2009,4/30のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿

日時:4月30日、木曜日、午後4時より
場所:先端計測実験棟多目的室
出席者:田中、佐伯、藤井(東大、M1)、東(佐賀大、D3)、田内

以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。

進捗状況、藤井

ファイル: PDF(排気曲線)(1ページ,24KB)、 PDF(build up試験)(1ページ,24KB)

4/24から排気が行われている排気曲線の測定結果と、4/27と4/28に行われた2回のビルドアップ試験結果を『真空理論』で解析を行った。それぞれよりガス放出速度を独立に計算し、比較を行った。

上記ファイル(排気曲線)に示したように、十分に排気の進んだ領域の排気曲線を以下の式でフィットした。
p = po/t+ pu, pressure in Pa and t in sec
そして、 po/t=Q/S、ここで、Qはガス放出速度 ( L Pa/s )で、Sは実効排気速度(L/s)である。 排気の初期では、ガスは物質表面より放出され、排気時間(t)に逆比例するので、Q = Qo/t となり、po=Qo/S = 30、Qo=30 S、したがって、Q=30S/tとなる。また、排気到達真空度のpu=1.7 x 10-4Paとなった。

2回のbuild up試験が4/27と4/28に行われた。排気開始からの経過時間 t は、それぞれ、2.4 x 105秒と3.2 x 105秒であった。(最終のbuild up試験は4/30に行われた。)上記ファイル(build up試験)に示したように、以下の式でフィットした。
p = at +b
第一回目では、a=5.5 x 10-4 Pa/s , t= 2.4 x 105sであり、 第二回目では、a=3.4 x 10-4 Pa/s, t= 3.3 x 105sであった。  ガス放出速度のQはbuild up試験結果のaに比例し、Q = aV、ここでVは排気される全容量 ( L )である。

このように、Q=30S/t=aVの関係式より、V/S = 30/(at)となり、
第一回目では、V/S=0.23となり、第二回目では、V/S=0.27となる。V/Sは排気時間によらずコンスタントであるので、平均を取ると、V/S =0.25となる。

二回のbuild up試験結果と排気曲線はconsistentであると結論できる。

SUS製チェンバーの内径は102mm、長さ490mmで、容量は4リットル、内面積は0.17m2である。 また、使用しているポンプは、粗引き用に Oil Free Scroll Vacuum pump ISP-90, 90 L/min (1.5L/s), 50Hz (ANEST IWATA co.)、主ポンプとして、Compound Molecular Pump TG70FCAB 70 L/s ( N2) ( OSAKA VACUUM co. )である。したがって、V > 4Lで、S < 70L/s である。

配管などを含めた全容量をV=10Lとすると、実効排気速度はS=40L/sと評価することができる。 このとき、第二回目のbuild up試験時でのガス放出速度はQ=3.4 x 10-3L Pa/sとなる。

C : SUSの排気20時間後のガス放出速度は 高々10-3 L Pa/m2sである。チェンバーの表面積が0.17m2であるので、チェンバーでは0.2 x 10-3 L Pa/s 程度のガス放出速度である。上記評価によると、これよりは一桁多いガス放出があると思われる。
C : キセノンガスを1.6L/分でゲッターにより純化するとき、期待される不純物濃度を評価してほしい。

スターリング冷凍機ノイズ試験(1)、東

ファイル: ppt, PDF(4ページ,432KB) 

-120℃の恒温槽を試作する上て気になる冷凍機からの電磁ノイズの試験を会社の協力を得て行った。冷凍機はツインバード製のスターリング冷凍機(SC-UE15)で24Vのswitching電源とコントローラーが付属している。エレクトロニクスは製作したASICチップ(Pre-amp, shaping amp)である。

結果は上記のファイルに示されている。冷凍機と電源とのアースをしっかりと取ることが必要であること、10usecごとのswitching noiseが顕著であること等がわかった。

さらに、A250/P250のプリアンプシステムでもテストしたい。 冷凍機システムは連休中借りられることになった。

今年度予算案(議論)

昨年12月に提出したが、その後のR&Dの状況なども考慮し再度予算案を作成することとなった。次回に議論したい。

その他

最後のbuild up試験を終了し、再排気を行った。その後、残留ガスの測定も三原により行われた。次回、結果を議論したい。現在、キセノンガスが1気圧充填されている。PMTによるシンチレーション光とTPC電荷シグナルを確認して液化を行う予定である。

以上。