2011, 6/9のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿
日時:6月9日、木曜日、午後4時より
場所:開発棟実験室
出席者:春山、笠見、三原,田内(KEK)、高木(横浜国大)
以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。
TEGトランジスタ(Tr)チップの低温試験準備、高木
すべてのケーブルの作成を終了し、BNADY 48ピンコネクターでフィードスルーしている。Chamber内の温度センサーは白金抵抗を使用し、冷凍機ヘッドと素子の近くテストボード上の2カ所に設置した。テストボードと冷凍機ヘッドとの熱接触はαゲル(シリコン)シートを用いた。
先ず、chamber内を真空にした。冷凍機ヘッドは-110℃になるが、素子近くでは-45℃であった。次に、窒素ガスを1気圧封入した。ともに、-90℃程度になったが、-110℃には到達しなかった。chamber上面のフランジはアクリル板で、それからの熱侵入を少なくするため、その部分を断熱材で覆っている。
Q : フィードスルーにつながれているケーブルの本数が多いように思われる。それらからの熱侵入を見積もってみるべきである。
A : 最小限必要なケーブルの本数を調べてみる。また、熱侵入も見積もりたい。
C : 熱抵抗がより小さいヘリウムガスを封入したり、その圧力を変えて冷却試験をしたほうがよい。
液化・純化循環の現状と対策(議論)
5月の連休中に真空引きを行い、ビルドアップ試験後、5月16日午前9時40分ころから液層循環を開始した。今回、chamber底部より液を吸い上げるテフロンパイプと熱交換器入力用のパイプとの接続をスタイキャストで行い、低温でもその部分での漏れの無いようにした。
開始時の循環流量は0.4リットル/分であった。2個のPMTによるシンチレーション光量のモニターも同時に開始した。5月18日14時から5月28日17時までDAQシステム異常のためモニターできていなかったが、シンチレーション光量は減り続けていた。5月29日の午後10時ころから急にシンチレーション光量(平均値)が下がった。5月30日,午前8:50に確認したところ、液温が174K近くまで上昇してた。液純化の流量が何かの原因で冷凍能力以上に増えたことによる。一時的に純化を停止して液化モードにした。上方に設置されたPMT1の光量は液化開始とともに増大に転じたが、下方のPMT2のものは下がり続け30日の17時ころに下げ止まった。5月31日、午前9時ころより、循環システムの調整(コンプレッサーで使用のHeガスの入れ替え等)を行った。これら調整の影響はPMT1の光量変動に現れているように見える。その最後に、冷凍機ヘッドを一度暖めて(90分程度)、13:00から液層循環を2リットル/分で開始した。ただし、循環流量は1.7 ~ 2.6リットル/分と変動していた。18:00からは無人運転となるため、流量を1.2リットル/分に変更した。PMT2の光量は循環開始とともに増大したが、PMT1はしばらく減少し6月1日午前1時ころ増大に転じた。午前9時40分ころ冷凍機ヘッドを約70分ほど暖めてから、2リットル(1.7 ~ 2.6リットルの変動有)/分で液層循環を開始した。再び、午後6時から循環流量を1.2リットル/分に下げた。6月2日午前4時過ぎに、PMT1のHV電源がトリップした。原因は冷凍機不調で温度上昇が起こり上方でガス化が始まったことによると思われる。6月2日の午前9時に、PMT1のHV値は+860Vではトリップするので、+720Vに設定して、これ以降、光量モニターを続けた。午後5時ころまで光量は一定であったが、それ以後下がり始め、午後9時ころに再び、PMT1のHV電源がトリップした。
6月3日午前9時以降はchamber内の温度が297Kとなりガスとなっていた。冷凍機と循環は止まったまま、ガス中のシンチレーション光量のモニターを続けた。6月6日にXeを回収しchamberを開放した。
2L/minで液層循環させると、通常常温の上部フランジが冷えていた。念のために内側容器上部のガスケットをOリングからUタイトシールに交換したほうがよいと判断した。また、死んでいるドーターカード2枚の交換とノイズ対策も施すこととした。
- C : 液層循環で流量2リットル/分で純化を行うことが出来たが、流量の変動が大きく流量を一定に運転することが難しい。一度不調となると冷凍機ヘッドを暖め直すことが必要であった。
- C : その原因として、増強した圧縮機に使用しているHeガスに不純物が混入していてどこかで凍りつき十分なHeガスの供給が出来なかったこと、冷凍機ヘッドの回りにXeが凍りつき断熱により液化ができなくなったことが考えられる。Heガスの問題については新しいものと交換してみたが、改善はなかった。
- C : 冷凍機ヘッドの設置部分は真空断熱されていない。また、熱交換器も真空断熱されていない。熱交換器の回りは比較的厚い断熱材で覆われているが、冷凍機ヘッド回りなど上部フランジ部分には断熱材を追加した。
- C : 2リットル/分で液層循環しているとき、熱交換器の出入口での温度は-25℃と-20℃で熱交換が『正常に』行われていた。
- C : ガスケットの交換の他に、熱交換器からのガスの出口(パイプを通じて)の位置を真空断熱のあるchamber内にするように改良を行う予定である。
- C : Nantesグループは5リットル/分で液層循環を行っている。冷凍機のパワー(150W@165Kで20リットルのXeを2日間で液化する、我々のものは24W@165K)が大きいこと、冷凍機ヘッド, ガスと液の出入口がchamber内にあることが我々のものと違っている(添付図参照: tiff そして 新しいシステム)。
Xeガス(約2.5気圧)中での電荷シグナルをPMT2本の2-foldコインシデンスで1,000eventsデータ収集を行った(./Adaqmod) 。これには、アノードから1cmに張られたワイヤー上のα線とカソード面上に置かれたα線からのシグナルがはっきりと見える。また、入力電荷の10,000電子数に等しいテストパルスを使用してノイズスタディーが行われた。
その他
次回の定例会議は、6/16(木曜日)の午前10時からの予定です。
以上。