技術的なコメント以外に、(特にキセノンTPCについて) 2ヶ月に一度のレビュア/開発室員参加のミニレビュー (合同打合せ)で意見交換することが求められた。  TPC合同で情報交換できる場にもなるので、キセノン・アルゴン 合同のProgress meeting を行うこともお願いしたい。  まず第一回を3月に計画していただきたい。 *アルゴンTPCレビュー: 1)ビームテストのデータ解析が進行中: TOFとFitch Cherenkovを使ったPID。pi/K/p @800MeV/c 250L cryostat +76 strips anode (THGEM 2 phase 間に合わず) MCのチューニングが進んだ。実データのシグナル位置依存性などが、 電場の乱れなどでよく再現できている。陽子のレンジや、停止までの energy depositなどよく再現できてきた。 2)開発棟での宇宙線キャンペーン ・検出器内(非)一様性の確認。 ・2相式に向けた様々なアップグレード試行。 >循環、純化、液化系のアップグレード  低圧安定運転、高純度達成 >高電圧生成・印加システムの開発(CW)  試作によるテストを始めた。一筋縄ではない。 ==レビュアほかのコメント ・FFTによるフィルターができるとしても、元のノイズを低減させる 努力はさらに必要。ノイズレベル現状とその目標について定量化して評価せよ。 ・一様な電場を形成するためのケージその他設計のノウハウを培うべし。 ・光や二相式の基礎研究はまだまだ必要。そのためにコンパクトな装置で地道な 積み重ねのロードマップも欲しい。 *キセノンTPCレビュー: 1)セラミックエンドプレートの耐圧テストの結果。 2)16ch padsから改良エレキで電荷信号をみる努力が4月以降続いている。 純度向上の為幾つかの方策が取られてきた。 Buildup試験を見るかぎり、16chのエレキ/ケーブルなどからのアウトガス のせいか、改善は見られない。10Pa/hourというのは満足できるものでない。 ガスでは光、電荷ともに信号を確認できる。精製停止による光量・ ドリフトタイムの変化が確認できたが、きちんとした評価/理解には至って いない。液化することでシンチ光は3倍程度増加していた。これが既知のこと なのか文献にあたる必要あり。  シンチ光についてαとγで波形が異なる(γでは遅い成分が大きな寄与)と いうよく知られた現象を再確認できた。またドリフト電場を印加することで この遅い成分が抑制されることも観測。メカニズムはわかっていない。 3)過去のデータから、循環運転の停止時などの運転モード遷移のタイミングで 電荷信号が見えている釣行があることが判明した。そこで12/28に循環や冷 凍機のon/offなどを行なって調査すると、確かに何らかの相関があるようだ。  こういった遷移の時圧力と温度の変化があるため、相図の中で微妙な領域を 転移しているかもしれない。そうすると例えば液面がアノード電極を下回る あるいは電極部で沸騰状態となって、いずれにせよ電荷がきちんと収集されて いない可能性がある。 4)低温用FE-ASIC FEXE09の開発が進んでいる。165degKでのテストパルス による動作する。出力波形/ゲインも良好。 ==レビュア他のコメント ・BuildUpテストを見るかぎりアウトガスが多すぎる。将来のためにも ベークアウトの工夫が極めて重要。優先度を上げて取り組むべきである。 ・ガス・液体でシンチ光量の違いを理解したい。 ・純化・循環のフローがPTRによる液化とアイソレートして、熱交換が悪い。 アルゴンのやり方を取り入れてはどうか? ・PTRのon/offで液内の温度分布が上下逆転するのかもしれない。 ・液面のきちんとしたモニターが必須。 ・グループ内での実質的な議論が足りていない印象がある。2ヶ月に一度でよい から、レビュア+グループの主だったメンバー+アルゴンGを含む開発室メン バーでミニレビューをおこなってはどうか?