以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。
ポケットMCA(AMPTEK製MCA8000A)による宇宙線による電荷シグナルの測定を行った。5/22に今回初めて見え出したα線シグナルも同時に読み込んだ。TPC HV値の1000V, 1500V, 2000Vで測定を行った。トリガーは2つのPMTのコインシデンスでTTLレベルゲートを入力した。
それぞれに2つの顕著なピークと宇宙線による広い分布を測定することができた。これらのピークが何によるのかは今後調べたい。今回はMCA読み出しシステムの習得に重点を置いた。また、PH ADC(peak sensitive ADC, CAMAC)が回路室より借りられれば、PMTシグナルと同時に読み込みたい。
1つ目のファイルに示したように、精製循環開始以来20日目の5月22日にα線シグナルを観測した。Post-amp出力で20mVであり、不純物は酸素換算で300ppb程度を見積もることが出来る。TPC HV=0Vではこのシグナルが見えなくなることを確かめた。5月20日には同じ条件でシグナルは見えていなかった。この20日目は前回の45日目を比べると純化時間の大幅な短縮となる。
5/23(土)にもα線シグナルは観測された。このとき、スコープのトリガーとして上記のポケットMCA用のTTLレベルゲートシグナルを50Ωターミネーションで用いていた。これがスコープ上のα線シグナルに影響すること(シグナルを大きくすること)がわかり、それより前段のNIMレベルシグナルを今後トリガーとして見ることにした。
5/25(月)の14:30ころ観測したところα線シグナルが見えなくなっていた。直ちに、5/23以来何か異変が起きていないか、PMTシグナルで調べた(東)。その時間経過(5/18から5/27まで)を上の『シグナル異変(PDF)』に示した。 二つのPMTシグナルがほぼ飽和したことを確認して、5月20日17:40に液相精製循環に切り替えた(春山)。図のように、波高は切り替え後小さくなるが再び増加している。5/22にはα線を確認した。その直後にPMT1のHVがトリップし翌日の午後6時まで570Vでその後800Vに復帰している。このときPMT1のADCカウントが少し大きくなっている(要チェック)。その復帰後二つのPMTシグナルは飽和しているように5/25まで推移した。5/25の10:00から14:00の間にPMTシグナルが小さくなっていることが見られる。これとα線シグナルが見られなくなったことが関係しているようだ。また、PMTシグナルはその後回復しているようで5/27には戻っていると予想された。実際に、1つ目のファイルの3ページに示したようにα線シグナルを15:00に確認した。
5/25正午過ぎに不純物が特出したのが原因を考えられる。そのため、3つ目のファイルに示したように、液化システムの環境モニター(圧力,温度,流量など)の履歴を調べた(笠見、鈴木)。最後のファイルに液化・純化システム図を示した。この期間に変化を示しているものとして、Pt-3, Vac-1そして室温(room)の3つがあった。
鈴木によると、『
(タグ : 降下開始時 上昇に転じ時) Room-temp: 10:50 299.28 K - 12:50 298.23 K Vac-1: 10:55 1.275E-4 Pa - 13:00 1.197E-4 Pa Pt3: 10:50 0.34425 MPa - 12:10 0.342 MPa変化は微々たるものですが、室温(空調)の変化で真空センサーや圧力センサーが影響を受けたのでは無いでしょうか? 圧力センサーは温調内蔵タイプでは無いですし。空調の調子が急に悪くなったか、誰かが温度設定を下げ上げしたか?
これらの変化が原因かどうかは不明である。偶然の一致かもしれない。
サマーチャレンジの参加申し込みは今月末閉め切りとなっている。8月上旬に予行演習を行う予定である。 6/10に企画委員会があり、各グループの予定,準備状況などが議論される。我々のグループからは中村(横浜国大)が出席する。この委員会の前にmeetingで打合せを行いたい。
液体キセノンの覗き窓のある容器は60万円程度と見積もられている。
以上。