今回の目的は新しく導入したTPC用高圧電源の動作、そして、純化装置を回した後での電荷信号を見ることでした。
ところが、容器冷却後に中に入っているプリアンプが正しく動いていないことが判明しました。(壊れたのか、小さなトラブルかは不明だったが、内部を見ると出力用の同軸ケーブルがショートしていたことが原因とわかった。)
純化のプロセスについては、今回春山さんに作業していただき、ポンプにより液相からXeを吸い上げゲッターを通して気相に戻すという経路で純化しました。この場合は熱の流入が大きく定常的には、2P/min 程度しか回せないことがわかりました。(この書き方でいいですか、春山さん)
一方、高圧電源の方は正しく動いているようです。4kVまでは安定にかけられています、それを超えると不安定になりますが、調査中です。
この電源で中のα線源がある部分にも電場がかけられるのでシンチレーション光と電場の反相関関係も調べようとしました。(数100keVγ線では1[kV/cm]の電場で光は約半分になると言われています。) 結果は(未だ詳しく解析していませんが)これほど顕著には光信号に変化が見られませんでした。 α線の場合は違うのでしょうか。
純化前と後で絶対的な光量の変化も確認しようとしました(オシロで) ところが、今度はPMTのシグナルのひとつ見えなくなってしまい、 トリガーの都合上同じ条件での比較ができなくなってしまいました。(内部を見ると、ボルトがPMTベース回路上に落ちて回路をショートさせていた。)
次回は今回動いていなかったA250アンプの低温での動作確認のための実験を予定しています、壊れていないことを祈ります。そろそろCC/NETのちゃんと動くソフトの入ったCFカードが届くそうです。もう少しでCAMACが使えるようになりそうです。
最後に、TIPP09へのアブストラクトはここ(pdf)です。
以上。