随分更新がとどこおってしまった。
(1) PreStepPoint と PostStepPoint を書き出す
Smeared HitをつくるHitMakerと、KillHitsを含むインチキTrackFinderが完成、Calorimeterへ突き抜ける(Pt > 1GeV)条件でHit点の数を数えてみると、何故か60個のところにpeakが立ってしまう。ななめに突き抜けたhitがいるとしてもPeakが60というのはうれしくない。そこでJUPITERの書き出しを調べたところ、multiple scatteringが起こった時に1本のTrackが1つのDriftRegionに2hit以上落としている場合が多々あることがわかった。
そこで、JUPITERの書き出しでPreStepPointとPostStepPointを書き出し、IOで上のような分割Hitを結合することにした。なお、TotalEnergy, TOFなどはGEANT4のお約束によりPreStepPointからとってくることになっているので、結合する一番初めのHitのPreStepPointからとってきた値を採用した。またEnergyDepositは、結合したhitのEnergyDeposigの和で置き換え、HitPointは最初のHitのPreStepPointと最後のHitのPostStepPointから計算した。このようにして1TrackあたりのHit点の数を数えてみると、今度はPeakが50付近に立った。絵は(4-1,2)の左上図。
(2) Two-Hit Separation ( Surviving Hit Fraction per Track)
CalorimeterまでつきぬけるTrack(pt > 1GeV)のHitを対象に、別のTrackのHitのうち、SenseWire側でもっとも近いHitまでの距離を記録する。この距離がTwo-Track Separationの距離よりも小さければ、このHitはSaturationで消えるとして、kCannotSeparate Flagをたてる。次にpt1GeVをこえるTrackのHitをscanし、kCannotSeparate Flagが立っていないHitが1Trackの中でどれだけの割り合いで残っているかを調べる。(4-1,2)の右上図がその結果。2mmでは約90%、1mmで約95%であった。この生き残り率(Surviving Hit Fraction per Track)を、横軸をTwo-Track Separationの値にとってplotしたものが(4-3)図。
(3) Surviving Hit Fraction per WireLayer
生き残りhit率をChamber半径の関数で見たもの。(4-1,2)の左下図。Hitを失っているのは、主に内側のLayerであることが見てとれる。これは、内側の方がTrackが混んでいるため当然であるが、一番問題なのはArmを失うことなので、外側のHitが残っていればVTXのTrackとつないでなんとかなる、と思いたい。経験的にVTXのTrackと繋ぐことと、IP constraintを入れることはほぼ同じ結果をもたらすので、IP constraintを入れた際に内輪hitのlossをカバーできるか、調べる必要がある。
(4) 結果の図
Two-Track Separation 1mm (PSfileはこちら)
Two-Track Separation 2mm (PSfileはこちら)
Surviving Hit Fraction (PSfileはこちら、dataはこちら)