第21回リニアコライダー計画推進委員会議事録(案)
日 時 平成15年7月4日(金)13:30〜16:30
場 所 4号館 セミナーホール
出席者 戸塚、小林、小間、神谷、近藤、高崎、黒川、岡田、田内、宮本、榎本、佐藤、横谷、中村、駒宮、野崎、山本、清水、生出、吉岡、福田、陳、峠、浦川、松本、早野、肥後、上野 各委員
(欠席者 新竹、西川 各委員)
オブザーバー 13名
配付資料 1.第20回リニアコライダー計画推進委員会議事要録(案)
2.第20回リニアコライダー計画推進委員会議事録(案)
3.ISG10報告
4.LC加速器関係報告
5.物理・測定器開発関係の報告
6.加速器専門委員会委員名簿(案)
7.各専門委員会委員名簿(案)〔席上配付〕
議 事
I.次回の開催について
FNALで開催されるLepton Photon Symposium中の8月14日にILCSCが開かれるため、その対応を議論するために、次回の委員会の開催は8月11日としたい旨の提案が戸塚委員長からあり、了承された。
Q:高崎 Lepton
Photon Symposiumは8月14日から始まるはずだが。
A:機構長 私は8月13日に出発する。8月11日の委員会は参加できる人だけでやろう。出席できない方は事前にEメールなどで意見を知らせてほしい。
U.報告
1.機構長のSLAC訪問について
戸塚委員長が6月初旬のSLAC訪問について以下のように報告した。
@Dorfan所長によれば現在米国はLCのR&Dに毎年20M$を使っており、倍増を要求中である。来年1月には結果がわかるといことであるが、DOEの某高官から個人的に聞いたところ、増額の可能性は低いということである。
A米国は2005年からengineering designのためのR&Dにはいることを考えており、そのための予算は1.2B$を想定している。このR&Dを3、4年行った後本建設を行う計画である。例えば、R&Dを4年間にわたり3地域で分担するとすると、分担額は100M$/地域/年となる。米国においては、HEP予算をやりくりすることで100M$は捻出できると考えている。日本のGLCにおいても、米国と独立に、同様な試算を行い、R&D事項、必要経費、最大4年としたときの年次計画を出してほしい。また日本がこのようなR&Dにおいて何を分担するかを考えてほしい。
B米国は、LC建設予算は7B$以上となると見積もっている。HEPの予算が10%増加すると希望的に考え、hostとして2/3を負担すると、ピーク時では、HEP予算をやりくりして200M$を捻出した上に、さらに新規に500M$/年が必要となると考えている。日本においても同様な検討をしてほしい。また、アジアにおいては、各国がどのような負担ができるかを、ACFAで検討してほしい。
CLoewはcoldになってもしかたがないと思っているが、PatersonとBurkは反対である。Dorfanは米国全体をまとめようと努力しているが、心情的には、warm派に近いようだ。
D米国は今のところLC建設予算のメドが全くない。MalburgerがLCをsupportするといっているが、彼がどのくらいの影響力を持っているかはよく分からない。新規の500M$/年もメドはない。Bush政権は反科学であり、彼が再選されたらLCは無理だろう。
E日本も予算減少という同じ問題をかかえている。DOEとMEXT間で意見交換を行うべきだと思うし、その方向で努力したい。
FPre-GLCCの役割がはっきりしないと思う。Tignerの2月の文書にはLCの国際的なR&Dをやるということになっている。日本の対応を今回と次回のLC推進委員会で議論してほしい。
Q:高崎 7B$の予算は何に対してか。
C:駒宮 1TeVは無理である。
A:峠 Phase-Iのみである。
Q:神谷 R&Dの1.2B$は7B$の外か。
A:峠 そうだ。
Q:駒宮 6年かけて建設するのか。
A:峠 7年だ。
Q:大森 さっきでた500M$との関係は。
A:機構長 ピークでの予算だ。日本でもJ-PARCが進行している時なのでとても大変だろう。
Q:横谷 1.2B$の中身は。
A:峠 η計画ではすでに1B$ぐらいを使っているので、その額をそのままもってきた。また、これはwarmの場合である。
C:機構長 1.2M$の中身を詳しく積み上げてみて安くなるようだったら、advantageである。このようなR&Dが必要か、国際的にやれるものかを検討してほしい。
C:神谷 今までのプロジェクトでこのようなやり方をしたものは無いと思う。
Q:山本 7B$はこれまでの見積と整合しているか。
A:峠 Contingencyとescalationを入れてある。
Q:黒川 誰が1.2B$を言い出したのか。
A:機構長 米国では多くの人が言っている。Loewも数100mのものを作ってからといっている。
C:黒川 7B$の計画であるからには、ある程度のものを事前に作るのは必要と思う。
Q:神谷 デモ機ということか。
A:横谷 Injectorとlinacのはじめまで作るということだろう。
C:機構長 日本でも是非検討してほしい。
Q:山本 Warmでなければ日本ではやらないということか。
A:機構長 それは皆さんが決めることだ。
2.ISG10報告
峠委員が以下のように報告した。
@6月17日から20日にかけてISG10がSLACで開かれ、日本からは15名(内1人はSLAC長期滞在中)が参加した。今回はISGとNLC加速器ミーティングの合同会議であり総参加者数は50名を超えた。4つのWGに分かれて議論した。
ADorfan所長は次のような挨拶をした。「戸塚機構長が来て良かった。ILCSCは2004年頃にtechnologyの決定をすることになろう。」
BISGに先立って開かれたNLC-MACにおいて、Dorfan所長は、PEP-IIのルミノシティ増強のために、NLCから数名をPEP-IIに移すと発言している。
CDuganによれば、USLCSCでは、9月までにtechnologyの評価についてまとめる方向で検討中である。
Q:山下 もともとは来年の春にtechnologyを決めると言うことだったはずだが。
A:峠 よくわからない。
Q:機構長 次回のISGは。
A:峠 11月頃にKEKでやることをSLACは希望している。
3.OECD-GSFについて
戸塚委員長が以下のように報告した。
@6月24日に文科省の石川研究振興局長と会った。石川局長の考えは次の通り。「LCの重要性は良く分かっており、設計などを世界の研究者が共同で行うことは意義がある。外務省にもいってある。OECDのstatementの中に、予算をコミットを示唆するようなことを含むことは各国の賛同は得られないだろう。KEKはリーダシップを発揮し、日本の財政事情に合うLCの年次計画を作ってほしい。」私は、OECDでLCのR&Dをsupportしてほしい旨申し上げた。要はLCの国際的な努力を分かってもらいたいということだ。
A日本からのOECD-GSFメンバーである、佐藤原研理事にお会いした。永宮氏の同級生である。彼はLCを重要なプロジェクトであると考えており興味を持っている。彼からLCとLHCがなぜ同時に走らなければならないかについて説明を求められたので、少し遅れても十分に意義があると説明した。なお、彼は、LCにwarmとcoldの方式があり、決着がついていないことは知らなかった。OECD
GSFの声明中に、LCのR&Dに各国が努力するようにという文言が入れば十分であることを理解してもらった。
B文科省政策局でGSF対応会議が6月25日開かれた。
C6月30日と7月1日に開かれたGSFにおいて、閣僚級会議へ出す声明を審議し文案をまとめた。各国に持ち帰り、10月に再審議することになった。以前の案にくらべ表現が弱くなっている。日本の態度は、LC計画の重要性は認識しているが、状況がはっきりしないので細かいことは盛り込めないというものだった。なお、GSFにおいては、まだ声明文を出す段階でないという意見もだされている。LCを国際的に認識してもらうのは重要であるので、私としては引きつづき努力したい。
Q:山本 まだ声明文を出す段階でないという意見もだされた背景は。
A:機構長 計画もまだできていないということだ。やはりGSFの議題となっている国際ニューロインフォーマチック共同研究施設設立に比べればLCは遅れているということだと考える。ただ各国の閣僚にLCを認識してもらうことは大進歩だと思う。
Q:黒川 日本からはどの閣僚が出席するのか。
A:機構長 知らない。開催間近になればわかるだろう。
Q:山本 何か特別にやることはあるか。
A:機構長 新たな報告があったら考えよう。
Q:大森 日本の財政事情に合うというのはどういうことか。
A:機構長 J-PARCが進んでいると言うことだ。
Q:大森 J-PARCが終わればやれるということか。
A:機構長 わからない。
Q:山本 IETAについて何か話がでたか。
A:機構長 なかった。
4.ILCSCとACFAについて
駒宮委員が以下のように報告した。
@Paremeter committeeとAccelerator Sub-committeeの人選が決まった。まずparamete
committeeから議論を開始することになり、7月15日の最初の打ち合わせをTV会議で行う。
A私としては、a)低いエネルギーからupgradableであること、b)低いエネルギーにおけるHiggsのscanが大切なので、それに適したマシンとすること、c)1TeV以上ではHiggsのself-couplingが大切であること、d)また、予想されていない物理に対応できることを、parameterについて主張したい。
Q:横谷 最後の件は具体的にはどういうことか。
A:駒宮 予想外であるので具体的にはいえない。早い時期にAccelerator
Subcommitteeにparametersを渡すことになろう。意見があれば7月15日までにいってほしい。
Q:峠 Parameter
subcmitteeのchargeは成文化されているか。
A:駒宮 できている。
C:峠 配布してほしい。
A:駒宮 皆に配布する。
C:機構長 800GeVではだめといってくれればいいが。
A:駒宮 分かった。
BACFA ALCSCについては議長のNmakung氏とEmailでやりとりしている。Executive Boardをつけることを考えている。Boardにはメンバーを中国、韓国、日本、インド、オーストラリアから1-2名だしてもらう。日本からのメンバーは戸塚機構長を想定している。実際の具体的な活動は、加速器、物理、国際関係のWGを作って行うようにする。これらのWGのメンバーの人選を行いつつある。日本からの国際関係WGメンバーは駒宮委員及び他の方、物理WGへは山本委員及び宮本委員、加速器WGにはILCSCのもとのAccelerator
Subcommittee Memberを含めることとする。1-2週間のうちに確定するだろう。ILCSCは8月14日に開かれるので、それまでに日本の方針を決めることが重要である。
Q:山本 最近、Physics&Detector
Subcommitteeの人選が終わったが、このcommitteeの位置づけは。
A:駒宮 これはWorld-Wideなんもので、6名で構成されるものである。
Q:宮本 ACFAのWSの議論が進んでいるが、これまでの委員の方の扱いは。
A:駒宮 Mergeする方向でやりたい。
5.加速器報告
(1)GLCTA
神谷委員から、アセンブリーホール内の作業は順調に進行中であり、7月中にはシールドの設置が終わり、8-9月からはhigh-power試験が行われる予定である旨の報告があった。
(2)ATF
早野委員が以下のように報告した。
@6月23日から10月17日まで4ヶ月のシャットダウン中であり、この期間に、ウィグラーの残留キック補正コイルの取り付けと取り出しラインの再アラインメントを行う。運転再開後来年6月までの間に21週間運転を行う。
A前回の運転の成果は以下のようにまとめられる。a)BPMの高分解能化(これまでの10倍、3-4umの分解能)とビームベイスト・アラインメントにより、エミッタンスのy/x比が0.5%まで小さくなった。b)真空度の改善により、マルチバンチにおいてもシングルバンチと同程度のエミッタンスを得ることができた。ただし、現在は、放射線レベルからくる制限のため、バンチ強度は予定の1/2から1/3である。放射線の変更申請中であり、いずれ強度の制限はなくなる。c)縦方向のビーム振動は、空洞の冷却水温度との相関があることが分かった。d)Photo-cathode
RF gunを既に8ヶ月運転してきた。ダンピングリングと同程度の5E-6のエミッタンスを得ているが、ライナックで加速中にエミッタンスが増大するので調整が必要である。
B今後の課題は、a)LCと同じバンチ強度における低エミッタンス達成、b)縦方向振動の抑制、c)ウィグラーマグネットを用いた運転、d)リニアックにおけるマルチバンチ低エミッタンス運転、である。
Q:黒川 ウィグラーにはどのような補正を行うのか。
A:浦川 積分磁場がゼロになるように補正する。
Q:機構長 ウィグラーの役割は
A:浦川 ダンピング時間を短くすることにある。
(3)クライストロン
陳委員が以下のように報告した。
@SLACでテスト中のPPM-2号機において南北の導波管を入れ替えたところ、真空バーストがおこる場所が変わったので、導波管に不具合があることが分かった。7月に悪い方の導波管を交換し、7月下旬に試験を再開する。
ASLACのPPMクライストロンXP3-3はフルパワーである80MWにおいてパルス幅300nsまでいったが、それ以上パルス幅を長くできない。アクースティック・センサーをつけて放電の場所の確認を行おうとしている。最終的にはクライストロンを開けて作り直すことになろう。そのとき、再開は10月以降となる。
Q:山本 XP3-3はどこで作ったものか。
A:陳 SLACである。
Bクライストロンの今後の予定は以下の通り。a)PPM-2号機 7月後半からテスト、b)PPM-4号機 SLACにおいて9月からテスト、c)XP3-3 10月からテスト、d)XP3-4 10月からテスト、e)XP4-1 2004年1月からテスト
CバックアップとしてKEKで制作したテーパを測ったところ良い結果を得た。SLACは2個制作したうち1つはtransmissionが悪い。
C:峠 SLACのテーパについてはポンピング・ポートが悪さをしているという未確認情報がある。
Q:浦川 SLED-IIのスケジュールは。
A:陳 9月4日から始まる。
Q:黒川 前回の推進委員会において1ヶ月遅れているということだったが。
DPPM-4号機はKEKで試験中であり、9月半ばからSLACで試験を行うことになる。また、PPM-5号機はただ今制作中で、来年1月からSLACでテストする。モジュレータの開発は順調である。
(4)加速管
肥後委員が以下のように報告した。
@H60VG3N-6Cについては1000時間プロセシングをし、5時間に1回のブレークダウンである。
AH60VG3S18については、1週間、400ns幅、65MV/mにおいてコンディショニングを行い、2-3/時間のブレークダウンである。さらにコンディショニングを続ける。
BISG中に、これからのbase-line designについて検討を行い、a/λをこれまでの0.18から0.17に落とすことにした。加速管の上流側でブレークダウンが大きいため、その部分のfieldを弱くするための設計変更である。来年1-2月にこのタイプの加速管のテスト開始を目指して進める。
(5)C-Band
松本委員が以下のように報告した。
@7月末に開かれるLinac研究会で発表する論文を準備中である。
A開発中であった高圧モニターは367kVまでブレークダウンなく働いた。
B量産化に適した50MWのSiC RF loadを開発中である。E-bendを省略し、また、ほとんどの加工が旋盤でできる構造にするなどの単純化をはかる。最終的には、加速管最下流部に直接接続できるものを考えている。
Q:横谷 RF
loadの温度は。
A:松本 SiC先端で50℃の上昇。水温は8℃の上昇となる。加速管には影響しない。
Q:肥後 最下流にloadを付けたとこの加速gainはどのくらい落ちることになるのか。
Q:横谷 全体の長さはどのくらい伸びるのか。
A:松本 3セル程度まで短くできると思う。
Q:横谷 X-bandには使えないか。
Q:陳 一体型のときは加速管毎に取り替えるのか。
A:松本 フランジ結合とする。
Q:機構長 着々といっているか。
A:松本 比較的うまくいっている。
6.物理報告
宮本委員が以下のように報告した。
@前回報告した、LC Physics Groupは各サブグループとも着々と仕事を進めている。
Aリニアコライダー測定器研究会を8月の遅くない時期にやるべく検討中である。
BLepton Photon Conferenceにポスターを出せるので、出す方向で準備中である。
CAnnual
Reportの原稿案を示す。
C,Q:藤本 Lepton
Photon Conferenceのポスターの案を示す。サイトについて示して良いか。
A:機構長 かまわない。
C:駒宮 総花的ではないか。
C:大森 字が大きすぎるのではないか、
C:生出 隙間がありすぎるのではないか。
C:駒宮 GLCとGLCTAを強調してほしい。
C:機構長 重要なパラメータを示した方が良い。
7.Homepageについて
田内委員から、「LC推進委員会のhomepageを作った。日英双方ある。また、委員専用のpageを作ることにする。LC推進委員会の英文名は、Linear
Collider Project Committeeとした」と報告された。
Q:山本 Chat
roomのようなものはあるか。
C:機構長 積極的に利用してほしい。
V.協議
1.専門委員会設置について
戸塚委員長から、加速器専門委員会及び実験専門委員会を設置することとし、加速器専門委員会は神谷委員がリーダー、峠委員を補佐とする旨提案された。以下に議論を示す。
Q:高崎 大学は入っていないようだが、全部KEKでいいのか。
Q:生出 役割がよく分からないが。
A:機構長 これまであったグループと同じものだ。
C:駒宮 大学でもworkをしている。また、専門委員にはLC推進委員以外の方も入っている。
C:高崎 大学の方が1人ぐらいはリーダーになってもいいのでは。
Q:駒宮 実験だけか。
A:機構長 理論は自動的にはいる。
C:岡田 Physics
Study Groupは理論と実験共同でやっている。理論だけでやるより共同してやる方が良い。
C:機構長 名前をだしてほしい。
戸塚委員長から、比較専門委員会をつくり、warmとcoldの比較の検討を行いたい、また、リーダーを吉岡委員にお願いしたいと提案された。
C:吉岡 KEKには超伝導の専門家が多くいるので十分検討ができる。
C:機構長 良く検討してほしい。
C:黒川、陳 メンバーとして参加したい。
Q:峠 加速器専門委員会との関連は。
A:機構長 加速器はwarmを扱う。
Q:浦川 どのくらいの期間をかけるのか。
A:吉岡 11月ぐらいまで。
C:田内 米国は9月までにやるのでペースをあげたら。
C:機構長 米国と同じである必要は無い。
Q:野崎 日本でcoldを作ったときにどうなるかということか。
A:吉岡 そうだ。
野崎委員から、サイト関連事項専門委員会をつくり、自治体対応とサイト評価委員候補者選考を含めて作りたい旨提案された。
Q:機構長 前回に榎本委員が提案したものか。
A:榎本 サイト評価委員会の委員候補をえらぶWGを作ったらどうかと提案した。はっきりした結論は得られなかったようだ。前回もよく相談してやってもらいたいということだった。
Q:生出 加速器専門委員会の実体はなにか。
A:神谷 文句をよく言う人の名前をリストアップした。ここに入っていない方も働いている。
Q:生出 実体はないのか。
A:神谷 そう思ってもいい方も入っている。
Q:野崎 本格的なR&Dの組織予算を検討するのはどこでやるのか
A:機構長 まさしく加速器専門委員会でやってほしい。とにかく働く委員会としてやってほしい。
2.Pre-GLCCについての議論
駒宮委員が、Pre-GLCCについての考えを以下のように要約し、その後自由討論を行った。「「現在はテクノロジー選択に米国がキャスチングボートをにぎりテクノロジーの選択をしようとしている。損をする地域があってはならない。そこで、テクノロジーを選択する前に、何らかの形で国際的な組織、すなわちPre-GLCCをつくることを、ILCSCで再提案したい。また、アジアの研究所と日本が個別にMoUを結びR&Dを進めることは重要である。日本におけるcoldのactivityを見えるようにし、DESYともMoUを結ぶ。すなわち、3極における放射状のMoUを結びつけることにより、Pre-GLCCを構成するようにしたい。最初はマルチセンターでやっていく。」
C:高崎 来年、テクノロジーのチョイスがなされるのであれば、それまでにPre-GLCCつくらなければならないのではないか。
Q:山本 Wiseperson
committeeは米国のcommitteeではないはずだ。
A:駒宮 違うが、USLCSCによりテクノロジーの選択がなされるとwiseperso
committeeも強く影響されるはず。
Q:機構長 Pre-GLCCの役割と実体がよくわからないが。
A:駒宮 情報の交換を行う。
Q:機構長 なぜそれがPre-GLCCなのか。
A:駒宮 それによりPre-GLCCのもとを作るのだ。MoUを日本を中心に放射状につくることが重要である。
C:浦川 DESYもATFに参加するようにという話をしてきたが、意欲はあるが余裕がないようだ。CERNもATFのcollaborationに参加したいといっておりMoUを準備している。ATFはもともとinternationalなものであるから、DESY-KEK間でMoUをつくりたい。超伝導の人が参加してくれればうまくいくと思う。
C:峠 Pre-GLCCの役割として、全世界レベルでengineering
designを完成させることととし、さらにPre-GLCCを各国のfunding agencyと折衝する場所と考えるならば、来年テクノロジー選択がなされるまでに、Pre-GLCCをつくることに同意する国はないと思う。ただし、Pre-GLCCを将来どう立ち上げるかについての議論に日本がリーダーシップを示すことはできるだろうし、8月のILCSCにおいて、このことを主張することは意味があるだろう。テクノロジー選択の前には他の国は話にのってこないと思うが、Pre-GLCCの運用などについて議論できるし、日本のビジビリティを高めることができる。
C:駒宮 それは現実的であると思う。今は、テクノロジー選択とは独立して国際的なものをつくると言わないとまずいと考える。Pre-GLCCをてこにして、具体的にMoUを結んで見せることが大切である。
C:峠 Pre-GLCCについては、基本的なものの考え方を議論してほしい。これはテクノロジー選択のプロセスにもimpactがあるだろう。Wiseperson
committeeについては今のところ来年夏に選択をすることだけ決まっている他は何も決まっていない。やり方のフィロソフィーを議論してきてほしい。
C:駒宮 それはILCSCの進め方の問題だろう。これまでGlobalなプロジェクトはまず米欧がくっつき日本が後から入ることが多かった。LCにおいては最初から日本をvisibleにすべきである。重要な点は、テクノロジー選択によって損をして地域のコミュニティーがつぶれることを回避することが大切である。これがPre-GLCCの目的である。
Q:清水 菅原提案はどういう扱いになっているのか。
A:駒宮 ILCSCで議論しようという方向だ。
C:山本 物理のWorld-Wide
Studyに対して、韓国が政府に予算を要求するためにMoUがほしいといってきたが、法律的な根拠がなくできないということになった。Pre-GLCCがあれば法律的な根拠をもってできることになる。
Q:機構長 法律的な根拠とは何か。
A:山本 日本の政府から認識され、budgetもあるということだ。
C:?? それではいつまでもいかない。
C:駒宮 MoUはどんどん結べばいいのだ。
C:浦川 英国とのLaser
wireに関するcollaborationはMoUがなくても政府に予算が要求できるということだが。
C:機構長 韓国はMoUを必要とするようだ。
C:機構長 PhylosophyはILCSCがやればよい。Pre-GLCCはinternationalにdesignをやるところだと認識しているが。
C:機構長 Warmでないときにはどうするかについてコミュニティで議論してほしい。
C:駒宮 コミュニティで議論を始める前にまずここで議論し、次いで新旧合同HEP委で議論したい。
Q:機構長 ILCSCで日本の考えをどう説明するのか。
A:駒宮 思想を説明すればいい。
Q:機構長 具体的にはどうするのか。
A:駒宮 8月11日までに考える。
C:田内 Pre-GLCCはIETAがモデルであり、まず共通のデザインを作るなどの具体的な作業をするところだというのがPre-GLCCの共通認識であるはずだ。
C:機構長 ILCSCで共通認識をつくり、ILCSCに提案するために今日議論している。
C:生出 テクノロジーとサイトが連動して決まるとどこかが損をすることになる。テクノロジーの選択とサイトの選択は別のものにするべきである。
C:機構長 私もそう思う。いづれにしてもお金をだすところにサイトはくる。サイトはPre-GLCCは入っていない。2005年にはR&Dを行う大きな組織が必要となる。それがPre-GLCCであり、あくまでもサイエンティストの組織である。これ以外にfunding
agencyの間の組織があることになるだろう。
C:生出 そうするとどこかが一人勝ちすることになる。
C:野崎 必ずしもそうではないと思うが。
C:黒川 大規模なR&DをするのがPre-GLCCだと思うが。
Q:機構長 一人勝ちする可能性とはなにか。
A:生出 Warmでサイトが米国内ならば米国は一人勝ちである。
C:機構長 サイトが米国になるのは米国が金をだすからであり、日本がだすならば日本になる。
C:生出 Coldでサイトが米国ならば米国の一人勝ちとはいえない。一番いいのはドイツにwarmを作ることだ。
C:黒川 米国は世界最大のcoldの技術を持っている。
C:駒宮 米国が一人勝ちをするようなしくみを選んではいけない。
Q:機構長 なぜロビー活動をしないのか。
Q:山本 米国がキャスティングボートを握っているのは本当か。米国はwiseperson
committeeに従うといっているし、ドイツも従うといっている。日本はどうするのか。
C:生出 従うべきだ。
Q:山本 Warmでないと困るのか。Coldでもやるのか。
A:駒宮 Warmがいいからやっているのだ。
C:機構長 とにかくILCSCに日本の提案を持って行くことが必要なので、8月11日にもう一度議論しよう。
C:黒川 Wiseperson
committeeをopenにすることが重要だ。
Q:機構長 それはobserverを認めるということか。
A:峠 Wiseperson
committeeのprotocolはまだ良く分かっていない。
C:機構長 そのためにparameter
committeeとaccelerator subcommitteeがある。
C:駒宮 そこからのinputにより判断することになる。
C:峠 そこがはっきりしていない。例えば、R1とR2をclearしたことを誰が判断するのか。
C:機構長 Accelerator
Subcommitteeでは。
C:峠 そこがはっきりしない。
C:機構長 8月のILCSCでaccelrator
subcommitteeのchargeを議論することになっている。
C:横谷 ひところやったが中断している。Chargeが上からこないと決められない。
C:機構長 このような意見をいってほしい。Paremeter
committeeはwiseperson committeeに影響を与えることができるはずである。
C:駒宮 そうなっていない。Paremeter
committeeはaccelerator subcommitteeに渡すことになっている。
C:峠 Wiseperson
committeeに技術に関するnon-boardメンバーを入れるという考えもある。このことは米国内で議論されている。
C:機構長 同じ議論を日本でもやればいい。各国から意見をILCSC持ち寄ればいい。個人的には、wiseperson
committeeが技術が分からなければaccelrator subcommitteeに聞けばいいと思っている。
C:峠 それをILCSCで議論してほしい。
C:野崎 日本の中で議論し、各コミティーが何をするかについて意見をまとめ、ILCSCに出すようにするということか。
C:機構長 そうだ。8月11日に宜しく。
C:駒宮 タスクフォースを作ったほうがいいのでは。
C:機構長 峠氏がリーダになってやってほしい。
C:駒宮 accelerator
subcommitteeのメンバーと駒宮、峠、野崎でやる。
C:山本 Pre-GLCCがR&Dをcoordinateするところだとすると、それとaccelerator
subcommitteeの関係をどうするか議論されていない。
C:機構長 まだ決まっていない。
C:横谷 Subcommitteeで少し議論した。
C:機構長 すべてPre-GLCCでやればよい。
Q:山本 ILCSCは消えるのか。
A:機構長 国際的な調整機能として残るかもしれない。
3.その他
大森氏からRoad Map Reportの配布先について、国内は高エネルギーニュースの配布先、国外は、主要な研究所、大学、グループとしたいと提案された。この件について物理については駒宮委員、加速器については峠委員が対応することにした。