2009,10/22のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿

日時:10月22日、木曜日、午前9時30分より
場所:先端計測実験棟多目的室
出席者:藤井、東、春山、三原、佐伯、田中、田内

以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。

先端計測棟実験室の拡張他、春山

測定器開発室から以下の3点について連絡があった。
  1. 先端計測棟実験室の拡張について
  2. 今年度追加予算について
  3. 今後の予定

我々のグループとしてはAC電源容量、そして、冷却水、洗浄水(水道)などの設備の備わった現在の実験室に留まることを希望することになった。また、追加予算については来週のmeetingで議論しまとめることとなった。

次期実験- 16ch PAD読み出し-

役割分担にしたがって議論した。

TPCハードウェア、三原

16ch分のJ-FET, feedback-コンデンサーと抵抗をアノードPCボードに実装しなければならない。それぞれの部品の大きさを調査している。今まで使用して来たものは実装には大きすぎるので,チップタイプのものを探した。最も大きなFETチップで3mmφx2.5mmであり、16chでPCボード上の20 x 48mmに収まりそうである。 Purityモニター用のガラスチェンバーで11月中にテストパルスで試験したい。このとき、同軸ケーブルではなくテフロン皮膜のtwisted-pairケーブルを使用する予定である。

容量をできるだけ大きくした内部チェンバー、取付け用のインターフェースフランジなどを設計・製作する。すでに設計は終わり、12月初旬には納入される予定である。

JPARC実験用にCAEN製VME-HVモジュール(6ch/台)を3台購入した。ch当たりの値段は廉価であった。他数のPMT用のHV電源として適当と思う。VMEクレートが必要であるが、VMEコントローラーは不要である。このモジュールの出力極性はマニュアルで切り替えることができる。

最近,MEG@PSIでgetter pumpを使用し、純化のための精製循環をしなくてもよくなった。これにより初期真空度が上がったことが最も効果的なことであった。ただし、getterは400Kで運転されるため、これからの熱流入を考慮しなければならない。 使用可能な期間は5-6年である。getter自身は高温の水素で還元できるが、会社へ送って還元を行うことになっている。

  • C/Q : グリッドとアノード間の電圧をカソード間とは独立に変えられるようにしたい。最も簡単な方法はグリッド電位をグランドとすることだが、アノードが高圧となる。
  • A : PCボード上にはde-coupling用のコンデンサーが必要になる。その大きさを考慮しなければならない。
  • エレクトロニクス、田中

    現在、アルミ板面上に銀ペーストを施し、auto-dispenserで配線pattern印刷の試験を行っている。具体的には、ストリップライン読み出し用のクロスパターンを印刷している。将来、JFET arrayを製作しASICチップ(フロントエンドエレクトロニクス)とともに実装する上での配線パターンを製作したい。

    プリアンプとshaperは市販のものを使用することも考えられるが、16ch分では高価になってしまう。したがって、論文公表されている液体キセノンチェンバー用のものを参考にオーダーメイドすることにしたい。

    波形読み込み用のOscilloscope-board(USBインターフェース), 2ch, 1GHz サンプリング(100MHz帯域)を購入する。

    その他、そして、次回までの予定

    低温センターで購入の超低温恒温槽(-120℃)は11月下旬に納入される。(春山)

    担当者は、来週のmeetingまでに、新チェンバー、TPC本体、アノードパッド用PCボードなどの図面、予算の概算、スケジュール(工程表)をレポートとしてまとめることとなった。できれば事前に配布してほしい。

    今年度の工程表(つづき),東

    0.5umプロセスによるフロントエンドASICチップの改良点は、バイアス電流値の10数倍化、つまり4nAから50nAへ、とカレントミラー回路の追加、ただし、電流制御用の抵抗は外付けとする。 12月3日に業者に回路図等を渡し、2月下旬に入荷予定となっている。
    Q : 外付け用の抵抗は何個であるか。
    A : チップ当たり6個である。
    Q : なぜ内蔵できないのか。
    A : 面積が大きくなりすぎるため。
    Q : ????
    C : いきなり詳細な工程表を見せるのではなく、例えば、大きな4項目くらいの項目に対して工程表をみせてほしい。全体の流れを先ず示すことが重要である。
    C : 説明は丁寧に行い、聞き手に理解してもらうように努力すべきである。グループ内ではできるかぎり協力したいと皆が思っている。
    上のコメントを受けて、丁寧な説明の準備、そして、再々度、工程表を作り直すこととなった。

    22Naソースによるγ線シグナル、藤井

    ファイル:測定結果 :2-fold coincidence ここで、赤線がγ線源ありの場合、黒線が無しの場合のデータ、α線ソースはカソード面に常にある。

    液体キセノン中の2つのPMTによる2-foldコインシデンス・トリガーで収集したデータの解析結果が示めされた。このとき、外付けのガンマ線ソース(Na-22)で照射したもの(黒色)とそれのないもの(赤色)の二つの実験ランを行った。先ず、それぞれのランのno-cutイベントの分布が示された。次に、陽電子消滅からの一方のガンマ線の検出用のプラスチックシンチレーションカウンターのシグナルの中で閾値以上のものの(cut)分布が示された。このcutによりα線イベントはほとんど除去することができた。Xe-PMTシグナル中に光電ピークは見えなかった。また、電荷シグナル(PAD ch2)の統計はひじょうに少ない。最後に、電荷シグナルに閾値以上のcutをした分布が示された。

    これらの分布より、Xe-PMTと電荷シグナルの511KeVのγ線領域は判明したが、光電ピークを見ることは出来なかった。特に電荷シグナルは1つのPADのもので十分な統計を貯めるのに13時間程度のデータ収集が必要となる。

    Q : NaIシンチレーションカウンターを一本借りてある。511KeVの光電ピークが見られるはずである。これを使用してみるか。
    A : はい、ぜひ、プラスチックシンチレーションカウンターと交換して使用したい。トリガーの効率が上がるものと期待している。

    その他

    上のように、次回のmeetingで図面、概算、工程表等の具体的な議論をすることになった。三原のPSIからのWebex参加可能のように開始時間を午後4時からとすることになった。

    以上。