4/3のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ

日時:4月3日、木曜日、午前10時より
場所:3号館4階425号室
出席者:真木、春山、田中、田内、東、三原、海野(KEK)

以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。

-----4月3日 meeting :午前10時〜正午

3/17のreviewの報告(田中)

参加メンバーの現状の説明時に、名前が多い割に実働人数が少ないので修論の学生等がもう少し増えてほしい述べた。

先ず、前回のレビューでのコメントとその回答を説明した。

Q : 抵抗値の10MΩで2kVの電圧をかけると、0.4Wの消費電力となる。気泡がでるのではないか。
A : TPCシステムの抵抗は簡単に交換可能であり、1GΩ程度まで入手可能である。
C : 抵抗値と印加電圧より熱量がわかり、液体キセノン中、それが自然対流の領域内のものであるか判断出来るだろう。
Q : cathode用の電極はメッシュ板である必要はない。
A : 金属板に変更した。
Q : それぞれのPADごとのゲイン(感度など)の較正をどうするのか。
A : 較正のための液体キセノン中で使用可能なガンマ線ソースを購入 (Cs-137, CS516タイプ, 7kB) 及びα線源(MEGで使用)を手に入れた。
Q : パッドの材質のG10はアウトガスの問題があると思われる。
A : コストの問題が一番大きい。今回は FR4を使用するが、最終的にはセラミックスを使用したいと考えている(業者問い合わせ中)。
Q : HV用抵抗はガラス抵抗がよい
A : 変更済み
Q : 一般に6kV/cm以上(ドリフト領域の3倍程度)かけないとメッシュを透過しない
A : スペーサーギャップ(3mm程度)をコンロトールして達成する。
Q : ガスでTPCのテストする意味があるのか。
A : 実験室の準備の遅れによりガスでの試験はしない。
2007年度予定は、(1)液体キセノン純化:ゲッター使用でどこまで行くか、(2)素材の吟味テスト、そして、(2)TPC基本性能試験:電場強度が上がると電荷量が増え、光量が下がる等基本性能をチェック、PMTゲインを先ず行う。 いろいろの素材が混ざるので、フッ素樹脂グリースで表面処理の提案をした、反対意見がなかった。
Q : ネジの表面処理は?  銀メッチ?
A : 真空用のSUSネジ使用
C : 液体キセノンでは、溶けないと思っていたものが溶けることが有る。したがって、ケーブル等を事前にテストした方がよい。例えば、オイルなど複雑な化学物質は注意した方が良い。
A : 平行電極板の簡単なシステムでテストしたほうがよいかもしれない。
実験室の状況を実験室の写真等見せながら説明した。いつ動かせるのかというコメントが多かった。

エレクトロニクスに関して;単にチャージ、PMTが読めるというだけではシステムとしては不十分、シンチレーション光は光電子増倍管を通してROI情報、時間情報、 チャージに関してもデジタル処理の必要性があることを述べた。 したがって、エレクトロニクス技術が不可欠、現在エレクトロニクスに携わる人がいないのでエレクトロニクスに興味がある人の参加を得たい。 田中(真)さんから、ユニバーサルのFPGAボードを用いて概念のテストをしたらどうか、エレクトロニクスシステムグループも協力したいとのコメントがあった。

Q : 他の研究所の液体キセノンTPCとの違いは何か。
A : ハイレートの状態で位置情報と時間情報を高精度で処理できる。(ROI情報) 高速で処理する技術は他の研究所ではない。
ADCの問題; FPGAでデータを処理するのはいいが、ADCの方が問題になる。 アンプを容器内に入れて、デジタル情報をフィードスルーで取り出したい。その開発に手を出せればよい。
C : 信号を取り出して示すことが先決である。エレキは協力が得られる
Q:大きなロードマップなどは?
A : 示せなかった
C:まずは信号を出すことが重要。チャージのダイナミックレンジなどを知る。
Q:信号が出た後、今後どうするかを検討するのか。
A : スタートアップのデータを出せば検討しやすくなる。
Q:成功するまでにどのくらい期間が必要か?
A:科研費で3年分出ているので、基礎的なシステム開発は3年以内で その後小動物用のPETなどを考える。

キセノン液化準備状況(春山)

ものの手配がかなりずれこんだ。システムを組む上でかなり専門性が必要。 3/31~4/2には最後の部品、大きなキセノンタンクが到着。パネルの最後の配管。 溶接を全部しないといけない。マンパワーが足りない。実験室で配管できるのは4/20の週、最初の液化は4/30ぐらいにできるのではないか。

4/24に測定器開発室(KEKDTP)レビューがある。

C : あまり強気な液化計画は避けた方が良い。
Q : 平行電極板のテストはどうするか。
A : TPC用の平行極板の枚数を減らせばよい。

α線(Am)ソース、そして、アンプ,純化装置(三原)

MEG実験で用いたものは円形のラベル上のものとワイヤーのものがある。ワイヤーのものはそのままのものと、スパイラル状に巻き付けてあるものがある。後者のものは前者よりα線放出が一様であるため、MEG実験では後者が採用された。 これらのものはイタリアの会社で製作され、低温耐性確認済みのものである。
Q : 線量の大きさはいくらか
A : 200ベクレル
Q : ワイヤーの素材は何か
A : タングステン
液体クリプトン(-120℃)中使用可能なアンプが手元に有るので、試験したらどうか。また、装置の大型化するとき、液体で純化する必要がある。そのためのモリキュラーシードフィルターがあり、酸素などほとんどの不純物を除去することもできる。これは銅の酸化還元機構・高温(330℃)水素使用で再生化可能であり、MEG実験で使用している。
C : 東カウンターで水素を捨てられるので、そこで再生可能である。
Q : 不純物の酸素はどこから放出されるのか
A : ケーブルジャケットから、また、アースの網線より放出される、

TPC準備状況・配線チェック(東)

パルストランスボード(16ch)を作成した。信号が見えるかどうかのチェックしたいので、NIMビンを回路室倉庫より借りたい。
Q : これは何のためか
A : パルストランスは巻き線一巻きの高周波数対応のものである。入力制限とインピーダンス変換、ノイズreduction, AC-coupling、特に、放電時、oscilloscope保護などのためである。最終版ではなく試験用のものである。
Q : 液体アルゴンカロリメータ(VENUS)ではどうなのか。
A : コイルを使用した。入力インピーダンス整合とノイズ削減をはかった。
Q : 信号線などのフィードスルーへの接続はどうするのか。
A : peek製のハウジングを使用して、一体ものとして抜き差しする。

その他

素核研短期外国人(コロンビア大、50歳代)滞在を三原さんが申請し、認められた。3ヶ月 KEK滞在予定であるが、時期は未定である。彼はXENONグループのメンバーで経験豊富でる。

次回は4月10日木曜日午後4時から。