第12回リニアコライダー計画推進委員会議事要録(案)

日時:平成22年7月13日(火曜日) 13:30 〜17:30
場所:3号館1階会議室
出席者:西川、生出、山口、山内、春山、岡田、藤井(恵)、田内、横谷、赤井、小林(幸)、浦川、早野、駒宮、相原(TV)、川越、栗木(TV)、岩下、山下、高崎、神谷、山本(明)各委員、鈴木機構長
(欠席者:下村、平山、榎本、山田(道)、山本(均)各委員)
オブザーバー : 野崎教授、黒田助教、山田(作)名誉教授 他 12 名
事務局 : 池田研究協力部次長、竹島国際企画課長、山口国際企画第一係長、海老澤

議題

  1. 機構長挨拶、ICFA・FALC・ILCSC報告、Request for comment:CPDG白書:鈴木機構長
  2. GDE報告:横谷委員
  3. LC加速器全体報告:山口委員長
  4. 超伝導RF試験施設KEK-STFの開発状況:早野委員
  5. ATF/ATF2 Status:黒田茂
  6. リニアコライダー加速器レビュー委員会報告:生出委員
  7. ILCの物理と測定器:藤井委員
  8. 先端加速器科学技術推進協議会(AAA)報告:高崎委員
  9. 意見交換

配付資料

  1. 第11回リニアコライダー計画推進委員会議事要録 : doc
  2. リニアコライダー計画推進委員会委員名簿 : excel file
  3. 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構リニアコライダー計画推進委員会規程 : pdf
  4. 機構長 ;
    -1 ICFA報告 :pptx
    -2 Request for Comment :pdf
  5. LC加速器全体報告 山口 : pdf
  6. GDE報告 横谷 : pdf
  7. 超伝導RF試験施設KEK-STFの開発状況 早野 : pptx
  8. ATF/ATF2 Status 黒田 : pdf
  9. 生出 ;
    -1 LC Review Report :pdf
    -2 Report :pdf
  10. ILCの物理と測定器 藤井 : pdf

議事に先立って

山口委員長から、以下の報告があった。
私は今年度4月よりリニアコライダー計画推進室の室長を横谷さんより引き継いだ。今回の委員会は前回の2008年5月9日以来の会議である。ILCの進捗状況の詳細を皆さんと共有し、2013年度以降も含めた今後のLC計画推進について大いに意見交換を行いたい。

先ず、新任委員の紹介をしたい。素核研所長の西川さん、素核研副所長の春山さん、加速器第三系主幹の赤井さん、同じく第七系主幹の小林さん、管理局長の山田さん、そして、東大の相原さん、神戸大の川越さん、京都大の岩下さんです。前回議事要録はすでに委員の方々により承認済で配布資料に収められている。

1. 機構長挨拶

鈴木機構長(ICFA議長)より挨拶に代えて、ICFA・FALC・ILCSC報告とCPDG(ILCのためのComprehensive Project Design Guidance)白書の説明があった。

ICFA報告:ICFAは素粒子物理学に関する学校や研究会に資金を提供している。高エネルギー実験で得られたデータの保存・活用方法等を検討する研究グループがある。さらに、ビーム力学(beam dynamics)、先端加速器(Advanced & novel accelerators)、計測技術(instrumentation)、世界各地域間の接続性いわゆるインターネット(Interregional Connectivity)の4つのパネルも活動しており、ICFA会議で報告される。最近、ICUIL(The International Committee on Ultra-High Intensity Lasers)の議長である田島俊樹氏と協議し、レーザー加速を利用した将来の加速器研究についての協力を行うことになった。その最初の研究会(Joint Task Force)がGSIで今年4月8〜10日開催された。 IUPAP-C11(Commission on Particles and Fields)で、最近出席者が少ないレプトン・フォトン会議を今後どうするかの議論があった。その他、ICFA会議では世界の各研究所の活動報告がされる。 また、ICFA議長としていろいろの提案を行っている。世界各地域にある加速器施設をも含めて将来の加速器計画についてのglobal roadmapの作成やICFAガイドライン5番の見直し等である。global roadmapのための委員会(P.Oddone, 駒宮氏, EUから委員)を設けた。ガイドライン5番の主内容はホスト国の加速器運転費用負担を明言しているが、大々的に国際的な利用がされている現状にそぐわなくなっている。この見直しに対してアメリカは消極的で、日本とCERN(ヨーロッパ)は積極的で、現時点での変更はなされないが、議論を続けて行くこととなった。

Q(横谷):ガイドライン見直しの対象となるものは大加速器施設のみか。例えば、ATFは含まれるか。
A:大きいことは必ずしも前提とされない。国際的な利用の観点から判断される。
FALC報告:これまでILCコモンファンドの決定を行って来たresource groupは解散する。FALC会議では、ILCの進捗状況のほか、LHC, sLHC, JPARC/KEK/SuperKEKB, Astroparticle, Super B, CERN-EU戦略なども報告されている。ILCSCは、GDEに加速器のみを行えというmandateを与えたが、GDEからGovernanceのことも報告されている。FALCは各国の政府関係者が参加している情報交換の場のはずであるが、FALCからお墨付きを得ようとする動きが目立って来ている。例えば、GDEはILC R&D費用をFALCに求め、CERNは自身のglobalizationへの『承認』を得ようとしている。これらの動きに対して私は反対している、つまり、FALCは情報交換の場であり決定機関ではない。近頃、Barryに代わりM.HarrisonがGDE代表として参加している。 また、global projectsへの参加の仕方についての議論がなされた。アメリカリニアコライダー運営グループ(LCSGA)はアメリカがホストとならないときのILCへの参加に対しての戦略・政策の報告書を説明した。CERN Council議長のM.Spiroは世界各地域でのバランス、かつてOECDで議論されたバスケット方式、の必要性を唱えている。US-DOEのAssociate Director of Science for High Energy PhysicsのD.KovarはIndermediate scale projectsに限って議論しているが、ICFAガイドライン5番をglobal projectsまで含めて擁護している。これらに対して、私と野崎さん(FALC委員)は反対し、地域性の重視、すなわち、ホスト国や周辺地域の意思決定の重視を強調した。

ILCSC報告:ILCSC会議では、PAC(Project Advisory Committee)、GDE、RD(Research Director)、WWSから、ILCの進捗状況に報告がある。また、世界の三つの地域からのものもある。ILCとCLICとの協力、測定器R&Dへの支援要請などが議論された。Barryは2012年以降も加速器R&Dを続けることを言い出しているが、このことはILCSCが言うべきことである。Governanceとサイト選びについても議論を行っている。Siting working groupをILCSCの中で結成した。メンバーはP.Oddone (FNAL)、J.Minch (DESY)と鈴木機構長(KEK)である。

CPDG(Comprehensive Project Design Guidance of ILC)白書:ILCの政府への提案、建設、運転までの道筋を示す包括的な白書の原案を作成している。これはこれまでに三つの地域そしてOECD GSF Consultativeグループでなされた検討結果をコヒーレントに更新したものである。この原案はworkパッケージ化され、その作成は日本のダークグループ(佐貫, 峠, 佐伯, 大森, 藤井, 藤本, 山下, 川越, 高橋の各氏)によってなされた。 その骨子は、ILC運営には公開性と長期安定性が必要で、中央権限と自治権(authority and autonomy)のバランスのとれた組織の提案、プレILC研究所からの段階的な進化する組織の提案である。白書では、CERN、XFEL、ITERをモデルとするものに対して、多国籍研究所による新たな組織を提案している。サイト選びの方法についても提案している。オリンピックの場合がよい手本となる。2013年にサイトの候補地を選ぶこととしている。この原案は次回のILCSC(7月24日)に提案される。この白書は2010年中に中間報告書として公表され、2012年のTDRとともに完成する。

皆さんに、 2012以後のILC activity (STF, ATF )のプロポーザルの作成を宿題としてお願いしたい。例えば、DR + LINAC + final focus + experiments のようなILCの要素がすべて含まれているもの。

C (鈴木) : 民主党政権の下では毎年8%の予算削減があることなど、きびしい予算状況が当分続く。
Q (横谷) : 宿題とされたプロポーザルは8%減の予算枠内でのことか。
A : 違う。追加予算による。
Q (横谷) : その予算規模はどれくらいか。
A : 何でもよい。先ず、何をやりたいかを提案すべき。
Q (山本明) : ILCへの道筋と続くものであるべきか。
A : そうだ。LHCの結果何も期待できないときでも先をどうするかを考えることも必要だ。

2. GDE報告

横谷委員(GDE Asian regional director)から、以下の報告があった。
ILC全体の組織を簡単に紹介する。GDEの上にILCSCとFALCがある。2つのレビュー委員会がある。PAC (Project Advisory Committee) はILCSCの下にあり、AAP (Accelerator Advisory Panel) はGDEの下にある。GDEのmanagementはDirector's officeとExecutive Committee (EC)によって行われている。ECのメンバーはGDE director, 三人のregional directors, 三人のproject managers (PMs), 四人のexperts ( accelerator, cost, CERN link, Detector link )である。Director's officeメンバーはdirectorとPMsである。三人のPMの山本明、M.Ross、N.Walkerのそれぞれの下に、主リニアック技術、Global systems (土木など)、加速器システム部門があり、その下にワーキンググループが組織されている。(詳細は配布資料参照のこと)

GDEのタイムラインには、2012年末のTDR完成を目指して、2010年までのTDP1(Technical Design Phase 1)とそれ以後のTDP2の2つの期間が設定されている。TDP1ではRDRデザインの見直し、いわゆるre-baselineを行い、TDP2でそのデザインに基づくR&Dを行いTDRを完成させる。このre-baselineでのキーワードはcost containmentで、TDRでRDRコストを上回らないようにこれから期待されるコスト増大に対処できるデザインにすることである。

そのre-baselineとして昨年末にSB2009変更案がまとめられた。RDRからの主な変更点は、(1) 単一トンネル ;これに伴いRFシステムとしてKCS (Klystron Cluster Scheme)とDRFS (Distributed RF Scheme)がSLACとKEKとより提案、(2) バンチ数半減; 2600から1300、(3) DR周長半分; 6kmから3km、(3) 単段bunch compressor、(4) 陽電子生成用のundulatorのLINAC末尾に設置、(5) tighter focusing ( traveling focusを含む)、(6) 施設中央部分の再配置である。これによるコスト削減の概算値は約13%である。

SB2009では、バンチ数半減によるルミノシティー回復の手段として上の(5)が提案されているが、それはgeometric emittanceが大きい低エネルギーの重心系エネルギー250GeVでは機能しなく、さらに(4)のため陽電子数が下がるためルミノシティーがさらに下がってしまう。このことが物理・測定器グループの最大懸念事項となっていた。

このような状況の中、2010年1月6-8日、オックスフォードでAAPによるレビューが行われた。 その主な答申は以下のようであった、SB2009の変更案は個々に検討・評価されるべきものであり、それらを採用するのはR&Dが必要である。また、低エネルギーでのルミノシティー損失はLCスコープと一致しない。コスト削減の中には運転経費も考慮すべきであり、設計変更は厳格に行うべきである。このようにSB2009に対して厳しいものであった。

2010年3月26-30日北京で行われたLCWS2010で低エネルギーでのルミノシティー回復案がA.Seryiより示され、それ以後、その可能性を検討している。回復案の骨子は、(1)繰り返し周波数の5Hzを上げること;DRでのダンピング時間を1/2にすること, LINACでのクライストロン効率が低出力で下がるため8Hzが上限かもしれない、(2) tight focus ; 最終収束電磁石QD0を二分割して低エネルギーでは衝突点側の1/2部分のみ使用により焦点距離を短くしbackgroundを制御し強いfocusを実現するものである。

2010年5月14-15日バレンシア大学で行われたPACではこの回復案が肯定的に評価された。PACはGDEのcost containmentを強く支持した。また、将来、バンチ数が倍増可能なデザインであること、DRではelectron cloudの研究結果を見極めること、物理・測定グループとのcommunicationを計るべきことも答申された。

GDEでは、AAP, PACのレビューを受け、2011年初頭のre-baseline完成に向けて活動している。基本的な変更案はTLCC (Top Level Change Control)過程で決定を行う。その対象となるのは、(1) 加速勾配、(2) 単一トンネル、そして、(3) バンチ数半減、(4) 陽電子源用のundulator設置位置の四つである。これらを詳細に検討するため、2回のBaseline Assessment workshops (BAW)を開催する。これらのBAWはPMが議長となり、ADIチーム(含TAGリーダー)、物理・測定器グループからの代表者(J.Brau,M.Thomson,T.Makiewicz,K.Buessser,K.Fujii)、外部専門家が加わる。第一回BAWは上の(1)と(2)を対象に9月7-10日KEKで行われ、第二回BAWは2011年1月17 -20日SLACで(3)と(4)を対象に開催される。これらBAWに向けて、ADI meetingが物理・測定器グループを交えてwebexを用いて行われる(6/23, 7/23,... )。

他のGDE活動として、CLICとの協力、Governance、Project Implementation Plan, TDR後の計画案の検討などがある。

Q (山田作衛):低エネルギー領域を含めたパラメータはいつわかるのか。
A : GDEの中では議論されている。だれがいつ出すかが問題である。
A (田内): 7月23日のADI meetingでrunning scenarioとともにParameter setsが報告される。

3. LC加速器全体報告

山口委員長から、以下の報告があった。
体制、2008-2009年度活動のまとめ、2010-2012年の活動計画、CFS (Conventional Facility and Site) 活動、そして、予算、マンパワー,課題について報告する。

LC加速器体制は、STFとATFの2つの試験開発施設、量子ビームグループが中心となっている。それに加えて今年度からCFSグループ(榎本)が主に日本サイトの検討のために結成された。STFのリーダーは早野、その下に空洞(加古)、RF(福田、 道園)、クライオスタット(土屋)、冷凍機(仲井)グループがある。ATFのリーダーは照沼で、ATF2は田内である。量子ビームは浦川がリーダーである。KEK内の総FTEは47で、10%以上のFETをもつ総人数は91である。LC推進室長はKEK内予算管理を行う内政を担当し、GDE-regional director, PMは三極間調整を行う外交を担当していると考えている。ERLグループと協力関係にあり、空洞、RF開発等で設備の共有、共通の課題やシステム(RF)での共同取り組みが行われている。

2008-2009年度活動:STF(超伝導加速技術)ではベースライン空洞として9台の空洞の製作が行われた。国際協力のS1-Global、量子ビームの建設、Phase-2の準備が行われた。電解研磨、内面検査などを精査する表面研究グループを立ち上げた。LL空洞グループは高勾配を目指した。また、空洞製造設備いわゆるパイロットプラントの整備を始めた。 ATF/ATF2(ビーム制御技術)の国際協力では、2,000人・日/年の実績を示した。ATF2ビームラインが2008年12月に完成しその試運転が始まった。また、新竹モニター(IP-BSM)などの装置開発、ILCのような多バンチテストを可能にするファーストキッカーの開発研究も行われた。

2010-2012年の活動計画:STFでは、S1-globalの2010年中の完了、量子ビームは小型X線源ビーム運転開始、Phase-2として少なくとの1台のモジュールでのビーム運転、S0として高勾配化と低価格化、空洞製造設備で工業化を目指す。ATFでは、DRの垂直エミッタンスの1pmの実現、ATF2ビームラインで37nmビームサイズ達成、そいて、その焦点位置の2nmの位置安定性の達成を目指す。

STF:2009年4月に2014年度までの計画を立てたが(STF Phase-1 Activity Report)、その見直しを以下のように行った。S1-globalと量子ビームは予定通り行い、それぞれ、2010年末、2012年夏までに完了する。Phase-2は2012年度末、すなわち、2013年3月末までに建設を終了する。SB2009でのシングルトンネルとDRFS提案により見直しを行い、DRFSのR&Dに専念することとした。その場合、モジュールは1台のみでよく、2 - 3台目の製作は白紙である。これらモジュール製作に変わり、空洞製造設備を建設することとなった。

(平均) 加速勾配はPhase-1で22.7MV/m、S1-globalでは30.7MV/mが達成されている。ERL用の2セル空洞が2台製作されSTF施設で43, 41MV/mが達成されている。LL空洞では単体でのR&Dを行い、コストダウンを目指してNbの巨大結晶をスライスし化学研磨のみでの製作を行っている。単空洞では43MV/mを達成し、9セル空洞を開発中である。また、電子ビーム溶接(EBW) を使用しないシームレス空洞のR&Dも行っている。銅で実現したが、ニオブでは一度バーストしてしまった。次には60cm長のニオブチューブで空洞を2010年度中に製作する。

空洞製造設備(14m x 19m)は加工工程の最適化(コストパフォーマンス)と量産技術の確立を目指して、旧PSエネルギーセンターに建設中である。主な装置はプレス機、EBW(2011.3設置)そして縦型旋盤である。今年度中に1台空洞(HOMなし9セル)を製作する。空洞製作のコストダウンの対策を検討している。現状では、ヨーロッパに比べて製造で5.3倍、カプラーで1.4倍、材料で1.1倍、そして、合計で3.4倍の開きがある。高圧ガス申請の設備を『特定』から『一般』にしたことにより、3.0倍になった。また、仕様で工程の効率改善(無駄な工程を省くことなど)、複数企業による競争原理の導入等によりコストダウンを実現したい。

ATF/ATF2:ビームパラメータの現状(設計値)は、水平、垂直エミッタンスが1.7nm (2nm) ,10pm (12pm)で、焦点での水平、垂直ビームサイズが10um (3um) , 300nm (35nm)である。開発されている主な装置は、ファーストキッカー(30バンチ取り出し)、IP-BSM(新竹モニター)、FONT(バンチ単位の高速フィードバック)などである。2015年までの長期プランが示されているが。2013年度以降のスケジュールは未定である。

CFS:これまで、日本版山岳地帯シングルトンネル案の検討は先端加速器科学技術推進協議会 (AAA) 技術部会 施設WGが行っており、2010年3月にその概念設計が成果報告書としてまとめられた。その詳細設計をともに行うために、今年4月にKEK CFSグループが結成された。また、同時に東北大と協力して基礎設計も始めた。6月には、国際的なレビューがGDE-CFSグループにより行われ、『実現可能』との評価を受けた。もし、実現すれば、日本の土木業界では青函トンネル建設以来の大仕事であるとのことである。

C (機構長): 基礎設計は佐賀大とも協力して行っている。
予算,マンパワー:2005年以来の予算実績(単位:億円)がATF, 空洞、STF, RF, 冷凍機/クライオスタット, その他、合計の関数として示された。2010年から2012年まではそれらの予定が示された。2009年度は補正予算で倍増しているが、その中にはEP設備と多ビームクライストロン製作(MBK)が含まれる。2009年11月に行った加速器研究施設の人的資源調査結果(FTE)が示された。それによると、必要数の41.9に対して現在は26.9で退職者により今後減っていく。これらの不足は業務委託、共同研究員(2011年4月から空洞関係の1-3名)、大学や研究機関からの人材に期待している。

課題:大きく分けると以下の2つがある。(1)要素技術の確立とシステム実証のバランス、そして、(2)2013年度以降の計画の立案である。STFとATFの計画はこれからの議論が待たれる。実用機を目指してこそのR&Dということで、KEK版Project Xが必要である。 例えば、全長900mの電子ビームエネルギー24GeVのLINACからのXFEL、そして、全長400 (800) mの陽子ビームエネルギー5GeV, 強度10MWの大強度超伝導陽子リニアック、あるいは、STF2 (3クライオモジュールからの850MeV電子を用いる)でのFEL (VUV) 実験である。

Q (山本明):Phase 2で、モジュールを2台以上の製作の場合、複数の業者を育てることも含めて議論してほしい
A : 依存無し , 2013年度以降にそれらを進めるかも議論したい。
C (山本明):2013年度以降、KEKで作成したものをビームでテストすることも必要だ。
A :それだけでは(2013年度以降の予定として)弱い。
Q (生出) : proton LINACはJPARCとかぶる、また、XFELはERLとも。 
A : 10MW-陽子LINACを強調したい。
Q (山下) : 予算プロファイル中、測定器予算がひじょうに少ない。これまで加速器R&Dが主だったが、TDRに向けて増やすことが必要である。科研費獲得は難しい状況である。
A : バランスが必要である。
C (藤井):今年度のKEKからの測定器予算は昨年度の約1/2である。
C (駒宮):測定器R&Dは(DBD - TDR完成のために)重要である。DBD=Detailed Baseline Design。
Q (横谷) : -8%/年の予算カットはどういうものか。
A (機構長) : 民主党が政権を続ける限り -8% cut/年が予定されている。先端 (10億円) もそれに含まれる。
C (?) : 人件費を減らすこともあり得る。

4. 超伝導RF試験施設KEK-STFの開発状況

早野委員から、以下の報告があった。
山口委員長がかなり詳しく説明されているのでそれからの差分を報告する。S1-globalでは8台の空洞を試験する。それらはFNALとDESYからそれぞれ2台、残りはKEKで2つのタイプである。このような国際協力により31.5MV/mの平均勾配の実現、それを通じてILCでの"Plug-compatibility"の実現可能性を示すことを目的としている。また、4つのタイプのチューナー、2つのタイプの入力カップラーの比較試験、そして、DRFSドライブシステム(2台のクライストロン使用)の始めての実証試験も行われる。すでにこれら8台の空洞の組み込みは終わっており、10月から12月に運転の予定である。

Phase-2で、 ILC加速ユニット(DRFS)の建設担当能力実証と性能実証を行う。ILC型クライオモジュールを製作・運転し、ILC型ビームを空洞に通し、ビーム負荷空洞を高精度制御し、HOMダンピングを確認する。また、SC-QUADの製作・運転とML-BPMの組み込み・運転も行う。 空洞はCapture moduleの2台(15.2MV/m)、クライオモジュールCM1の8台 (31.5MV/m)、CM2の8台 (31.5MV/m)である。電子ビームは9mA, 5Hzで運転され、Capture moduleの出口で21MeV、CM1とCM2のそれぞれの出口で273MeVと525MeVに加速される。RFガンはFNALから供給される。先ず,4空洞を地上部で組み上げ、地下で8台をクライオモジュールに挿入する。この作業に33mのスペースが必要である。

Q (田内):山口委員長の報告ではCM一台となっているが?
A : 第2CMはオプションである。追加予算獲得による。
Q (?) : 空洞の組み込みの他の方法はどうか。
A : 地上で8台組み込む方式ではトンネルへの専用の搬入口が必要になる。このためのコストは1.5億円で、上の方法は1,000万円くらいである。
第2EPシステムではKEKB用 大きな空洞の処理も行われている。また、automated pre-tuning machineは成田に到着している。FNALよりKEKへの寄贈の手続を行っている。日立と東芝が新たに空洞製作を始めた。日立は最初の一台でひじょうに良い結果を出した。IHEP製の空洞(LLタイプ, 大粒ニオブ結晶使用)は 20MV/mを達成した。
C (山本明): 日立、東芝の空洞製作には、KEKメンバーの協力が大であった。

5. ATF/ATF2 Status

黒田茂さんから、以下の報告があった。
ダンピングリング (DR) のエミッタンス、ファーストキッカー、ATF2ビームチューニングの進捗状況を報告する。DR-垂直エミッタンスは10年ほど前に5pmを達成されてから、これを要求するR&Dがなく特別なエミッタンスのための研究はなかった。2007-2008年では20pm程度であった。ATF2ビームチューニング、そして、DRでのマルチバンチビームのファーストイオン不安定性の研究に低エミッタンスビームが必要となった。そのため、DRの電磁石の再アライメント、光学の設計値にもどること、BBA (Beam Based Alignment) 、DR軌道補正、Beta-beat補正 、BPMやビームサイズモニターの改善などにより、2009年には10pmに回復することができた。

DRエミッタンスはビームサイズとそこでのベータ関数それぞれの測定値より求められる。DRには以下の三つのモニターシステムが設置されている。シンクロトロン輻射(SR)の可視光のダブルスリット通過光による干渉(モニターは5msecで, 5-6umまでのビームサイズを測定する。X線領域(3.23KeV)のSR光イメージ(ビームサイズの大きさの光源)をcondenser zone plate (CZP, 1/10倍)とMicro zone plate (MZP, 200倍)で拡大して20倍のビームサイズをCCDでモニターする。これは20msecの露光で5 - 6umの分解能をもつ。三つ目は1um程度と一番分解能が高いレーザーワイヤー (LW) で光学空洞内に励起される共鳴モードが利用される。分解能の高い高次モードではレーザー強度が1/3となってしまうので、使用するレーザーの強度増強が準備されている。最近、SR可視光干渉モニターは光路の再アライメント、スリット間距離を4から6cmとして分解能を4umに向上させた。また、X-SRモニターは送風機を防振して4umに向上させた。LWモニターはDRのストレージモードだけではなく通常の取り出しモードでも測定可能となった。

三つのモニターの間で系統的な測定値の違いがみられるが、2009年12月から2010年に入ってから、DRでは10pm以下の垂直エミッタンスが得られるようになった。また、取り出しラインでも同等のエミッタンスが5月のATF2連続ラン中に測定された。今後、三つのモニター間での系統的な違いの研究も続けられる。

2pm ( 1pm)の実現に向けてDR-BPMエレクトロニクスの更新がFNALグループによって6月に行われた。これを使用したビームチューニングはまだ行われていない。このエミッタンスはLWの高次モードで十分測定できる値である。例えば、2pmとβ関数値=5mとするとビームサイズは3.2umとなる。

ファーストキッカーシステムの性能評価が行われた。単バンチビームの取り出し角度のジッターは3.5 10-4, 7.4 10-4と測定され、現状のダブルキッカーシステムと同じ大きさであった。この取り出しビームを用いてATF2ビームチューニングが行われ、ポストIPカーボンワイヤーで、その測定限界値の1.4umのビームサイズが測定された。30バンチの取り出しも成功した。しかし、使用しているFIDパルサーの出力パルスに系統的な時間変動があることが分かった。この補正を行う回路システムを用意して今秋に試験を行う。ここで、DRでの多バンチビーム運転の安定性が重要となる。

ATF2はILCと同じ局所色収差補正による最終収束システムの試験ビームラインである。特に、光学システム中の電磁石等の配置が同じであるため、開発されるビームチューニング方法をそのままILCでも適応することができる。5月17日から21日の一週間、初めての連続ランが行われた。DRチューニング後、バックグランド制御のための取り出しライン軌道調整、五つのワイヤースキャナーシステムによるビーム診断、分散やカプリング補正、そして、五つの6極電磁石の位置調整からなるマルチノブによるビームサイズ縮小化が行われた。DRでの垂直エミッタンスは10pmで、取り出しラインでは11.7pmであった。光学システムは焦点での水平、垂直両方のベータ関数は設計値の10倍であった。新竹モニターによる測定での最小値は313±31(統計)-40(系統)nmであった。 ここで、エミッタンスを10pmとしたときの期待値は100nmである。(上の測定時のエミッタンスの大きさは20pmなら、期待値は140nmとなる。)

今秋からビーム光学を設計値にするが、先ず、バックグランドの調査・測定、制御が必要である。期待値に到達できなかった原因として、チューニング時間不足との他に、ビームサイズ最小化のためにQF1のrotation(ビーム軸の回りの回転)が大きくなってしまったことがある。QF1の幾何サイズと磁場のチェックを今夏に行う予定である。また、マルチノブによるビーム調整中にIP-BSMのシグナルを見失うことがあった。これが電子ビームの位置変動のためか、レーザービームの変動のためなのかを区別するために、IPBPMをIP-chamber内に設置することを検討している。また、レーザー位置の安定化のためのシステムも追加する予定である。

その他、ATF2ビームチューニングと平行して、ILC主リニアック用のBPM、ファーストイオン不安定性、陽電子生成のための光学空洞システム、FONT、取り出しラインで1umのビームサイズ分解能を目指すLW、それぞれ2nmや30nradの位置や角度分解能を目指すIPBPMやTiltモニターのR&Dが行われている。ファーストキッカーシステムの他、これらの中でいくつかのR&Dでマルチバンチビームの安定性を必要としているため、今秋、先ず、この安定性の研究を行う予定である。

最後にスケジュール表を示すが、これは山口委員長が示したものと同じである。

C (高崎) : Philip Bambade (LAL, KEKに長期滞在中)から聞いているが、ATF2ではすでに 8名のPhDが育っているとのことである。日本からのPhDの取得が気になるが、このPhD取得等、若手研究者の育成は ひじょうに大事な要素で、ATF/ATF2は国際的な教育施設として重要な役割を果たしている。
A (駒宮) : 東大もPhDを一人取得している。また、現在、PhDを目指す大学院生を含む学生が参加している。
A (山口,田内) : 東北大からのPhDを目指す大学院生が参加している。アジアからは韓国のKNUから大学院生(PhDを含む)が参加している。

6. リニアコライダー加速器レビュー委員会報告

生出委員から、以下の報告があった。
先ず、これまでのレビュー委員会はここ(http://kds.kek.jp/categoryDisplay.py?categId=335)にあるように、2006年1月よりあまりにも長くレビューが行われていなかった。

2009年7月22日と2010年2月12日に第4回と第5回のリニアコライダー加速器レビュー委員会が開催された。第4回はSTFを始めとする超伝導加速空洞システムが対象であり、第5回はATF/ATF2とSTFの高周波(高周波発生源High Level RF: HLRFと高周波制御Low Level RF: LLRF) であった。これら2つは相補的な関係にある。以下に、これら2回のレビュー委員会の評価・勧告を簡潔に述べる。詳しくはすでに発表されているそれぞれのレポートを参照してほしい。

STF:GDEの目的に重みを付け過ぎ、すなわち、スケジュールを無理に合わせている。ILCはもっと長期的に考えるべきで、STFは自身のR&Dの経験を十分に受け継いで行うようにすべきである。パイロットプラントは実証用として使うべきである。総評として、コストダウンの目標としては現状の1/5に迫るブレークスルーが必要である。KEKでパイロットプラントを作ることはよいことで、そこから製作される空洞をSTF Phase 2で組み込んで試験をすべきである。

ATF/ATF2:これらの研究施設はあらゆるLCに適応できるものである。もちろん、ERLやSuper Bにでも可能である。2012年度までの目標として、DRでの1pmとATF2での37nmと2nm安定性は、たとえ、それらが達成されなくとも妥当である。ただし、その理由が十分理解されることが重要である。2013年度以降は別途、提案などに基づきレビューを行い決める。すでに、他の放射光リング等でpmオーダーのエミッタンスは達成されている。そのため、ビーム診断などの先端計測技術のR&Dを目指すべきである。

HLRFとLLRF : DRFS中心にR&Dを行うことは妥当である。これらは立地条件やコストダウンに役立つ可能性が大である。特に、LLRLはJPARC, FLAF, S1-Globalで、すでにOKである。ビーム試験はresourceを十分に考慮して行うべきである。また、複数の系にまたがった人を正しく評価すべきである。

7. ILC の物理と測定器

藤井委員から、以下の報告があった。
ILC実験の基本理念はすべての反応をファイマン図のように再構成すること、すなわち基本粒子間の反応を見ることである。そのため、高性能な検出器、そしてPFA (Particle Flow Algorithm)解析の開発が必要である。これにしたがって、測定器開発が行われている。

2008年以降、アジア主体のGLDとヨーロッパ主体のLDCがまとまりILDコンセプトグループとなった。RD (Research Director)によりLoI(Letter Of Intent )提出の呼びかけに対して、ILD、SiDと4thのグループがLoIを提出した(2009.3.31期限)。ここで、"4th"はGLD, LDC, SiDに続く4番目に提案された測定器コンセプトグループ(アメリカを中心とする)のことである。これらのLoIはIDAG ( International Detector Advisory Group) により審議され、ILDとSiDがその査定に合格した。LoIとして提出されたILD測定器案には32ヶ国 148の研究機関から695名が署名している。

GDE TDP1には、 測定器の最適化がさらに行われ、ILDでは、VTX, TPC, CALなどPFA性能達成のためのR&Dsが行われている。最適化のためのフルシミュレーションのデータは70TBとなり、W / Zの分離などが達成されている。 MPGD - readoutのTPCの目指す運動量分解能はこれまでのものの1/10である。KEK(東京農工大、佐賀大、近畿大、工学院大との共同研究)では、小型プロトタイプ試験を2005年から行い、2008年からは大型プロトタイプ試験を始めている。すでに、DESYで2回のビーム試験を行っている。TPC PADシグナルのフロントエンドエレクトロニクスのS-ALTROシステムのR&Dの一貫として、advanced endplateの開発が行われ、power pulsingでの電源の安定性や1KW/plateの冷却試験等が行われている。バーテックス検出器の位置分解能もこれまでの1/10を目指している。KEK(東北大の共同研究)では、fine pixel CCDを開発しており、ピクセルサイズを11umから6umにさらに小さくし、また、ASIC readout チップや軽量サポートの開発も行っている。カロリメータは大学中心にR&Dが行われている。1cm x 1cmのセルサイズのシンチレータストリップでの実現、MPPCの開発研究が行われている。CALICEグループにも参加し、さらに、5mm幅のストリップ開発も2012年までに行う予定である。

ILDコンセプトグループは2012年のDBD完成を目標としている。それまでに、LHCの結果として7TeV, 1/fb のデータからLight SUSYのシグナル発見が期待される。LHCでは、2013年から14TeV, 10/fb/年の結果が期待されている。こうした中で、2014年までに建設可能な設計を行う必要があると思う。

先週 (7/6-8)、ILD meetingがDESYであり、DBDに向けての計画の詰めを行った。

Q (?) : 日本サイトのためのCFS study の状況はどうか。
A (杉本):ILDではこれまで大口径の垂直シャフトを利用したCMSスタイルの測定器組み立て案が検討されて来た。日本サイトではアクセストンネルから測定器を組立てることも必要になる。そのR&Dを始めた。
Q (?) : EU fund?
A : これまでのEUDETを引き継ぐものとして、2011年2月からAIDAが承認された。 ただし、これにはILC以外の測定器も含まれる。つまり、LHCやCLICも含まれる。
Q (?) : その予算規模はどうか。
A : EUDETに比べて少し減った。

8. 先端加速器科学技術推進協議会 (AAA) 報告

高崎委員から、以下の報告があった。
AAA はLC及び関連する加速器技術を推進するものとして設立された。 会長は三菱重工会長がなり、KEK機構長、東芝、日立、三菱電機、京セラなどが理事会を作っている。 最近、政界地図が変わったが、AAAは活発に活動し、75-76会社参加している。AAA主催のシンポジウム開催している。また、4月に総会を開催した。事務局は、有馬事務局長(三菱重工)の他、高崎(副事務局長)、石川(KEK)、山下(東大)からなっている。事務局会議も行われている。技術部会、知財部会、広報部会、大型プロジェクト研究部会の四つの部会があるが、技術部会が中心となっている。

技術部会の部会長を山本明さんにこれまで三年間やって頂いた。山本さんはPMでもあり、たいへん忙しい中がんばって頂いた。最近、総会での議論、ある参加会社の脱会意向の引き止めなどいろいろのことがあった。もっと、ILC以外の応用も検討すべしとも意見もある。技術部会長は1年交代で行うのがよいという意見もあり、山本さんに交代して頂くことになった。まだ、山本さんからは納得を頂いていないと思うが、KEK先端加速器推進部で後任を探している状況である。

C(山本明): 元々、1年とのこと、ILを実現するために努力してきた。やっと、軌道にのってきた。できるだけのサイクルが一巡した。いろんな企業の方がセミナーに積極的に参加されるようになってきた。できるだけ応用も紹介して来た。working groupも立ち上げ、施設、超伝導WGがactiveであった。施設関連の会社も手弁当で参加された。SC技術、企業の戦術、KEKでのパイロットプラントの実現が見えて来た。感謝している。よりいっそう、ILCは民間でも応用を見いだす必要がある。 新しい応用を見つけ出す必要が有る。企業内での価値を見つけることが必要である。 先週、高崎さんより(交代のことを)言われた。 早野さん、吉岡さんらと十分,相談できなかったことを申し訳ないと思っている。  これからは、GDE-PMに専念したい。

9. 意見交換

高崎 : STFやATFの加速器試験設備に応用も取り入れたり、企業からの利用も受け入れたらどうか。
山口:試験施設だけでは不十分で、実用機を目指す必要がある。
横谷:6/30 - 7/2開催されたATF2プロジェクト会議で、ATF の将来をどうするかのinternational workshopを開くことを決めた。
山口:ワーキングチームを作り、考える必要が有る
山下: LC review committee は、もう少し、永続的にやったらどうか、半年に1回くらいの割合で。
高崎:reviewばかりでも問題ではないか。
山本明:GDEによるものを含めるとかなりのreviewが行われている。reviewのためには結果が必要。現場は忙しい。発表のために余分な労力がかからないようにしなければならない。
山下:外部の人にもっと見てもらえばよい。
生出:外部からは自由に参加すればよい。 STF, ATF に見に来ればよい。
山本明:S1-globalでは、現場レベルで国際協力している。
山口 : 宿題として、2013以降のプランを各自考えること。
藤井:これまでの測定器R&Dの予算は学術創成が中心であったが、今年度で終了する。引き続き外部資金獲得の努力中であるが、来年からくるしい。
駒宮:応用のためにすると軒を貸して母屋を取られることもある。実機をやりながらILCもやるようにすべしである。
横谷 : 量子ビームが1つの例としてある。
藤井:LHCの結果ですぐにILCが必要であるとの可能性もある。
駒宮:値段が問題。もっと大幅に下げる必要がある。
藤井:エネルギーも含めて考えることが必要である。プロトタイプ試験施設も実機の中で使用するものとしたほうがよい。
山口:Euro-XFELは技術的に最もILCに近い。
岡田:2013 -14年でLHCの結果で何がわかるかもしれない。そのとき 2015年で決断が迫られる。ILCがreadyであることが基本である。
山本明:2012年にここまでならできるという状況にもっていくことを共有したい
山口:空洞も値上がりしている. S2優先でS0の優先度が下がるのはまずい
山本明:それはバランスの問題である。
山口:例えば、20MV/mは作れるが1兆円になる。
山本明:健全な競争でコストダウンをしなけばならない。基礎開発も必要だがバランスが重要である。
藤井:EUとのコストの差は何か。
山口:大企業は管理費が大きい。
山本明:大企業でもコストダウンはある。パイロットプランでKEKが示す必要がある。
生出 : 明日、Frankのtalk 1:30pm, 小林ホール LHC-upgrade, 2030
山下:DRFSシステムのコストはどれくらいか。
山口:KCSと同程度である。
横谷:それはDRFSとそれに伴うものをすべて含めてのことである。
設楽:DRFSはRFシステムとしては3割高い、他のものも含めば同程度になる。 まだ、大量生産によるコストダウンは入っていない。
川越:委員会の主旨がわからない。
山口:2013以降どうするのかを議論したい。
横谷:その議論は棚上げになっている。
川越:具体的に議論すべきと思う。
山本明 : 機構長のroadmapにILCがどうかをチェックする必要がある。
藤井:実現するのに必要なことを考え実行して行く。funding agencyへのactionに必要な条件をいかに整えて行くかを議論すべきである。
栗木:ILCが進まない中で、学生の教育をどのようにしていくかが重要。ATF, STFへの参加は重要である。 2013以降のスケジュールを議論しよう。
田内:機構長提案のCPDGの内容についての議論が必要。
駒宮:CPDGがILCSCでそのまま受け入れられるかわからない。とにかく、コストダウンが必要、LHCの結果を踏まえて予想してLCスコープも議論すべきである。
岩下:大学のマンパワーの活用とは何か。
山口:学生を期待している。
岩下:実際には加速器関係の講座を持っている大学が少ない。(補足:当方は数少ない加速器をやっている研究室であるが、理学部から離れている宇治キャンパスにある「化学研究所」という性格上からか、残念ながらなかなか学生(院生)が取りにくい。こういう個別の事情もさることながら、サマーチャレンジなどの活用で、学生層の掘り起こしを期待する。出前講義、実験?)
高崎:工学部から見るとKEKは宝の山だと言われている。我々の視野を広げる必要がある。工学部への窓を広げる必要がある。
山下:JPARCへの東大工学部研究室参加 , 産総研 、防災研なども協力的である。
山口:半年後に次回のLC推進委員会を開きたい。