイル上に示した。(実験ノートに詳細がある)
前回の実験での真空排気、ベーキング、循環精製の過程を上のファイルの1ページとしてまとめた。循環精製開始後のシンチレーション光(α線ソース)の波高(ADC読み出しの平均値)を時間の関数としてプロットしたものも示した。この中で、液相純化での循環速度を1リットル/分から1.6リットル/分に変えたとき、波高の増大率が2.1倍となった。冷凍機の能力上、1.1リットル/分に戻し長期運転を行った。このとき、増大率が戻ったことを確認した。
真空排気曲線の一般的な振る舞いを示し、到達真空度(p)が単位時間当たりに放出されるガスの量 ( Q in Pa L /s )と真空ポンプの実効排気速度 (S in L/s)の比(p = Q/S)となることが示された。
また、純化精製での不純物量の評価も同様の比で示されることを示唆した。このとき、Sは純化速度となる。
三原により前回のmeetingで示された真空度の目安としての『ゴールデン則』から、23ppb/Paが導かれる。 したがって、到達真空度と実効排気速度からQを求め、純化速度で割れば不純物量を評価できる。ここで、以下の表で示されるようにQは排気時間の関数である。
また、各種材料からのガス放出速度の表も紹介された。これらのデータ等の参照ホームページは、『真空のページ:http://www.nucleng.kyoto-u.ac.jp/People/ikuji/edu/vac/index.html』である。非金属、特に柔らかいものの使用を極力少なくする必要があることがあらためてわかった。
以上。