2009,5/28のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿

日時:5月28日、木曜日、午後2時より
場所:先端計測実験棟多目的室
出席者:藤井、三原、田中、佐伯、田内

以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。

宇宙線とα線からの電荷シグナル、藤井

ファイル: PDF(xページ,1.3MB)

ポケットMCA(AMPTEK製MCA8000A)による宇宙線による電荷シグナルの測定を行った。5/22に今回初めて見え出したα線シグナルも同時に読み込んだ。TPC HV値の1000V, 1500V, 2000Vで測定を行った。トリガーは2つのPMTのコインシデンスでTTLレベルゲートを入力した。

それぞれに2つの顕著なピークと宇宙線による広い分布を測定することができた。これらのピークが何によるのかは今後調べたい。今回はMCA読み出しシステムの習得に重点を置いた。また、PH ADC(peak sensitive ADC, CAMAC)が回路室より借りられれば、PMTシグナルと同時に読み込みたい。

α線からの電荷シグナルの検出と異変、田内

ファイル:
α線電荷シグナル(PDF)(3ページ,1.4MB)
シグナル異変(PDF)(1ページ,100KB)
環境パラメータの履歴(PDF)(15ページ,3.6MB)
液化・純化システム(PDF)(1ページ,964KB)

1つ目のファイルに示したように、精製循環開始以来20日目の5月22日にα線シグナルを観測した。Post-amp出力で20mVであり、不純物は酸素換算で300ppb程度を見積もることが出来る。TPC HV=0Vではこのシグナルが見えなくなることを確かめた。5月20日には同じ条件でシグナルは見えていなかった。この20日目は前回の45日目を比べると純化時間の大幅な短縮となる。

5/23(土)にもα線シグナルは観測された。このとき、スコープのトリガーとして上記のポケットMCA用のTTLレベルゲートシグナルを50Ωターミネーションで用いていた。これがスコープ上のα線シグナルに影響すること(シグナルを大きくすること)がわかり、それより前段のNIMレベルシグナルを今後トリガーとして見ることにした。

5/25(月)の14:30ころ観測したところα線シグナルが見えなくなっていた。直ちに、5/23以来何か異変が起きていないか、PMTシグナルで調べた(東)。その時間経過(5/18から5/27まで)を上の『シグナル異変(PDF)』に示した。 二つのPMTシグナルがほぼ飽和したことを確認して、5月20日17:40に液相精製循環に切り替えた(春山)。図のように、波高は切り替え後小さくなるが再び増加している。5/22にはα線を確認した。その直後にPMT1のHVがトリップし翌日の午後6時まで570Vでその後800Vに復帰している。このときPMT1のADCカウントが少し大きくなっている(要チェック)。その復帰後二つのPMTシグナルは飽和しているように5/25まで推移した。5/25の10:00から14:00の間にPMTシグナルが小さくなっていることが見られる。これとα線シグナルが見られなくなったことが関係しているようだ。また、PMTシグナルはその後回復しているようで5/27には戻っていると予想された。実際に、1つ目のファイルの3ページに示したようにα線シグナルを15:00に確認した。

5/25正午過ぎに不純物が特出したのが原因を考えられる。そのため、3つ目のファイルに示したように、液化システムの環境モニター(圧力,温度,流量など)の履歴を調べた(笠見、鈴木)。最後のファイルに液化・純化システム図を示した。この期間に変化を示しているものとして、Pt-3, Vac-1そして室温(room)の3つがあった。

鈴木によると、『

(タグ  : 降下開始時         上昇に転じ時)
 Room-temp:  10:50 299.28 K     -  12:50 298.23 K
 Vac-1:      10:55 1.275E-4 Pa  -  13:00 1.197E-4 Pa
 Pt3:        10:50 0.34425 MPa  -  12:10 0.342 MPa
 
変化は微々たるものですが、室温(空調)の変化で真空センサーや圧力センサーが影響を受けたのでは無いでしょうか? 圧力センサーは温調内蔵タイプでは無いですし。空調の調子が急に悪くなったか、誰かが温度設定を下げ上げしたか?
その時クライオスタット内の温度(Lt1,Lt2,Lt3)や圧力(Pt1)、循環ポンプ吐出圧(Pt2)は同期した変化が無い様子だからです。
圧力センサはこのPt-3だけが 0-10 MPaで、あとのは-0.1〜0.3MPa型です。
室温(空調?)からみのことの後に、今度は13:15頃から温度(圧力)の変化がありました。 (温度: クライオスタット Lt-1,Lt-2,Lt-3)(圧力: クライオスタット Pt1, バッファタンク Pt-4)、ただし、循環ポンプ吐出圧Pt2は変化無い模様(振動してます)。 』とのこと。

これらの変化が原因かどうかは不明である。偶然の一致かもしれない。

低温恒温槽、サマーチャレンジ準備、田中、三原

低温恒温槽は業者との打合せ(田中、春山、田内)を5/25(月)に行った。これまで150W型で窒素ガス封入タイプで考えていたが、新80W型で-140℃が達成されるということ、容器の断熱と冷却能力のことなどを考慮して後者で試作することとなった。このとき、内部は真空とし、ヒートコンタクトで試験物質を冷やすこととなった。内部容量は20x20cm2、高さ10cmを収納できる大きさとした。また、この真空容器は交換可能である。温度コントロールも付けることとし、運転は80Hzのフル稼働としヒーターで温度をコントロールすることとなった。電源は別にすることとなった。

サマーチャレンジの参加申し込みは今月末閉め切りとなっている。8月上旬に予行演習を行う予定である。 6/10に企画委員会があり、各グループの予定,準備状況などが議論される。我々のグループからは中村(横浜国大)が出席する。この委員会の前にmeetingで打合せを行いたい。

液体キセノンの覗き窓のある容器は60万円程度と見積もられている。

C : 液体キセノンを実際に目で見てみたいという意見がかなりあるのでぜひ製作して頂きたい。今後ともよいデモンストレーションになると思う。
C : サマーチャレンジの準備委員会では、消耗品以外の購入に関して金額の大小によらずに厳しい意見もある。

その他

秋の物理学会発表の申し込み期限は5/31である。東、藤井の二人ともアブストラクトを明日中に皆に配り意見を求め、申し込みをすることとなった。

以上。