第24回リニアコライダー計画推進委員会議事要録
日 時 平成15年11月14日(水)13:30〜16:20
場 所 4号館 セミナーホール
出席者 戸塚、小林、神谷、近藤、高崎、黒川、岡田、田内、榎本、佐藤、中村、駒宮、野崎、西川、尾崎、生出、吉岡、福田、陳、浦川、松本、早野、肥後、上野、大森、森、山下、金、中西 各委員
(欠席者 小間、宮本、横谷、山本、新竹、清水、峠、山内、相原各委員)
オブザーバー 8名
配付資料 1.第23回リニアコライダー計画推進委員会議事要録(案)
2.リニアコライダー計画推進委員会名簿
3.ACFAミーティング報告
4.GDOタスクフォース議事録(10月14日開催)
5.TESLA評価経過報告
6.LC関係報告〔2003年11月〕(加速器関連)
7.物理・測定器専門委員会報告
8.次回ILCSC対策関係資料
議事に先立ち、戸塚委員長から、資料2に基づき、新委員となった、山内、大森、相原、森、山下、金、中西の各委員が紹介された。また、委員長から、専門委員会やワーキンググループの新設などについての提案があれば知らせてほしい旨の発言がなされた。
議 事
T.協議
1.次回のILCSCおよびOECD GSF HEP Conultative Groupについて
戸塚委員長から、以下の発言がなされた。
(1) 11月19日に次回のILCSCがパリで開かれる、日本からの委員は駒宮、
戸塚の2名であるが、戸塚機構長は出席できないので、駒宮氏に一任したい。なお、agendaは、GDOについての尾崎氏の報告、ITRCのメンバーの承認と議長の選出などである。ITRCのメンバーと議長については、決定後直ちに発表される予定である。
ITRCのchargeについて、以下のような変更が提案されている。すなわち、ITRCの結論を出す時期を2004年末ではなく、2004年7月末にしようということと、warm
technologyについてはこれまでX-bandと明記されていたものを、X-bandに特定することをやめwarm technologyのみにしようというものである。これらの点については、11月19日に議論となるので、今回の本委員会で委員の意見を聞きたい。例えば、ILCSCの委員である米国のGranisは、"X-band
with C-band as a backup"ではどうかといっている。
(2) OECD GSF HEP Conultative Groupの会合が11月20日にパリのOECD本部にて開かれ、日本からは横谷氏と織田課長が出席する。
(1)についての議論を行い、本委員会として、a)X-bandと明記するのではなく、warm technologyと記述するにとどめる。また、C-bandについては、すみやかにコスト評価とエネルギー増強シナリオの策定を行う。b)ITRCの結論を7月末までにだすことには反対する。という結論に達した。
U.報告
1.ACFA報告
黒川委員が、10月27日28日の2日間にわたり台湾新竹国立放射光センターにて開かれた第8回ACFA meetingについて以下のように報告した。
(1) 日本からは、駒宮、川端、陳の各氏および黒川が出席した。日本以外からは、韓国、中国、台湾、タイ、インドが参加した。
(2) ALCSCは、9月29日までにWise Persons' Committee(ITRC)のアジア地域からの候補者の人選を行い、ILCSCに報告した。ただし、11月19日にパリで開かれるILCSCにおいてオーソライズされるまでは、名前を公表できない。
(3) ACFAとして、KEKがGDOのホストとなることをリコメンドすることが全会一致で承認された。
(4)11月20日にパリで開かれるOECD GSFには、ALCSC議長のNamkung氏も出席する予定である。
2.GDOタスクフォース報告
戸塚委員長が、11月14日(水)6:00から行われた電話会議について以下のような報告を行った。
(1) GDOはdesign groupなので、Phase1とPhase2も間で構造は変化しない。
(2) いつ予算当局が関与することになるかに関するシナリオは明確でない。日本は遅くなりそうであり、米欧はIan
Hallidayの委員会で検討をしている。
(3) Pre-GDOとGDOの違いは、予算当局が関与するかどうかにある。
(4) Feasibility studyとindustrializationが終われば役割は終わることになる。
(5) Central teamの下に3つのregional teamを置く。Central teamの役割はR&Dのモニターである。
(6) Central teamの所在地については、technical infrastructureを持つ大研究所がいいが、host
laboratoryの一部局とならないような独立性が必要である。DESY、KEK、SLACなども候補となる。
(7) Directorをどう決めるかについてDorfanとBryantがたたき台をつくることになった。
(8) 給与はどうするか、出向の扱いをどうするかなどを検討する必要がある。出向については、日本における問題点を機構長が調査する。
(9) このmeetingはあと2回ほど行い、2月のICFAに提案する。ILCSCが所在地とDirectorを決めることになる。次回は来年1月5日の週に行う。
(10)GDOの発足は、ITRCの結論がでた後となる。
C(機構長) 日本からGDOに人を出せるかどうかを検討してほしい。
3.TESLA評価経過報告
吉岡委員が、以下のように報告した。
(1) 11月7日DESYにおいて40MV/m(Qは10E10)を達成した。Electro-polishingと800Cのannealingによりうまくいった。
(2) 評価は、A(空洞など)、B(モジュレータなど)、D(冷凍機など)の3グループに分かれて行っている。
(3) 2004年1月19・20日にDESYでjoint mini workshopを行う。KEKからは8名が参加する。
(4) DESYのTDRにおけるいくつかの問題点をすでに見つけている。例えば、EBWの品質管理とコスト、RFカプラーのエージングシナリオ、チューナーの信頼性、1トンネルにしたための問題、などである。
(5) DESYはクライオモジュール7台の経験しかない。
4.加速器専門委員会報告
4-1 GLCTA
早野委員が、以下のように報告した。
(1) AR南から移設したソレノイドクライストロンX72Kを2本用い、加速管をエージング中である。
(2) 来年2月にはPPMクライストロン#3と#4を設置する。またSLED-IIも来年早い時期に実現したいと考えている。
4-2 ATF
早野委員が、以下のように報告した。
(1) Laser wireにおいてTEM00モードの代わりにTEM01モードを用いることにより、分解能が2倍向上した。
(2) FEATHER用strip line kickerが設置された。
C(浦川) 11月1・2日にLaser-Wire workshopが京都で開かれ20人弱が参加した。
4-3 SLACにおける8-pack試験およびKEKにおけるクライストロン開発など
陳委員が、以下のように報告した。
(1) 8-pack試験においては、XL-4クライストロン4台のうちの2台を動かし、出力を合成して78MW、150nsecで運転中。パワーコンバイナー前の導波管直線部で放電が起きている。11月25日までに400MW、1.6usecを出す予定であるが、難しいかもしれない。また、Lounin氏が11月19日から3ヶ月間SLACにて8-packテストに参加する。
(2) KEKにけるクライストロン開発状況は、PPM2号機は120Hz、1.7usec、68MWを達成したが、電子銃の劣化で運転を停止した。現在新しい電子銃を制作中。
(3) PPM4号機が11月18日に納入される予定。12月末までにテストを終了し、その後SLACに送ることになる。
(4) PPM5号機は12月末までに完成予定である。
(5) SLED-IIの部品のbackupが完成し、10月29日にSLACに送った。
(6) 4.8dBと6dBの分配器の低電力モデルを制作中である。
4-4 加速管
肥後委員が、R-1用H60VG4S17が完成しSLACに送ったこと、またR-2用加速管の製作を開始したことを報告した。
Q(機構長) SLACの様子は。
C(陳) 68MW、1.7usecまでいった。これはgoalの96%であるが、最長10分の運転である。
4-5 C-band
松本委員が、以下のように報告した。
(1) RF圧縮については135MWまでテストした。
(2) Switcing Deviceとして、サイラトロン、IGBT、SIサイリスタなどがあるが、サイラトロンの見直しを行っている。SLACのデータを見てみると、7万時間以上働いたものがあり、サイラトロンはこれまで考えられた以上に安定しているようである。分解して詳しくしらべたい。
5.物理・測定器専門委員会報告
5-1 ワークショップ等
岡田委員が、12月15-17日にACFA LC WSがインドのTIFRで開かれる予定である。また、11月28日に第3回理論実験合同ミーティングを開く予定であると報告した。
5-2 測定器開発
田内委員が、以下のように報告した。
(1) VTXについては、CCDの放射線対策についてデータを解析中である。
(2) Central trackerについてはTPCについて国際WSにおいて調査を行う予定である。
(3) FEATHERにおけるfast-feedbackのテストを開始した。
(4) 11月4-5日の第2回ナノメータBPM WSがKEKにて開かれ、30名が参加した。現状の精度は単体で90nm、複合で43nmというところである。目標は2nmである。2004年にnmを達成することを目指している。
V.その他
次回は、平成16年1月9日(金)13:30から開催することとした。