第25回リニアコライダー計画推進委員会議事録
日 時 平成16年1月9日(金)13:30〜16:50
場 所 国際交流センター 交流ラウンジ1
出席者 神谷、高崎、黒川、岡田、田内、宮本、榎本、佐藤、横谷、駒宮、野崎、尾崎、生出、吉岡、陳、峠、浦川、松本、早野、肥後、
上野、大森、森、山下、金、中西 各委員
(欠席者 戸塚、小林、小間、近藤、中村、山本、新竹、西川、
清水、福田、山内、相原 各委員)
オブザーバー 10名
配付資料 1.第24回リニアコライダー計画推進委員会議事要録(案)
2.OECD/CSTP/GSF高エネルギー物理学
コンサルティブグループ会合(11月20日開催)
3.ILC Task Force Subgroup
4.LC関係報告〔2003年12月〕(加速器関連)
5.ISG-]T報告
6.Charge for the ITRP
7.物理・測定器専門委員会報告(席上配付)
8.TESLAの課題(席上配付)
I. 報告
1.LCSCS報告
駒宮委員が11月19日にパリで開かれたLCSCSについて以下のように報告した。
(1)
尾崎氏から、Pre Global Design Organizationについて、次のとおり報告があった。
1)2月12-13日パリで開かれる次回のILCSCに報告書を提出する予定であり、その前に、1回電話会議を行うことになる。
2)今のところ、GDOはILCSCのもとにつくることになり、各labがMoUを結んで結成することになる。
3)いずれfunding agencyが関わることになる。
4)GDOの結成はtechnical choiceがなされた直ちに立ち上げることになり、central
teamとreginal teamから構成される。
5)GDOの役割はまず世界中が同意するCDRをつくることである。
6)ICFAとILCSCが6ヶ月毎にreviewを行い、2年ごとにmaijor reviewが行われることになる。
7)central teamとreagional teamの役割分担について議論中である。8)2004年3月または4月に開かれる予定のfunding
agencyの会議にもreportを出すことを考えている。
(2)
2004年4月19-24日にパリでLC Detector&Physics WSが開かれる。このときにILCSCとITRPの議長を呼ぶことになる。なお、次回は2005年9月または10月に開かれる。
(3)
ITRPのメンバーはアジア地域からは、G.S.Lee、政池、生出、菅原、ヨーロッパからは、Augustin、Calumus、Belletini、Soegel、北米からはGranis、Barish、Berger、Holtkampの各氏である。Holtkampと生出氏のみ加速器の専門家である。Barishを議長に選んだ。また、SecretaryにはCERNのDavid
Planeが選ばれた。
(4)
ITRPのchargeについての議論が今回のILCSCの主要な論点であった。まずC-bandの扱いについては、"If necessary"ならば検討に加えるという文言を入れるのに2時間かかった。Loew委員会でCについての検討が十分に行われていなかったため議論が難航したといえる。報告書の時期については、Dorfanが早く出すことを主張したが、ACFAおよびGranisは反対であった。また、CERNのMainiは、LHCの後に決めるようにと主張した。
C:松本 Loew委員会でC-bandをまじめにやってこなかったことは事実である。
C:横谷 ITRPはいずれ各labを回ることになる。今回横谷氏がITRPにtutorとして呼ばれている。
Q:黒川 だれがtutorとなるのか。
A:横谷 横谷、Raubenheimer、Brinkmannの3名である。
C:峠 ITRPからAccelerator
SubCommittee(ASC)に依頼があり、この3名にTigner氏が要請した。
Q:駒宮 ITRPはopenのはずだから誰がでてもいいはず。
C:峠 Parameter
SubcomitteeとAccelerator SubCommitteeno役割の調整が必要と考える。今後tecnical choiceに重要となるのは、R1とR2をclearしているかということである。それぞれの陣営が宣伝合戦を行うようでは困る。客観的な判断を行う方法をはっきりさせ、expertによるreviewを行うようでないと責任ある判断ができないと思う。
C: これについてはAccelerator
SubCommitteeで、コストとスケジュールを含めて議論してほしい。
C:峠 そうだと思う。
Q:山下 ASCのchargeははっきりしているのか。
A:浦川 draftしかない。
A:駒宮 次回のILCSCで議論されることになる。
Q:横谷 ITRPはWarmとColdのどちらもつくらないという報告を出しても良いのか。
A:駒宮 そういう結論もありうる。
C:駒宮 文科省はJ-PARCとの関係からなるべく遅らせてほしいと考えているようだ。
2.OECD
GSF HEP Consutative Group Meetingについて
横谷委員から11月20日にパリで開かれた上記の会議について以下のように報告された。
(1) 日本からは、横谷委員と織田課長が出席した。
(2) 閣僚会議に提出する文案がEmailによるやりとりの後最終的に決まった。
(3)
今後、年に1回程度開かれる予定である。
Q:峠 閣僚声明はだされることになったのか。
A:横谷 そうだ。
C:駒宮 文科省が参加する重要な会議である。
3.ILCSC
Task Force Subcommittee
BNLで開かれた表記の委員会について横谷委員が以下のように報告した。
(1) 各regionから、コスト評価と今後のR&Dの予定について報告された。
(2) ただ今reportを書いているところであり、もうすぐできるであろう。
(3)
R&Dコストについては、米国の評価の仕方が日独と異なっている。米国では、本予算獲得までに十分大きな予算を計上する必要があり、R&D予算の中に、日独では建設予算に含まれるべきものが入っている。このためR&D予算が見かけ上大きくなることになる。
(4)
スケジュールについては、日米は2015年、独は2020年を想定しているので、両者間に齟齬がある。
4.加速器報告
4.1 ISGについて
陳委員から12月16日から19日にかけて開かれた第11回ISGについて以下のように報告された。
(1) 米国から28名の参加があった。
(2) ルミノシティとRFの2つのサブコミティーに分かれて議論を行った。
(3)
SLED-IIについては、580MW、400ns、30Hzを達成したので、R1をclearしたと考えられる。2004年5月にはphase2に進み、R2達成をめざす。KEKは、6db、4.8db、3db分配器を製作する。
(4)
クライストロンについてはR2要求を満たした。2004年3-4月に長期運転を行う。
(5)
IGBTモジュレータについては、繰り返しが30Hzであり、まだR2を満たしてはいない。2004年3月に新しいものでR2達成をめざす。
(6) 加速管についてはまだR1は満たされていない。
浦川委員が以下のように報告した。
(1)
TESLAはEcloudは問題でないといっている。
(2)
TESLAの問題点は、すべてが完成してからでないとビームコミッショニングができないことにある。
Q:大森 65MV/mでなく60MV/mでもいいのではないか。
A:肥後 65MV/mという目標は下げないが、実際は60MV/mで使うということもあるかも知れない。
C:大森 60MV/mでいいから、同一の加速管をたくさんつくってテストすることが重要である。
C:峠 ISGでそのように決定した。
C:肥後 full
dampingの構造を持つものは2台しかないので、春までに数本をさらにつくりテストを行う。
C:神谷 次回の推進委員会にスケジュールを示してほしい。
C:峠 ITRP向けのX-bnadのpresentationについて2月に話し合いを行うことを決めた。論点は加速管である。
4.2 ATFについて
早野委員が以下のように報告した。
(1) 運転期間は10月20日-12月19日、1月19日-2月6日である。
(2)
ビーム強度としては20バンチトレイン60mAを目指しているが、今のところは45mAである。
(3) 高次モードを用いたレーザワイヤシステムにより精度が上がった。
(4) マルチバンチモードにおける縦方向振動の原因を追及中。
(5) RFガンからの低エミタンスをライナックで保存することを追求中。
4.3 クライストロンについて
陳委員がPPM2、4、5号機について現状を報告した。
4.4 C-bandコスト評価
榎本委員がC-bandのコスト評価に取りかかりだし、既に、11月28日と12月3日に会合を持ったことを報告した。評価はX-bandと同じ基準に基づいて行う。横谷氏にパラメータの再確認をしてもらっている。
Q:峠 パラメータの再確認とは。
A:松本 昔のコスト評価は古いパラメータで行ったので、改めてTRCのパラメータに基づいて行うということである。
4.5 建物等について
神谷委員が以下のように報告した。
(1)
Beam dumpの設計に関して放射線管理センターの伴氏に加わってもらった。
(2) 野崎、山下両委員と協議し振興調整費を申請することを検討している。
(3) クライストロンの量産体制の検討を始めた。
5.物理報告
岡田委員からLC物理の検討状況の簡単な報告があった後、宮本委員が測定器R&Dについて以下のように報告した
(1) VTXについてはradiation耐性についてのR&Dを行っている。
(2)
Central TarckerとCalorimeterのR&Dが進行中である。
(3) ATFにおけるfast
feedback test(FFIR)が進行中である。
(4)
日米協力の申請する準備中。2004-2007年の期間で日本から30名10機関、米国から30名10機関の参加、5000万円、5000万円、7000万円の予算を想定している。
(5)
ACFA LC R&D Workshopを12月15-17日にインドのTIFRにて開催した。総参加者は80名であり、日本からは20名が参加した。インドはLHC後のLCを考えており、日印協定にLCを取り上げることを検討している。
6.Tesla評価について
吉岡委員がTesla評価について以下のように報告した。
(1)
第一次の報告書を来週中にはだせる予定である。全体設計、加速電界、RFカプラー、セラミック窓、エージングシナリオなどについて評価を進めている。
(2) 1月19-20日のDESYにおいてmini-Workshopを行う。
C:生出 トンネルを2本にしたときには、片側のトンネルの振動が伝わる恐れが指摘されている。
C:松本 2トンネルにすると電源が小さくなり振動もちいさくなるはずである。
II.協議
ITRP対策について以下のような議論を行った。
C:駒宮 ITRPの議論の進行は、ある程度こちらのスケジュールに合わせてもらいたいものだ。
C:神谷 この点については、次回の推進委員会で議論したい。
C:横谷 C-bandのpresentationはどうするか。
C:生出 複数人がITRPに参加した方がよい。
C:駒宮 ILCSCにおいてITRPにおけるpresentationは公開で行うことが決まっている。
III.その他
次回は、2月の上旬のILCSCの前に開催することとした。