2011, 6/16のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿

日時:6月16日、木曜日、午前10時より
場所:開発棟実験室
出席者:田中、真木、笠見、田内(KEK)

以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。

最近の進捗状況と今後の計画

田内による報告と議論が行われた。

先ず、2010年1月から現在までの経過を以下に列挙する。2010年1〜3月末までは、2009年末に立てた計画にほぼそって進んだ。

1/31- 2/13 藤井(東大)Subatechへ交換学生として参加
3/14 -27 Subatechの T.Oger が交換学生として来日
3/18 真空引き開始、3/20 ゲッターポンプON
3/23 液化開始、3/25 純化循環開始
3/29 放電ですべてのBF862(JFET)のG-S間ショート;交換
4/28 真空引き開始、5/12 液相循環精製開始
6/18 温度制御故障のため冷凍機停止
6/23 Xeガス(1気圧)でエレクトロニクスチェック(“小さ過ぎるシグナル”)
7/31 chamber内の配線間違いを発見(FBとDrainが入れ替わっていた!)
8/5 - 12/4 AD829-preampの発振対策(GNDと一緒に)
9/2 - 14 Xeガス(0.14MPa 絶対圧)での試験
9/18 - 11/27 液体Xeでの試験(実験室移動のため停止)
12/2 新実験室へ移動
12/3 16ch-NIM-AD829のテスト 全ch発振 断念し、A250を採用決定
12/10 - 31 液体Xeでの試験再開
12/24 - 2011 3/4 2SK152使用のドーターカードの最適化
2011
1/4 - 1/31 Xeガス(0.216MPa 絶対圧)での試験 ( 8ch FADC のDAQ ) ; メッシュグリッドの電荷通過率を測定
2/2 - 28 液体Xeでの試験 ; 精製循環の調整試験
2/16 16ch-NIM-A250入荷;これ以後、16ch FADCでDAQ
3/3 2SK152ドーターカード(0.1pF, 1GΩ, テストパルス入力用容量=2pF)12枚入荷
3/11 東日本大震災
4/1 大震災後の活動開始 ; 4枚のドータカードの2SK152を交換(GNDから入荷時の不良品)
4/15 2SK152ドーターカードをchamber内へ設置;テストパルスの電荷量を10,000電子数相当を標準とする
4/19 重点レビュー:液体TPCプロジェクト
4/26 chamber内、真空引き開始
4/29 3.5mm厚セラミック製(ダミー)エンドプレートの強度試験 : 水圧利用
5/10 ASIC TPCFEチップの低温試験準備を開始(横国大・高木)
5/12 真空ビルドアップ試験
5/13 冷却開始
5/14 液化完了
5/16 液層純化開始;約0.4リットル/分で5/28まで運転
5/18-20 循環中の電荷シグナル上のノイズスタディー;ダイヤフラムポンプとファンがノイズ源(東大・金子、横国大・高木)
5/28 冷凍能力低下
5/28 - 6/2 液層純化過程を調査;2リットル/分での安定な循環が困難, i.e. 1.7〜2.6リットル/分のように変動
6/3 chamber内、すべてガスとなる (常温)
6/4-6 Xeガス(約2.5気圧)での電荷シグナルのデータ収集;anodeより1cmとcathode上のAlpha線源からのシグナルを確認
6/6 chamberを開放;Oリング交換、循環するXeガス戻り位置を内側へ変更、PAD11と14のドーターカード交換
今年度、16個のPADによる電荷シグナル、2個のPMTによるシンチレーション光の検出により、5cmドリフトのTPCの基本性能の測定を第一の目標とする。また、液層循環の2リットル/分の安定な運転を行い、純化過程の高速化を実現したい。そのために、PT冷凍管や熱交換器部分の真空断熱化も試みる。

これらの試験結果を下に、chamberを含めて新TPC試験装置の設計を行う。新TPCシステムは、2 x 4のPMTマトリックスによるシンチレーション光の検出、12cmのドリフト、ガンマ線入射方向の深さ6cm、そして、少なくとも 4 x 4の16個のPADによる電荷シグナル検出によるミニマムなものである。ここで、電荷シグナルのフロントエンドエレクトロニクスは液体キセノンの外側、できるだけPAD(アノード)の近くに設置する。すなわち、TPCのエンドプレートで液体キセノンと真空を分離し、エレクトロニクスを真空側ないしフィードスルーを通じて大気側に設置する。この計画と概念設計を下に、いろいろのところへ予算請求を行いたい。

C : 予算獲得と若手研究者の参加を得るため、ダークマター探索等高エネルギー物理を第一の目標と掲げた方がよい。
A : Subatechグループは次世代PET開発で多額の予算を獲得しR&Dを行っている。また、彼らは昨年度からXENONグループに参加しダークマター探索用のR&Dも行うようになった。それぞれのPhD学生とポストドクがいる。検出器として共通要素が多いので、我々もその方針を取ることを試みたい。
C : 新TPC試験装置の設計を行う上で、イメージ図を用意してほしい。
A : 了解。
C : 効率的なR&Dを進める上で、できるだけ多くの人によるレビューが重要である。そのように定例meetingの日時を決めたい。
A : 毎週、木曜の午前10時30分から開始して、1時間以内に終了したい。
2010 3/29にすべてのJFETがanode HV印加時の放電で死んだが、その原因となった放電の場所が最近ほぼ特定できた。マザーボードとそれを取付けているサポート板との間、丁度、anode HV用のピンがサポート板の端に非常に近くになっていた。chamber開放後にノイズ対策を行っていた時に、その部分での放電を確認した。この時は、HV電源(菊水の安定化電源)がトリップしたが、幸い、JFETの2SK152はすべてOKであった。この部分は取付ける際のスペーザーを厚くし間隔を数mmとするようにした。

その他

次回の定例会議は、6/23(木曜日)の午前10時30分からの予定です。

以上。