最初に山岡氏よりBELLE測定器のSVD(Silicon Vertex Detector)support system の紹介があった。SVDはbarrel構造体(endcapとの境界付近)に固定されてい る。筑波実験室の地盤変動の影響を調べたところ、広い周波数領域で1nm以下の 変動であった。鉄製の構造体の共振周波数は6.7Hz程度である。また、QC1(超伝 導最終収束電磁石)はTOPAZ測定器の場合と同様に構造体とは独立に支えられて いる。JLC測定器の場合、QC1が測定器内部深く設置されるなどBELLE測定器との 違いが指摘された。
QC1などの支持機構としてsupport tubeがJLC-1で提案されている。QC1の先端は 衝突点より2mでその長さは2.2mである。それに続いて長さ4mのQC2がある。この support tubeの第一の役割は、10Hz以上の地盤変動に対して衝突点の両側に設置 される2つのQC1の相対位置のズレ(垂直方向)が1nm以下に安定に保つことであ る。QC1,QC2はFe/Co/V製の電磁石で、2テスラの測定器ソレノイド磁場をシール ドする超伝導コイル(compensation magnet)の内部に置かれる。このシールド により内部磁場は100ガウス程度に押さえられなければならない。QC1,QC2の重量 はそれぞれ1.2t, 2.4t程度である。また、support tubeの中に、タングステン・ マスク(数トン)も置かれる。直径約80cmのsupport tubeの長さは約15mで、そ の両端がエンドキャップ構造体で支えられている。support tube内のQC1,QC2,タ ングステン・マスクの固定などは検討されていない。
松井氏より、測定器ソレノイドの説明があった。この超伝導コイルは直径が9mで 長さは10mである。運搬、搬入の方法を考慮して、3分割されている。また、ソレ ノイド内部に設置されるハドロンカロリメータの支持機構をこの分割のすき間に 置くことが出来る。中央飛跡検出器領域(直径4.6m x 長さ4.6m )でソレノイド 磁場の非一様度は1%以下としなければならない。リターンヨークなどの形状を最 適化しなければならない。この測定器ソレノイド磁場によるcompensation magnetへの電磁気力が数10トンにもなることが指摘された。
今後の検討課題として、
構造体解析などに使用されるプログラム(ANSYS)は山岡氏のところにあり、2ユ ーザー分のライセンスがある。長時間ジョブはB計算機で行っている。これとは 別にセンターにもある。これは宮本氏が使用している。
今後(約1年間)の大まかなスケジュールは、
次回のミーティングは、6月23日(水)午後1時30分より3号館4階425号室でお こなう。
以上。 文責、田内。