以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。
KEK DTP(測定器開発室) ASIC プロジェクトのFE(CMOS FrontEnd)プロジェクトとして行っている。最初のチップ(FE2500)は2005年度に製作された。毎年、FE2006, FE2007と改良が行われ、それぞれ量産され、京都大学とKEKDTP-MPGDグループへ提供された。現在、高密度実装による多チャネル化を行っている(FE2007MCM , Multi Chip Module)。
いずれも8ch/チップである。1chあたり、プリアンプ(チャージアンプ)、ポールゼロキャンセレーション(PZC)、shaper (100nsec) からなっている。アンプはBipolarで、ゲインは0.43V/pCである。ノイズは、常温、100pFの入力capacitanceで約6,000電子数である。出力は、8chのアナログ和、そして、chごとにLVDSのdigital signalである。LVDS signalはthreshold(Vth)以上のときに出力される。消費電力は約30mW/chである。これらの仕様は、京都大のu-PICとKEKDTP MPGDのreadoutに最適化されている。
最新のFE2007の主な改良点は、(1) ゲインばらつき・コンパレータ入力レベルの改善、すなわち、コンパレータ入力シグナルを10倍にしthreshold levelをeffectiveに1/10にしたこと、そして(2) 較正入力の実装である。量産時の歩留まりは95%であった。そのほとんどはアナログ部分であった。(1)により、タイムウォークの改善が期待される。
心配されたクローストークはFE2006と同程度で隣のchで3%以下であった(その他のchは0.6%以下であった)。ゲインのばらつきは±4%で、Vthでは最大34%であった。また、タイムウォークはVth=1.4fCで最大 5.8nsであった。京大グループにより、u-PIC 接続試験において信号確認済みである。
開発中のFE2007MCMは、30mm x 30mmのPCボード上に4個(又は2個)のチップ(FE2007)がボンディングされている。入力保護ダイオード、CPUなど内蔵される。1ボードあたり約1Wの消費電力となり、熱とクロストークの試験課題がある。
9月10~12日にASIC 教育プログラムがあり、FE ASIC を用いた ASIC の実製作が可能である。12月上旬までに設計を仕上げ製作を開始し、来年の2月完成、性能試験の予定である。
今後、量産テスト用 Vth ばらつき自動測定プログラム開発、多チャンネル化・低消費電力化に向けた開発などを行う予定である。
金子はプリアンプ入力のためのSHVコネクターへのレモケーブル接続の改善などを行った。前よりノイズは小さくなっている。ノイズスタディーを強力に進めたい。
東は、GEANT4, GATEなどのプログラムのインストレーションを終え、それらのサンプルプログラムも動かした。その結果、基本動作の正しいことを確認した。ガンマ線生成点の再構成のアルゴリズムを作成している。(meeting後にこのことを議論した。)
いろいろの議論の末、来週の水曜日までに液化を開始することを目指すこととなった。したがって、常温状態で行うべきこと、マイルストーンの修正などを行うこととなった。
以上。