第26回リニアコライダー計画推進委員会議事録(案)
日 時 平成16年2月9日(月)17:20〜19:20
場 所 4号館セミナーホール
出席者 戸塚、小林、小間、神谷、高崎、黒川、岡田、田内、宮本、榎本、佐藤、横谷、中村、駒宮、野崎、西川、尾崎、清水、生出、吉岡、福田、陳、峠、浦川、松本、早野、肥後、上野、大森、中西
各委員
(欠席者 近藤、山本、新竹、山内、相原、森、山下、金 各委員)
オブザーバー 12名
配付資料 1.第25回リニアコライダー計画推進委員会議事要録(案)
2.Report of the ILCSC Task Force for
Establishment of the International Linear Collider (ILC) Global Design
Organization (GDO)
3.Science, Technology and Innovation for the
21st Century. Meeting of the OECD Committee for Scientific and Technological
Policy at Ministerial Level, 29-30 January 2004-Final Communique
4.TESLAコスト評価作業概要報告
5.LC加速器関係報告〔平成16年2月〕
6.ground vibration measurements in Japan(席上配付)
T.報告
1.GDOタスクフォース報告
機構長が、2月12日のILCSCにてBNLの尾崎氏によって説明されることになるGDOタスクフォース報告に基づき、以下のとおり報告した。
(1) GDOはTechnical Designが終了するまで存続することになる。
(2) GDOには第1期と第2期があり、第1期においては12-15ヶ月をメドにCDRを完成させる。第1期については、研究所間でMOUを結び各研究所の手持ちの予算で運営することになる。
(3) GDOにはcentral teamと3つのregional teamが存在することになる。
(4) 第2期については、TDRを作り、TDRに基づくR&Dを行う。可能ならば各国のfunding agencyがコミットすることを望む。
(5) マイルストーンは以下の通りとなる。
2004 Technical Choice
2005始 GDO発足
2006半ば CDR完成および第2期開始
2007 TDR開始
2008 Site Selection
C(機構長):GDOではサイトに関する提案できないと思う。
(6) Central Teamの構成は、Director、各Regional TeamのDirectors、Chief
Accelerator Scientist、Chief Engineerおよびその他のstaffからなる。最初は10-15名ぐらいから始め、やがて15-20名程度にふやすことになる。
(7) Regional teamについては各regionでそれぞれ独自に決めることになる。
(8) 今後Central Teamをどこの置くか、そのDirectorを誰にするかを決める必要がある。
(9) GDOのCentral Teamについては公募することになるが、条件としては、稼働中の加速器を持つ高エネルギー物理学研究所ということである。8月のICFAにて推薦が行われることになるが、機構長としては、複数の候補を選んでおき、technology
choiceの後、最適のところを選べばいいと考える。
Q(駒宮):MOUの締結は2005年にずれこむこともあるはずで、milestoneを少しずつ遅くするのがいいと思うが。
A(機構長):私が努力して2年延伸してある。もし2009年にground breakingということであれば、TESLAは2015年までには完成しないことになる。
Q(野崎):MOUについては、文科省は了解しているか。
A(機構長):KEKの判断でやることになる。
Q(峠):GDOの報告draftの中の何が問題であるか。
A(機構長):Central Teamのtaskの記述が細かすぎると思う。
C(機構長):2008年にサイトを決定するとなると2006年頃から真剣な議論を開始する必要がある。
C(宮本):GDOの活動には測定器は含まれないが、2015年に測定器を完成させるためには、globalなcommitteeが必要であると考えられている。12月のTIFRのWSでも、このようなしくみが必要であると指摘された。
Q(大森):KEKはGDOのCentral Teamに立候補するのか。
A(機構長):まだ自明でない。
C(駒宮):ACFAはKEKが立候補することを要請している。
C(大森):この件については早い時期に検討してほしい。
2.OECD閣僚会議について
機構長から、「OECD閣僚会議が1月30日に開かれ、日本からは、稲葉文科省副大臣が出席した。閣僚声明中に、LCについての言及があり、かつfunding
agencyの関与が必要と書かれており、重要な声明であると考える」と報告された。
3.ITRP報告
生出委員が1月27日と28日にRutherfordで開かれた第1回のITRPについて、以下のとおり報告した。
(1) 全委員が出席した。今回はtutorialがmainであった。
(2) 今年中に結論をだそうということで合意している。
(3) 委員長のBarishが作ったcriteriaについて検討をしている。
(4) 現在各研究所にだす質問内容について議論を行っている。
(5) 今後のスケジュールは以下のとおり
4/5-6 DESY訪問
4/26-27 SLAC訪問
5/25-26 KEK訪問
6月末 多分BNLにて委員会を開く
8月中 Postechを訪問する可能性あり
(6) DESYのBrinkmann(DESYからのtutor)は、TESLAはクライオモジュール1セットをまとめることはしないと発表した。
Q(野崎):最終的な決断はどうするかの議論は行われたか。
A(生出):まだはっきりしていない。
Q(大森):Criteriaはいつまでに決まるのか。
A(生出):4月のDESY訪問までには決まる。
C(横谷):TELAについては、R1としてクライオモジュール1セットをつくり、テストをすることが要求されている。Duganの意見は、たとえクライオモジュール1セットがなくても、クライオモジュールに組み入れても、個々のcavityのテストの結果を下回るということがないことを示せれば良いというものである。
4.TESLAのコスト評価など
吉岡委員から、以下のとおり報告された。
(1) TESLAに関する日本独自のコスト評価が進行中である。
(2) XFELのサイトが決まり、2012年完成予定である。
(3) TESLAについては2008-2015が建設期間であると想定されている。
(4) TESLA collaborationは巨大なcollaborationであり、12カ国、52機関が参加している。米国からも、Cornell、TJlab、FNAL、MITが参加している。
Q(駒宮):コスト評価はITRPのKEK訪問までにはできるか。
A(吉岡):それまでにはできる。
C(松本):日本の企業の製作コストが高いのは、製品の保証をしっかりすることによる。
C(尾崎):品質保証と製品保証は企業にとって大きな問題である。
C(生出):同じ基準で、warmとcoldのコストを評価してほしい。
C(斎藤):DESYのコスト評価はよく詰められていると思う。
C(機構長):日本でつくったらどうなるかということから、DESYのコスト評価が妥当であるかに検討の方向が変質しているようにみえる。少なくともDESYと十分議論するべきであり、ILCSCに発表するときは事前に相互に内容を見せた上でやってほしい。
5.GLCのコスト評価について
榎本委員から、以下のとおり報告された。
(1) DLDSからSLED-IIへ変更、加速管の長さを90cmから60cmにしたこと、加速器長の増大などの仕様の変更にともないコストの再評価を、加速管、ビームモニター、架台、RF源、建物にわけてKEKと企業が協力して行う。かなりのコスト増になる見込みである。
(2) 2月下旬に第1回を行う予定である。量産効果をどう考えるかが問題である。5月下旬までに完成させたい。
(3) LC研究会からは、XとC両方ともやらしてほしいという要請がある。
C(尾崎):量産効果については、coldの場合にはすでに折り込み済みである。
C(陳):TESLAのコスト評価では量産効果が数値化されている。
C(機構長):GDOではindutriazationが重要なmissionである。
Q(機構長):今回のコスト評価はSLACとは無関係でやっているのか。
A(榎本):現在のところ独立でやっているが、今後コンタクトする。
6.Ground Vibration測定について
田内委員から、「DESYに世界中の加速器研究所のGround Vibrationを測定している研究者グループがあり、SPring-8、ATF、日本国内のLCサイト候補地で振動テストをしたいむねの提案がSLACのMarc
Ross氏の仲介でなされた。Cultural Noiseをはかるのが目的であり、4/8-27日に来日したいということである。」と報告された。
Q(機構長):ドイツからなぜわざわざ来なければならないのか。
C(吉岡):既に菅原氏による測定がある。菅原グループと相談してほしい。
C(機構長):本日は話を聞いたということに留めておきたい。
7.LC研究会総会
尾崎委員から、LC研究会総会を4月23日に行う旨のアナウンスがあった。
8.Ellis氏によるセミナー
宮本委員から、CERNのJohn Ellis氏によるセミナーが3月22日に行われる旨、報告された。
C(機構長):LHCとLCの同時進行の必要性の具体的な事例を聞きたいと思う。
U.協議
1.ILCSC対応について
機構長が議論の結果を以下のとおりまとめた。
(1) いずれMOUをつくることになろう。
(2) GDO Central Teamのサイトを8月にICFAでひとつに絞るのは無理であり、複数の候補を持ち、technology決定後一つに絞るのがよいだろう。
(3) アジア地域においてどこが立候補するかについては次回の推進委員会で議論したい。
(4) ILCSCにおけるコスト比較の議論は駒宮委員に一任したい。
2.ITRP対応について
機構長によるITRP対応についての議論のまとめは以下のとおりである。
(1) 5月下旬のITRPのKEK訪問における発表、ITRPからの質問に対する答えの準備、ITRP視察に対する準備などの対応を考えるグループを結成したい。
(2) 4月下旬にITRPがSLACを訪問する際には、日本はSLACと密接に協力してやりたい。ITRPのSLAC訪問時にはこちらからSLACへ行き、KEK訪問時にはSLACからKEKへ来所してもらうようにしたい。
(3) 神谷委員に対応をまかせたい。特にITRPのcriteriaにどう対応するか、またKEKは何を売り込めるかを考えてほしい。
3.GDO対応について
機構長から、GDO対応については、次回に再度議論したいが、論点は、
(1) Central Teamをどうするか。
(2) Central Teamのdirectorとして誰を推薦するか。
(3) Staffとして日本から何人送れるか。
(4) Regional Teamで何ができるか。
(5) 必要経費はどのくらいか。
ということである。いずれにしても、平成17年度からしか対応はできないし、ACFAでも考えてもらわなければならない旨発言された。
C(黒川):次回のACFA/ALCSC合同ミーティングは3月22日に韓国慶州で開催される。
4.ALCSC広報担当について
機構長から、ALCSC広報担当を森田委員にお願いしたい旨報告された。
V.その他
次回は、3月18日(木)13時30分から開催することとした。