2009,2/19のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿

日時:2月19日、木曜日、午後5時30分より
場所:先端計測実験棟多目的室
出席者:佐伯、田内

以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。

本日はMEG関係者がPSIでのcollaboration meetingへの参加、そして、ATLAS実験のCERN出張などで不在者が多数のため、打合せを中止しました。

打ち合せメモに代えて、電子メール等でお知らせした進捗状況を以下にまとめます。

約9MHz, 700mVの発振ノイズ対策(金子、田中、田内、2/13午後)

ノイズスタディー用に、chamber内のTPC-PADに接続されているFET(2SK152),feedback-C(1pF)/R(100MΩ)そしてテストパルス入力と同じテストボードを作成し、Pre-Amp出力を見た。上記の発振は観測されなかった。テストパルスによる出力は確認した。また、液体窒素中にテストボードを入れ、同様のシグナルを観測したが、常温中とほとんど変わらなかった。ただ、液体窒素中では気泡と同期しているようなベースラインが揺らぐようなノイズがあった。自然加温中にもシグナルを観測したが、発振は起こらなかった。

これで、Pre-ampの正常動作とFETなどの低温中での正常動作を確認したので、改めて、chamberからのシグナルを観測した。先ず、上記の発振を確認した。chamber外の常温での配線などの状況が原因と思われるため、Pre-ampへのシグナル入力用とfeedback入力用の2つのケーブルを4nsのものから1nsのものへ交換した。

ケーブル交換後、シグナルを見たところ、発振はなくなっていた。次に、テストパルスを送り、Pre-amp出力が正常に出ていることを確認した。次に、PMT1と2のHVを上げ、また、TPC-HVも上げ、シンチレーション光のコインシデンスでTPCシグナルを見た。ホワイトノイズレベルは2mV程度だったが、電荷シグナルに相当するものは見ることが出来なかった。(PMTシグナルによるクロストークシグナルは見えたが、これはそのパルス形やタイミングからはっきりと区別できる。これの除去は将来の課題である)

TPC進捗状況(田内)

1. TPCシグナル

2月19日(午後1時30分ー)、TPCシグナルはTPC-HV=-4kVまでかけても見えなかった。同時にテストパルスを入力しプレアンプ出力とポストアンプ出力を確認した。すなわち、 1kHz, 0.2Vの矩形波を入力、5.6mV (4mV)のプレアンプ出力、ここで( )内はLPFを用いた時の値。Post amp(5us, 5us, 20x4=80倍)出力で300mVであった。ただし、TPC-HV値を上げるにしたがって、6usのサイン波がプリアンプ出力に現れた。TPC-HV=-4kVでV(p-p)=2mVであり、このときPost amp出力では50mVであった。

2. PMTシグナル

PMTシグナルは純化を始めた直後の 2/14 14:30時点と比べて約2倍になっていた。ただし、シグナルの配線が代わっているので確認する必要がある。(田内は2/15-18までソウル出張でKEK不在であった)

PMT1と2のHV=700Vで、

        2/14 14:30  →  2/19 13:40
PMT1シグナル      300mV    →      600mV
PMT2シグナル      280mV     →      400mV
上記のシグナルの大きさはTPC HV値の依存性は小さい。

このPMTシグナルの増大が純化の効果であるかどうか確かめる必要がある。特に、2/14-19の間にどのように増大したのか、線形なのか、saturationしているのかなど。

今後の予定・計画案

この状態で測定したいことを以下にまとめます。
  1. 時間依存性をさらに数日間測定する。少なくとも、同一条件でのオシロスコープによるパルス高の測定。
  2. 数MBq以上のγ線ソースをコリメータを通して照射しTPCシグナルを見ること。anode-PAD近くでの電離電荷シグナルが見えるかもしれない。
    放射線センター(3500)に問い合わせたところ、現在貸し出し可能なチェッキングソースは、900KBqのCs-137と350KBqのNa-22だけとのことだった。
  3. カソードからのシグナルを見ること。金子製のHV用のLPFボックスを改良し、購入した142PC(プリアンプ)と575A(ポストアンプ)で測定システムを構築すること。

以上。