2014, 4/30のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿

日時:4月30日、水曜日、午後1時30分〜
場所:1号館談話室2
出席者:濱西(横浜国大)、笠見、田内(KEK)、三原(東海からSeeVoghRNで参加)

以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。

前回のmeetingからの進捗状況のまとめと今年度の計画、田内

ファイル:pdf

(1) 液面計の試験

4月7日に、改めてPTR運転停止などと液面計の読み値についての試験・測定を行った。添付ファイルの1ページに液面計の設置場所を示した。液面値として150mmまで測定可能ある。2ページに測定結果(液面値)を温度、キセノンガスの循環速度、chamber内の圧力、PTRヒーターパワーなどの関数として示した。冷凍機(Pulse Tube, PTR)のcold headの温度変化でわかるように、PTRをoffにして液面がどのように変化するのを観測している。この間、3回ほどPTRをoffにしている。液面が4回ほど141mmから150mm(上限値)の間で動いているのが分かる。液面を変化させようとしてPTRをoffにしたり、液の温度をヒーターで上げようとしているのがわかる。この液面計での液面上昇の1つの説明(仮説)として、液面計内の狭い空間で表面張力を考えた。現象としては温度が低いほうが表面張力が強くなり液面が上昇するというものだ。AMI社にはこのような液面上昇の経験があるのか、あるとしたらどのような原因が考えられるのかを聞いている。
追記:AMI社と数回に渡り電子メールで交信しているが原因不明な現象となっている。

(2) Vincent Tran氏のインターンシップでの研究成果(2014年1月24日から3月25日)

3ページ:APDの室温での試験結果で3/13に報告済
4ページ:最終日の3/25の測定結果、写真はPTRヘッド下に設置されたpreampドーターカード(0.1pF, 1GΩ)とwindowless APDが示されている。このAPD部分がテフロン製の容器(シンチレーション光の反射容器)に入り液体キセノンに浸される。右図に、chamber内に設置された137Cs放射源からのシグナルのMCA出力分布である。光電効果のピークがはっきり観測されていると思われる。キセノンをガス化し回収後の3/27に、常温で置換の窒素ガス中でのテストパルス試験と宇宙線が直接APDをヒットしシグナルとなるバックグランドの測定を行った(elog-APD48)。この宇宙線バックグランドは無視できることがわかった。4/2に、再度、キセノンを液化し、3/25の測定結果をほぼ再現することが出来た。バイアス電圧の63.5V以上(66V以上で発振)で <10Hzのシグナルを再確認することができた。バイアス電圧63.7V以上ではpreamp出力がほとんど飽和してしまう。また、63.4V以下ではその出力が0となる。したがって、シグナルの観測は、バイアス電圧の63.5-63.6Vの非常に狭い範囲に限られる。また、Xe回収時にシグナルを観測し、ガス化とともにシグナルが消えるのを確かめた(elog-APD-51)。
5ページ:windowless APDが液体キセノンに浸した後60V程度のバイアス電圧でも大きなゲインを持つことになったので、さらなり試験のためにpreampのfeedbackコンデンサの容量を1pFに交換した。このpreampを用いた常温で241Am NaI光パルサーでの結果を示した。バイアス電圧の68.5〜90.6Vでpreamp出力の波高が10mVから1600mVと増幅される。
6ページ:上の測定を相対ゲインにしてバイアス電圧の関数としてプロットした。バイアス電圧の100V以上でpreamp出力が飽和し始めている。
7ページ:液体キセノン中でのシグナルで、バイアス電圧の59〜59.3Vの非常に狭い領域で、postamp(preamp)出力が20(10)mVから8(3)Vと急激に大きくなっている。
8ページ: 6ページと同様に相対ゲインでプロットしたもの

液体キセノンに浸した後、windowless APDの振る舞いが大幅に変わってしまったと思われる。

(3)新しいASIC読み出しシステム/ボードの設計と製作

9ページ: eLOg-Electronics-73で詳細報告したSPiceシミュレーション回路、ここで、IBIAS=56uA、Vref=-250mVと固定した。
10ページ:Rogers(セラミック)PCBを用いたボードで、ANODE, ASIC-TPCFE09とBuffer-AMPの三つのボードよりなっている。
11ページ: これらのボードに配線図;ASICボードとBuff-ampボード間はdifferential/twistケーブルで接続し、buffer-ampボードからはsingle endで出力される。供給電源はそれぞれ±1.25Vと±2.5Vで別のものとなっている。すべてのケーブルは超高真空対応品である。
12ページ: 使用している部品の説明

(4)新規導入の予冷システムの構成図

13ページ: 3/31に納入済。予冷とともに真空断熱の熱交換器使用でガス循環量として4リットル/分を期待している。現在、会社で改良中である。

XEMIS2のためのシミュレーション、濱西

昨年度、3ヶ月ほどSubatechに滞在し(インターンシップ)、小動物用のPETとして製作されるXEMIS2のためのGATEシミュレーションを行った。今年度はそれをさらに進め、修士論文としてまとめたい。

以上。