2009,4/2のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿
日時:4月2日、木曜日、午後4時より
場所:先端計測実験棟多目的室
出席者:田中、春山、佐伯、田内、(三原、電子メール)
以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。
TPC進捗状況、田内
ファイル:シグナル@3/31, PDF
上のPDFファイルに示したように、学会後の3/31に電荷シグナルを観測したところ、PMTシグナルに同期した(約200Hz)電荷シグナル(TPC HV=-2kV)をPost-amp出力で確認した。同一ファイルにあるようにTPC HV=0kVの条件下ではそのシグナルは見えなかった。
シグナルのパルス高は12mVで、940電子数相当と見積もることができる。5.49MeVのα線のもの0.3%程度の電荷量である。
以下に、不純物量のオーダー評価を試みる。仮定として、(1)不純物がないとき、全電荷量(α線, TPC-HV=-2kV)の5%が再結合を逃れてアノードに到達する、(2)電荷量の不純物による減衰は指数関数のexp(-τ)によるもので、減衰長λ=τxドリフト速度(2.2mm/usec)とする、(3)減衰長と不純物量は負の線形相関があり、その計数を液体アルゴンのものと同一とする、λ(Ar) = 500mm/ppb。 これらの下に、不純物量は130ppb程度と見積もることができた。
さらに、現在の純化・循環速度の1.1リットル/分(ガス流量)を仮定し、1.5リットルの液体Xeの不純物を純化していること、最初の不純物量を1,000ppbとすること、指数関数的に純化されると仮定すると、純化開始後、45日目の130ppbに相当する純化曲線を得ることが出来る。この値を再現するためにゲッターでの純化効率を2.4%とした。
これによると、一週間後にはパルス高は倍になっていると予想できる。
詳細は4/9のグループ内レビューで説明する。
純度改善のための計画、春山
以下の項目を予定している。
- チェンバ等ハードウエアの変更
- ターボ直付け
- 高真空計直付け(ビルトアップ)
- 循環ポンプチェック
- キセノンガス充填?
- ラプチャ―ディスク(安全弁)
- 冷凍機ヘッド空冷増量(DC12Vファン)
- ポンプ空冷(DC12Vファン)
- 制御システム
- 新データロガー(よりノイズは少ないことが期待される)
動作チェック中 - 交換
- 新温度コントローラ - 購入済
- UPS変更(未発注)
温度コントローラ、PCに使用中、 アラームが鳴ったことがあり、その都度、それらの電源を立ち上げなければならない。
今後の検討の結果、必要なら、液体窒素で強制冷却し循環速度を大きくし、純化速度を上げることもできる。ただし、大きなパワーのPTに交換しなければならない。
電子メール報告、三原
ピュリティモニター
ようやくベータ線ソースが届きました。線源を確認後
設計作業に入りたいと考えています。
新PMT
高QE化したPMTが浜松からできてきました。もとはMEG用なのですが、
KEKで試験できるのならやっても良いかと思います。
早めに結果を必要としています。
真空引き
「純化の改善」とも関連していることですが、現在の真空引きでは
実験開始の状態があまり良いとは言えません。皆さんの合意が得られれば
ターボをチャンバーに直付けしたいのですがいかがでしょうか。
改造に必要なバルブ等の部品はほぼそろっています。
- C : -100℃でのテストは、超低温恒温槽を使用することも考えられる。むしろ、エレクトロニクスなどの試験用にも必要に思われる。
サマーチャレンジ
8/20-28 希ガス低温液体検出器の演習(実験)を提案している。
横国大の中村さんに代表、KEKスタッフがサポートする体制で対応したい。予算は50 - 80万円/演習である。
いろいろ議論した結果、演習テーマとして;
- いろいろの結晶(シンチレーション光)によるガンマ線カロリメータの特性測定
結晶として、CsI(Tl), BGO, NaI, LYSOなど、比較としてプラスチックシンチレータ
それぞれの結晶での光量比較、ガンマ線反応の光電効果とコンプトン散乱頻度の違いなどを測定;
放射線ソースとして、Na, Cs, Am, Coなど
- APDの特性測定;
ゲイン、ノイズ(Noise Equivalent Charge)、分解能、時間情報、
PMTとの比較、できれば、磁場中での特性(超伝導磁石@低温センター ?)
光検出器として、PMT, APD - PMTはXe用とそうでないものとのQ.E.の違い、APDとの違いを測定
- 光検出方法の違いを理解できるとよい
何とか、-100℃での特性を測定し(超低温恒温槽の購入?)常温との比較を行う。
- 液体キセノンPETの基本特性の測定;
ガス又は液体キセノンTPCと結晶シンチレータとの組み合わせ
positron source (22Na)を使用し、上の2つの検出器による2γ測定を行う。
TPCはシンチ光と電荷シグナルの測定 - ドリフト時間の測定(電場依存性)、エネルギーの相関、
また、宇宙線用のトリガーを準備し、ガンマ線との違いを測定
- 2つの平行板からなるイオンチェンバーの製作と特性測定
2気圧のXeガス中
ドリフト速度の測定(電場強度依存性)
エネルギー分布と分解能(α線、γ線)の測定
シンチ光と電荷信号の相関
その他; FJPPL、Karl帰国
5/20-21の日仏FJPPL-WS参加のため、5/17-21 Nantes大 DominiqueとEricが来所する。5/18は早稲田で道家さんと(PETに関する)打合わせし、19日火曜日午後1時30分から、実験棟多目的室でKEK打合せを行うことにした。
Karlは無事帰国(3/31)した。メールがあり皆さんによろしくとのこと。
彼はpurity monitorの計画と本実験状況のレポート提出した。
以上。