26-Oct-1998
Minutes of CAL meeting(資料メモに、議論の内容を加筆しました)
文責 藤井芳昭
JLC-CAL Meeting 日時 1998年10月24日(土) 13:15-18:00
場所 KEK 3号館4階会議室
参加者 川越、金谷、杉本、竹内(以上神戸大)
竹下、古川(以上信州大)
金、鈴木、石崎、中川、大田、魚住(以上筑波大)
藤井(KEK)
以上敬称略
[0] JFY98 予算、旅費残高
予算残高 105万円 ..... FNAL testに必要な物品のうち、至急必要なものに執行する。
旅費残高 6.8万円 ..... 追加配分を申請中。もう1回ミーティングができる位は来るであろう。
[I] ビームテスト@FNAL
1) 時期
1999年7,8月はFNAL summer shutdownの予定。FNALの運転スケジュールは11月に決定される予定。
1999年9月が第1候補(山内氏推奨)。遅いほうへずれこむ可能性は有る(金氏談)。
==> 我々としては9月に行なうべく準備をすすめる。早まることは想定しない。
FNALの運転スケジュールが遅れたら臨機に対応する。
2) 実験期間
1weekから10日位か?実験項目(下記)にもよる。
現時点でビームテストを要求しているのはBTeVだけ(山内氏談)だが、テストビームが出るとなれば
CDF/LHC等もproposalを出す可能性がある(金氏談)。競合具合によっては厳しいかも。
3) 設備
a) 建屋内ビニルハウスで実験。空調有り。温度コントロールは効きそうもない。建屋雨水漏れ有り。
b) 20tクレーン有り。但しビニルハウス屋根の撤去が必要。オペレータはFNAL職員。
c) Moving Stage 有り。図面チェック中。
==> 左右のスイングは出来るだろうが、上下移動に関してはもう少し図面の検討が必要。
現物はHanging-Fileに用いたものではないか?だとすれば十分使える。
d) モジュール類は回路プールがある。(具体的モジュール在庫表は未入手)
e) ビームライン特性、使い勝手(別紙 CDF-note参照)
o ビームパラメタ設定は自力決定か?(磁場、ターゲット等)
o 運動量精度、ビームトラッキングの要不要、粒子成分構成
==> ビームラインにはSingle-Wire Drift Chamberが常設されている。
f) チェレンコフカウンターは無い。有ったが解体された。
==> 金氏白く「(96年のCDF-noteには解体したと書いてあるが)その後のNew End-Plugのビーム
テストで使ったと思う。」金氏がチェックする。
==> CERN-X5の様なビーム特性(殆どpureな電子が来る)なら必要ないであろう。
4) 実験項目
a) Calibrationの仕方
o SPACALは直接全セグメントに打ち込めるので問題無し。
o ZEUSは縦に3分割されていてHADには直接打ち込めないので、以下の様にしている。
i) pionに対するエネルギー分解能がベストになるように互いの相対ゲインを決める。
ii) muonを貫通させてi)の結果と照合する。
==> e/pi/muが全てのタワーの中心に打ち込める、という条件のもとで、どんな方法が最良か
シミュレーションをして検討する。筑波大が担当する。
==> e/pi/muをいかにして全てのタワーの中心に打ち込むかはKEKで検討する。
b) 実験する構成の決定
o 全8:2, 全12:2は実験する。
o 全4:2 は行なわない。
o 2mm厚鉛は持って行かない。
==> 以上3点決定。
o EM=4:2 + HAD=8:2(HCALで4:2部をつくる)
o EM=4:1 + HAD=8:2(HCALの前にEM/PS/SHmaxを置く)
==> 上記2点については議論があった。
HCALの前に20cm角のEMモジュールを置くことについては、シャワーの横漏れが大きいのでは
ないかという指摘があった。これについては神戸大でシミュレーションを走らせて確認する。
別案としてT405での4:2EM方式を、今回はその中にPreSH/ShwMaxを組み込む形で行なっては
どうかという提案があった。この場合1mx1mのタイルを例えば1cm幅のストリップに改造して
Shower Max 測定器とする。1m全部をせずに、必要な領域だけ改造すれば安くあがる。この必要な
領域の大きさについても神戸大でシミュレーションを走らせて確認する。
シンチストリップを独立したタイルとせずに、1枚ものに溝だけたくさん掘るのはどうかという
案に対しては、以前筑波大でテストして光学的クロストークが大きすぎて駄目であったということ
である。
結論としては、別付EMCALはCAL厚みを増やす上で意義があるので、まず横漏れを確認する。
横漏れが十分小さければ現有EMCALを若干の改造をして用いる。横漏れが大きいようならEMCAL
本体は置かずにPreSHW等のみ設置する。
c) 測定する特性
o エネルギー分解能(特に定数項)、リニアリティ、e/pi比
ビームエネルギー=5-227GeV位
==> CDFのビームテストにおいては、10GeV以上はまともであったが5GeVではバックグラウンド
粒子が多かった。
o ジェットエネルギー分解能(ターゲットを置いてシミュレート)
o タワー構造のレスポンスアノマリ(境界、ファイバー上)
o クロストーク
o 位置分解能、e/pi識別(PreShw, ShowerMax)
o その他 ==> 特に提案はなかった。
5) 作業 / 検討項目
a) HCAL厚み増強(EM付加、Backup付加、鉛/Scinti追加)
==> EMCAL付加は神戸大で検討する。
==> Backup(改造T305-SW)をHCAL後ろに置くには、PMT-Boxの位置を変える必要がある。これに伴い
ストレートライトガイドも半数位は作り直しになる。現有鉛/タイルをフルにレールに積むことに
ついては、障害はない。但しmuon matrix等の置き場所を考える必要がある。
b) モニタ系の増強(光量、温度、ゲイン、HV、...)
==> T411_part2でのLEDモニタのパフォーマンスについて、中川氏から報告があった。
温度との相関はない。変化の大きなところについては、muon/electronとの相関はある。そういった
ところについてはこれを用いた補正が必要だが、通常のランについては変化量は少なく(変化~2%)、
補正の必要はない。
==> 神戸大でLEDの光量の温度依存性を測ったところ、0.6%/deg位あった。測定領域は10,20,30度位。
これは日亜のLED特性表にでている温度依存性と矛盾する。動作条件か?
PMTの温度依存性は、信州の経験では最悪の球で5%/deg位。これも特性表の典型的な値と異なる。
LED, PMT共スタディが必要か。取り敢えず使っているPMTを数本PMT-Boxから取り外し、神戸大
に送って特性をスタディする。温度特性だけでなく、後述のダイナミックレンジ等も測定する。
c) PMT-Box 配置変更
==> バックアップCALの話も含め、KEKで検討する。
d) 鉛板コーティング?(ペイント、テープ、シート貼り?)
==> やるとなると大事だが、まだ本当に必要かどうか不明。FNALと相談を進める。当面pending.
e) 架台改造(Moving Stageへの据え置き、全長延長?)
==> KEKで進める。
f) EM新規製作
==> 前述の様に、神戸大でシミュレーションをして使うかどうか検討する。
但し新規製作はせずに、使う場合でも現有EMCALに小幅な改造で行なう。
g) PreShower, ShowerMax 新規製作
==> 前述の様に、神戸大でシミュレーションをして方式を検討する。製作は神戸大。
費用は、前置き式の小型版については神戸大の科研費で対応可能。1mx1mタイルの改造版の場合は
別途考える。
h) Cerenkov 要不要の検討(ビーム質=別紙CDF-note;要検討)
100GeVでe/pi=>1/1000気圧=>10m以上必要=>とても作れない。
==> チェレンコフの現状については筑波大で調査する。
i) 入射位置測定用Tracker は必要か?チェンバーを持っていくか?カウンターアレイを作るか?
==> ビームラインにSWDCが装備されている。
j) PMTのダイナミックレンジは十分か?
==> 前述の様に、神戸大でスタディする。
k) ADC(ビット数、感度、規格);AMP, Divider&dualADCは必要か?
l) DAQ-Computer;CAMAC-ADCで良いならNote-PCを持ち込むのが簡単。
m) DAQ-Program
==> 上記k,l,mについて、FastBus-ADCを使うことを第1候補に、筑波大でDAQ構築を担当することに
なった。モジュールについてはSi-padビームテストに用いたFastBus-ADC, LeCroy SMI, CAMAC/FB
インターフェースが富士B4に一式存在する。SMIにロードするニーモニックコードを作る知識が
ないため使われていない。筑波大ではその知識をもった人がいるということで、筑波大が担当。
64ch FastBus-ADCはdouble-stageの15bit-eq.なので、性能的には十分。
また読み出しもCAMAC経由ということで、UNIDAQにはせずにPC+MS-DOSを第1候補にする。
n) ビームテストセットアップでのシミュレーション
o EMCALサイズ十分か?
o 厚みと漏れ、分解能劣化、等
==> 石崎氏も既にツールをもっているということで、筑波大と神戸大両方でシミュレーションを行ない
結果を比較することにした。
*) 日米実験提案書の作成 ==> 別項
#) 全ての器材を持ち帰らなければならないか?(持ち帰らないと課税される。)==> 持ち帰る。
6) 作業スケジュール
a) 日米実験提案書;1999年1月提出、5月末日米合同委員会で決定。本格的予算執行は6月から。
==> 次回のミーティング(12月上旬)までに、代表者竹下氏と藤井で原案を作る。
b) 検討スケジュール
製作スケジュールが間に合うように
c) 製作スケジュール
6月までに完了。
d) 発送
o 通関等事務手続き 年明け即開始
o 船便 (1ヵ月 at best) 6月上旬KEK発送、7月下旬FNAL着
o 航空便 (最小限にとどめる) 7月発送?
o 手荷物
==> 6月上旬KEK発送は決定した。
e) 現地入り
o 先発隊7月下旬?(DAQ、 各種アレンジ、現場現物合わせ等;Cerenkov復旧とか?)
o 本隊 8月中旬?(セットアップ開始)
f) 受領
7月下旬?に先発隊が受領。
g) セットアップ開始
7) 出張人員、期間及び出張旅費
実験期間2週間、準備期間に2週間、撤退に1週間として計5週間。これに若干の余裕を加えて40日の
出張期間を想定すると、
o 航空運賃 = 10万円(8月下旬以降);15万円(8月上中旬)
o 宿泊費等 = 3000円 / 日 x 40日 = 12万円
==> 27万円/人 x 10人 = 270万円+先発隊割増し分
これでは高すぎるもよう。H10に通った広瀬氏の計画では、約150万円採択されたらしい。
同じくH10に通った笹尾氏の計画の申請金額は185万円で7割採択らしい。(別紙)
==> 不足分について現時点での当てはないが、H11年度科研費が通ればそれを使う。
8) 実験費用(旅費は除く)
a) 船便片道輸送費(単位万円);BESSの例=3.1ton, 18m3 コンテナ1台
o 事務手続き費用 28
o 梱包費用 3
o 積み降ろし保管費用 35
o 陸路(KEK to 港) 10
o 船便 50
o 陸路(港 to FNAL) ??(Chicago-LynnLakeで27万円)
o その他、利益
合計 片道 150万円+??
==> 輸送物品リスト作りを早急に始める。挙げられた物について、電源がUSで働くかどうか確認する。
b) 航空輸送費;BESSの例=4.0ton, 18m3 コンテナ1台
往復合計1,020万円(内航空運賃本体=620万円)
==> がらモノの航空輸送は不可能。若干の精密小物のみ。
c) 物件費
==> 物件費についてはJLCの通常予算(JFY97=600万円、含共同開発)を当てにする。
項目 推定費用
o 輸送コンテナ 30万円
o 架台改造
Moving Stageへの据置き 60万円(現底板=60万円)
全長延長
o HCAL厚み増強
現有EM改造/整備 10万円位?(HCAL/SHmaxと密着出来るようにPMT方向を変える)
鉛/Scinti追加 鉛板(4mm) =5万円/枚 ; 現有量240枚相当(=5.6 lambda)
シンチを追加製作するオプションは無いであろう。
o 鉛板コーティング 24万円=1,000円x240枚;やるなら自力。外注は難しい。
o PMT-Box 配置変更 80万円(現有ストレートライトガイドの半数は短すぎる)
もしタワーとPMTの配置の対応を全くこわしてしまえば安くなる。
o PreShower
o ShowerMax
o Tracker / カウンターアレイ ==> FNALビームラインに装備されているので不要。
o モニタ系の増強 ==> KEKで担当。
光量
温度
PMTゲイン
HV
9) 日米実験提案書の作成(別紙資料はスタッフにのみ配布)
a) 代表者、目的、計画
代表者は竹下氏とした。
b) 共同実験者名簿
o 実質的にも実験を分担しうるUS側の共同研究者が必要。まず有坂氏にお願いする。
==> Texas Univ.のKamon氏にもお願いしてみる。金氏がコンタクトをとる。
o FNAL所属の人を含むことが望ましい。==> これから考える。
o 修士課程の学生は共同実験者にはなれない。博士課程の学生はなれる。
c) 予算執行計画
o USで執行する予算があるか?
o 修士課程の学生の旅費は日米では出せない。
==> 科研費やスタッフ旅費のやり繰りを考える。
[II] 論文作業
1) HPD論文の状況
==> 金谷氏より報告。アクセプトされた。Volume等はまだ不明。別刷りを100部(無料分含)発注する。
別刷り費用についてはKEKで支出する。
2) T405/T411鈴木論文の状況
==> 鈴木氏より改訂内容について報告があった。議論省略。
コメント締め切りは10/27(火)。
3) 今後の展開案
a) Fine longitudinal-sampling Calorimeter
o Longitudinal Shower Profile
o e/pi/mu Identification by profile-likelihood
o Weighting & Resolution Improvement
==> T411_part2の横プロファイルの結果を合わせて投稿する。これにつき石崎氏より報告があった。
概略うまく解析できているようだが、リーク量についての最終プロットに問題がある。
==> Shower Profileにつき、そのFluctuationまでパラメータ化した定式化を試みる。CDFではEMに
ついては成功している。
Profileについては筑波大の石崎、大田コンビで解析を進めて論文化したいとのことである。
b) Acryl and e/pi ratio
o T405 Upstream/downstream
o T411 Double-scintillator
o T411-part2 Confirmation
==> これらのうちアクリル上流下流については次項のc)と合わせて「現実的構成での性能」という
スタンスから論文化を試みる。但し適切な担当者が今のところ挙げられない。当面Pending.
c) 4:2-EM+8:2-HCAL & GSO+HCAL(?)
定数項が問題なので、FNALテストと合わせた方が良いか?
==> FNALテストは待たずにKEKテストだけで論文化作業をする。この作業自体がFNALテストへ
向けてスタディとなるので有益である。但し担当については前項の通り。またGSOは却下。
d) Tile-Fiber tower responses (T411-part2)
o Boundary Anomaly
o On-fiber Anomaly
o Tower Cross-talk
==> 現在学生が精力的に解析しているところであり、その結果をみながら判断する。
[III] シミュレーション
==> 時間が無くなってきたので、以下の様な作業すべき項目があるとの問題提起にとどめた。
1) SPEC criteria 評価
o エネルギー分解能
o guranurality
o 半径、ソレノイドとの関係等
o 位置分解能
o 2-Cluster識別、2粒子分離識別
o e/pi 識別
o gamma/pi0 識別
2) Performance評価
o エネルギー分解能(1粒子、ジェット、再構成質量)
o e/pi 識別
o gamma/pi0 識別
o Missing Energy/Momentum/Mass 感度、分解能
o 半径と性能(より小さなTracker Option?)
o 加工/組立精度と性能
3) full-JIM upgrade
o 測定器ジオメトリの改訂
o バックグラウンドの組み込み
o シャワーターミネータの組み込み
o ツールの整備
o Generator の組み込み
[IV] 中長期スケジュール及びその他
1) バルセロナ LCWS('99年5月GW)に向けて
==> トークをすることは重要である。しかし行ける人がいないかも。金氏が行く可能性がある。
2) タイル量産R&D
o CAST できるタイル構造、アセンブリ法
==> ロシアのグループで試みた事があるらしい。
3) PreShower & ShowerMax(光検出器含む)R&D
o シンチストリップ型ShowerMax + HCCD
==> 前出神戸大の話の通り。
4) コスト、手間評価
==> 議論無し。
5) 構造体設計
==> 急ぎ立ち上げるべきである。まずは1セクター相当の実機サイズ製作や全体のミニチュアモデル製作
を考える。但し予算がかかりそう。
シミュレーションも行なうべきであるが、具体的方策はこれから。
6) 他のオプションの可能性
==> 議論無し。
7) US, Asia, Europe とのCollaborationのありかた
o Keystone の印象
==> 藤井がKeystoneでのCALセッションについて報告した。
9) 次回のミーティングを12月上旬に行なうことにした。場所など詳細はこれから決定。その時に
今日の宿題を報告する。