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ILCのための測定器
リニアコライダーにおける実験
では、様々な物理現象の詳細かつ精密な測定が要求される。
従って、これまでにない高精度の測定器が必要となる。
測定器の研究は、(a)システムとしての測定器コンセプトの研究と
(b)測定器システムを構成するサブディテクターのR&Dの二つの
側面からおこなわれている。
ILCでの研究の対象となる物理プロセスは多岐にわたり、重心系
エネルギーもZボゾンの質量(MZ~90GeV)から1TeV までの範囲に及ぶ。
ILC での実験においては各イベントをクォーク、レプトン、
ゲージボゾンといった基本粒子のレベルで再構成することが必要不可欠である。
したがって ILC の測定器はこれらの基本粒子の高い効率での同定と、
それらの4元運動量の精密な測定が可能なものでなければならない。
以上に述べた要求を満たすため、ILC における測定器は以下の
ような性能を持つ必要がある:
- WとZをhadronic decay mode でも不変質量で分離できるだけの
高いジェットエネルギー分解能;
σ(Ejet)/Ejet ≤ 30%/√Ejet
- ジェットの flavor を高い効率で同定するための優れたImpact Parameter
分解能;
σI.P. ≤ 5 ⊕
10/pβsin3/2θ (μm)
- 荷電粒子に対する高い運動量分解能;
σ(pt)/pt2 ≤ 5 × 10-5
(GeV/c)-1 at high momentum limit
- ビームラインまで 5mrad におよぶhermeticity
これらの性能の実現を目指して、
いくつかの測定器コンセプトが提案されている。
これからの予定としては、
測定器システムの詳細設計ならびに
測定器システムを構成する
サブディテクターのR&Dを進め、
測定器の詳細設計書の作成を目指すことになる。
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