Minutes of JLC-CAL Meeting 12月15日
by KEK 藤井芳昭
日時 1998年12月13日 13時-16時
場所 筑波大
参加者 川越、金谷、杉本、竹内(以上神戸大)
梶野(甲南大)、竹下、加賀、古川(以上信州大)
金、浅川、大石、石崎、中川、大田、魚住(以上筑波大)
神前、藤井(以上 KEK)
;敬称略
[I] FNAL Beam Test へ向けた準備状況
1) 藤井 LoI, Proposal, 及び日米申請について(別紙資料)
o LoIの提出が急務である。既に岩田氏からJ.Peoples氏宛に手紙が行っている。
=> 明日(12/14)中にコメントを貰う。Informalな文書であるので、特に瑕疵が
指摘されなければ、12/15にはFNALへ提出する。
o 正式なFNALへのProposalは、思ったより詳細に渡る必要がある。LoIに多少味付け
した程度では済まないようなので、多少時間がかかる。
=> 1月上中旬にはFNALに提出すべく、準備を進める。
o 日米に関してはまだアナウンスがないが、これも1月中旬位が締め切りであろう。
=> これも1月上旬には完了させる。
o Collaborator Listに関して、筑波大から大石氏の追加等若干の修正があった。
2) 金谷氏 PMT, HPD の温度特性と linearity/saturation(Transparency)
a) PMTの温度特性を測定した。
PMT=H1949' (WA1176), HV=2740V(実験時と同じ)を100p.e.@200Hzで照らす。
PMTは恒温槽の中、青LEDは室温(空調有)、両者を光ファイバーでつなぐ。
結果 ; 30℃+- 10℃変えて出力変化は1%より十分小さい。
=> PMTの個性がどのくらいあるのか、他のPMTの結果も知りたい。
b) PMTのLinearityを測定した。
測定条件は上と同じ。光量は光学フィルターをはさんで調節した。
結果 ; 100p.e.あたりまでは1%よりよいが、1000p.e.になると20%位落ちる。
50GeVの電子を打ち込むとsection1,tower13で4000p.e.,pionでも1000p.e.。
これに対してmuonの貫通では30p.e.位なので違いすぎる。
=> 青LEDの波長、波型が実際のTile/WLSからのものと違うので、補正するか
実際にTile/WLSからの光を入れたほうが良いのではないか?
=> PMTからの出力は?=>500p.e.で4.4V=90mA@peak
対策 ; 1)サチる部分のPMTについては別なPMTの変える。
=> どのSectionからどれだけの光量がくるか早急にGEANTをふる。
2) PMTのHVを下げて、感度の高いADCを使う。
=> FastBus ADC (50fC/count) で十分か確認する。
ちなみにCDFではPMT-gain=5x10^4で、10fC感度のADCを使っている。
c) ADP-HPD(PreShower読み出し用)の温度依存性を調べた。
結果 ; -1.2% / ℃の依存性があった。これはAPD自体の依存性と同じである。
=> PreShowerなので、 特に深刻な影響はないのではないか?
3) 杉本氏 PreShower/ShowerMax/ECAL simulation(Transparency)
a) PreShower及びHCAL本体からのシャワーのリーク量についてGEANTをふった。
構成は HCAL (8mm+2mm) x 140層 1m x 1m
PreShower (4mm+1mm) x 4層 20cm x 20cm
ShowMax 5mmシンチx2層 20cm x (1cmx20本)
結果 ; 50GeV-pionについて後方リークが1.5%あった。
PreShowerからの横リークは0.3% (?)
=> HCAL本体からの横リークはどれくらいあるか?=>まだやっていない。
=> 後方に物質を置いてそれへのEnergy Depositでリークを評価すると、
そこからの散乱粒子がHCAL本体に戻るため過小評価になる。
b) e/pi識別をPS,SM,HCALのEnergy Depositで行なった。
結果; 目で決めたカットにおいて、
電子効率=4200events / 5000events
pion侵入= 566events / 5000events
=> カットの値を変えてスコアを調べる必要がある。
=> ShowerMaxの横プロファイルでのスコアは?=>まだやっていない。
=> HCALとPreSH / SHmaxの間が密着出来ない時どのくらい漏れるか?
=> まだやっていないが、設計上は殆ど離れない。
4) 竹内氏 PreShower/ShowerMax の設計(Transparency)
o 前項の様な仕様のPreSH, SHmaxを設計、製作中である。ファイバー径は0.75mm。
(図面の詳細はTransparency参照のこと)
o SHmaxについては10p.e./MIP程度の光量が見込まれ、十分である。
o PreSHの読み出しはAPD-HPDを使う予定だが、PMTも付けられるように
取り付け部を設計した。
o SHmaxの読み出し取り付け部は、Multi-Anode PMTの現物が無いので
まだ設計していない。
=> 筑波大にある現物を今日中にチェックする。
=> 今後の作業スケジュールは?
=> 1月にシンチが来る。2月中には組立が完了し、3月にはテストできる。
6月発送には十分間に合う。
5) 魚住氏 DAQ system test 及び ADCスペック(Transparency)
o FastBusの動作についての簡単な解説があった。
o DAQ は FastBus => CAMAC => PC で構築すべく、テストをしている。
FastBus-CAMAC Interface はFastBus starter kit 1805+1802を使っている。
o 使用する予定のFastBus ADC はLeCroy 1885Fで、12bit, 96ch である。
High Rangeの感度は50fC/count, Low Rangeの感度は200fC/countである。
o テストシグナルをFB-ADCとCAMAC-ADCに入力して読み出し、比較している。
正常に読み出せていて、レートは96chで16events/sec, 288chで11events/secである。
=> FNALのスピル構造(spill=20sec,Acc=40sec)を考慮すると平均レートは1/3に落ちる。
これだと11ev/secの読み出し速度では少し遅すぎる。
=> SMIを直接PCで読むInterfaceがある。それほど高くないはず。これなら速い。
コーディングは難しいが、宇宙線研に知っている人がいる。
=> まずベースラインのDAQを確立した上で、さらなる高性能をめざす。
=> 今のOSはMS-DOSだが、Linuxにすることを考えている。
=> 1スピル分のデータは3.2kB/event x 15event/sec x 20secを仮定すると1MB/spill。
これは十分メモリに溜められる。これをメディアに吐き出すのに約1秒。
=> 2台のPCでDAQとFTPを分担するか、あるいは1台で全てやるか検討中。
6) 中川氏 Monitor system analysis とe/pi/mu Calibration(Transparency)
o 前回のビームテストにおけるLEDモニタの性能を検討している。
o LEDとmuonの相関を見た。相関はあるが、muon/LEDはむしろばらつきが悪化する。
=> 今のLEDシステムは、トラブル発見には使えるが変動の補正には使えない。
=> 補正に使える様な精度の高いLEDシステムを用意することはしない。
o 各タワー中心にe/pi/muが打ち込めるとして、どうキャリブレーションするべきか
GEANTをふり始めた。まだレスポンスを見始めたばかりで結果は出ていない。
=> muon peakが精度良く求められるかどうか、HistoのBIN幅をADCの感度に
合わせて切って解析してみて欲しい。
7) 藤井 実験エリア状況、輸送等(Transparency)
a) 実験エリアの昇降ステージにHCALが載るか確認した。
o 台の強度は静的荷重に対しては十分。但し動的には余裕がない。
=> FNALは地震がないので大丈夫(?)
o 昇降の駆動柱の強度も十分である。
o 駆動モーターについては資料が無く確認出来ていない。駆動力が不足する
場合は、モーターかギアを交換する必要がある。
o 台を最も低い位置に下げても一番上のタワーには入射出来ない。
台の上に付加的な構造鋼が載っており、これを取ることができればさらに16cm
下がるのでなんとか一番上のタワーにも入射出来る。取れるか確認が必要。
o 横移動は平行移動では無く回転で行なう。回転範囲は十分ある。
ただし回転によりセクションの前後で2cm、全長では12cmのずれが生じる。
Calibration時にはこれを考慮して位置決め、係数計算を行なう必要がある。
b) FNALへの輸送
o 日立物流からの見積りは約180万円。但しFNALにおける荷降ろし、荷造り、
積み込みは全てこちらで行なう条件である。この作業を現地で業者に発注する
場合にはさらにその分費用がかかる。
8) その他の検討項目;チェレンコフ、ビームの性質
=> 報告無し
[II] 解析報告等
1) HCAL NIM論文投稿について
著者リストの一部を除いて'FINAL'であると判断している。明日14日まで意見を
受け付ける。それで問題なければ投稿する。
2) 春の学会申し込み内容
古川氏(Beam Test - 5)と中川氏(Beam Test - 6)が申し込んだ。内容は古川氏が
分解能等の性能、中川氏がProfile等。
=>予稿集を必ず出すこと。
3) ビームテスト解析の状況報告
a) 加賀氏;ビームテストセットアップのGEANT Simulation
o e の分解能が Exp=24%, SIM=20%
=> 違いは光子数統計か?
o paiのEnergy Depositはずれているが、分解能は良くあっている。
=> GHEISHAでこれだけ分解能があうのは驚異的である。
=> 他の人もGEANTを振っているので、相互に比較すべき。
特にgustepでの処理の仕方でずいぶん変わる場合もある。
=> 各人使っているソース、データなどをccjlc上に置いて比較する。
b) 大田氏;ADC Dataの振るまいについて
ADCの生データが、Pedestal以下であったり1countにピークがたったりする
イベントがあり、扱いに苦慮している。
=> T411-part1でもそういうイベントはあった。ADC=0のイベントは
DAQ Errorとして捨てている。今回もそれで良いのではないか?
=> ある時期に集中していないか、ランダムなのか等をチェックして欲しい。
4) その他
無し
[III] 事務的事項
1) 次回ミーティングの設定
ACFA Workshop(3/17,18の予定)に接続して、3月16日(火)に行なう。
場所はKEKか筑波大。
ACFA-WSの日程がもし3/16,17にずれたら、3月15日(月)に行なう。
2) 98年度予算状況
前回報告から執行無し。残高約100万円。FNAL準備に優先して使う。
=> PMTの購入を最優先とする。このため、前記Simulationを急ぐ。
3) 98年度旅費状況
追加配分があり、もう1回ミーティングができる。各大学2名は出せる。(項目III-1)
一応枠はあるが早いもの勝ち執行に近いので、次回ミーティングの出張手続きは
早急に行なう。至急出張者氏名と日程を知らせて欲しい。
4) 99年度共同開発研究の申請
まだ来年度公募のアナウンスはないが、例年1月中旬に締め切りがある。
従ってこれも書き始めなければ間に合わない。申請テーマとして最も自然
なのはFNALでのビームテストだが、HCALは既に2年間貰っている。
過去に3年出た例は無い。
=> FNALで行けそうか感触を探ってみる。だめそうな時の候補は
o HCAL構造解析、テスト
o Shower Maxの試作、テスト(Si-padとの比較を含む)
等がありうる。
5) その他
無し
I-1) LoI,Proposal, 及び日米申請について
a) LoI
4th Draft がWeb上にある。早急にFNALに送りたい。出来れば明日 / 明後日位に。
Informal Documentなので、細部が詰まっていなくても良いと思う。
岩田氏よりのメール有。
「J.Peoplesあてに、FermilabとしてJLC-CALグループを含むユーザーのためのテスト
ビームタイムを要請する手紙を、今月はじめに出しておきました。」
b) Proposal
別紙の様な形式で提出する。LoIよりは有意に詳細にわたる。1月早々には提出したい。
早急に決めるべきは、
o Collaborator List ; 代表は竹下氏と掃部氏。
学生も加える。(但しメンバー全員が行ける補償はない。)
o 実行時期
o 測定項目、及び必要なビームタイム
この他の項目についてはDraftをReviseしながら積み上げていく。
c) 日米申請
12月中にFinalizeする必要があると思う。(締め切りはまだ不明)
早急に決めるべきは、
o Collaborator List ; 代表は竹下氏と掃部氏。
学生はDのみ?
o 学費予算(旅費は実行段階で変更出来る)
II) 実験エリア状況、輸送等
a) エリアにある駆動装置
o 駆動装置にHCALを載せることは構造的には容易。
o 強度的には一部余裕に乏しいところもある。
o モーターの駆動能力は不明。「下げられるが上げられない」といった事態も
ありうる。引き続き調べる。改造が必要かも。
o 駆動範囲は下げる方に余裕がない。現装置では1番上のタワーに当らない。
一部部品を取りはずす必要がある。
o 横移動は平行でなく回転で行なう。
回転範囲は+-20°あり十分(r=6.2m)。(1タワーとなりへは2°)
端のタワーへ打ち込む時はビームに対して4°タワーが傾く。これは
セクションの前後で2cmのずれ、全体で12cmのずれ。考慮が必要。
b) FNALへの輸送
日立物流に検討を依頼している。粗い見積りでは180万円。但し作業は以下の通り。
KEKで普通のトラックに荷物を積み込む(我々がやる)。
神立の日立物流センターで海上コンテナに積み込む(日立物流)。
そのまま輸送してコンテナのままFNALに到着する(日立物流)。
コンテナから荷降ろしをするのは我々。
FNALからの積み出しも同様で、海上コンテナに積み込む作業は日立物流はしない。これを現
地の業者に頼む、あるいは日立物流に来て貰う場合には、その分の費用がかかる。
見積り荷物は以下の通り。
品名 寸法(高x幅x奥行) 重量/個 個数 荷姿等
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鉛板 1.2mx1.4mx0.5m 2500kg 5台 1m x 1m x 4mm の鉛薄板(50kg/枚)を50枚
架台に載せて固定する。これが計5台。
本体 1.3mx2.2mx2.2m 300kg 1台 下記シンチ保護のため、取扱には注意が必要。
シンチ 本体に組み込み 600kg 1mx1mx4mm のプラ板(4kg/枚)を80枚と1mx1mx2mmの
プラ板(2kg/枚)を120枚を上記本体に載せて固定する。
底板 2.5mx2.5mx20cm 100kg 1個 特にケアを要しない複合板。エアキャップで包む。
BUCAL 1.2mx20cmx40cm 400kg 2個 内部に精密機器を含むため、取扱注意。
PMT暗箱 60cmx60cmx60cm 20kg 4箱 特にケアを要しない箱。エアキャップで包む。
PMT 50cmx50cmx50cm 30kg 6箱 光電子増倍管(精密機器)を段ボール箱詰め。
電子機器 50cmx50cmx50cm 30kg 10箱 電子回路等(精密機器)を段ボール箱詰め。
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総重量 約15トン