宮本さんからのレポートにもあったように、SLACで1/7/04にLC検出器 R&D日米申請に関する会合がありました。それに至る簡単な経緯と 会合のメモをお伝えします。

LCの目玉モードの e+e- -> ZH を計るためには、LHCの約10倍の運動量 分解能が要求されることをはじめとして、LC検出器にはこれまでの限度を 遥かにこえる性能が各所で要求され、そのための研究開発はLCの建設 が始まってからでは遅いというはっきりとした認識のもとに、どこに資金を 求めるかと言う議論がなされてきました。

LC検出器研究開発を日米に申請することは、昨年8月19日にKEKで行われた 測定器検討会で真剣な議論が公式に始まり、TPCに関しては昨年10月17日 にLBLで開かれたTPCシンポジウムで日米双方の関係者が頭を突き合わせた 交渉を始めた。Vertexing と Calorimeter もTPCと平行して米側と交渉が 進められた。内容は11月28日の測定器検討会でさらにつめられ、12月22日 の日本側の会議で米側に見せる申請のドラフトがおおむね決定された。米側 の代表者は、Vertexing/Jim Brau, TPC/Mike Ronan, Calorimeter/Jose Repond と決められ、それら代表者を含む米側7-8人と日本から杉本、竹下、 藤井Y、松田、山本、そしてTVでKEKから宮本が、1/7/04のSLACでの 会合で最終的に仕事分担を含め申請書に合意した。その会合の記録は 松田氏が書いて下さったものがあるので、下に私のコメント(>で示す)を 加えて添えます。

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皆様

昨晩の日米についての日米の会合については、何方かが公式記録を作っておく必 要があるかと思います(山本さん?)。 基本的には日本語申請書案(改定しま したがまだ少し長すぎるかと思います。配布していません)の英訳(会議が1日 早くなったので大慌てで、昨日朝と会議の合間にやったのでとにかく訳しただけ です)について説明して、いくつかの点で議論をしました。

一つはCCD v.s. CMOSとTRPの決定との関係です。 Coldになっても早い読み出 しのdepleted CCDで行くのか、CMOSか、です。この点では両方を考えるが結論 だったと思いますが、Brau氏に英文案の代案を書いてもらうことになったと理解 しています。 

 > Technologyの決定後は、WarmならCCDを,ColdならCCDとCMOSの両方
 > を推進する。Coldの場合、CCDにせよCMOSにせよ、今のところ解決策が
 > ない事が理由。
他の一つはD-HCALのハード開発の基本的立場です。 この点では基本的には1立 方mのD-HCALのプロトタイプによるデータがE-Flowシミュレーッションにも重要 であるが、1−3億(エレクトロニクスも重要)かかる。 この努力と今回の日
 > 一つのオプション当たり0.5-1.0億Y(RPC, GEM, Scintillator のオプション
 > がある、) 日米ではRPCを推進するが、それはGEMとScintillatorは別個に
 > 欧米または日本ですでに推進されていることによる。
米申請との関係をもう少し明らかにしておくとの点です。 この点についてもUS 側に原案を修正した案を出してもらうことになったと思います。 なお、D-HCAL に関してGEMは強調しない(落とす)ことになったと理解しています。 

最後に日米を「通す」点から、TPCの初年度の要求が大きく、(VDもかなり大きい ので)全体が大きくなりすぎているのではないか、との意見が日本側からでまし た(全体にUS側は遠慮しているのでしょう)。 一応、プランに見合った予算を 出す、但しプランは明瞭でなければならないがTPCは1年程度でヨーロッパに追い つく!なら現状でよい、との裁定で落ち着きました。 まあ、いずれにせよ減ら されると思いますが。 (ところで今、Bataglia(?)氏がCALに届かないlow energy leptonの重要性を今話しています。 K藤井さん!) 

結局、金曜日当たりに修正案が来て、私がまとめて、これを日本語案に反映し て、短くしてまとめることになるようですから、最終日本語+英語案をお送りす るのは日曜日あたりになりそうです。これでいいでしょうか、宮本さん?その際 英文は日本語より長いことになると思います。

なお、それぞれのグループで合意とプランの内容をもう少し具体的に記述する英 文についてアメリカ側と合意して容易しておく必要がありますが、これも今週く らいに済ましておく必要があります。 TPCは以前の訪問記に手を加えて月曜日 に合意を取ります。VDは杉本氏が用意しています。D-HCALはだれが用意します か?

アメリカ側の代表者の話をするのを忘れましたが、これは山本さんがアメリカ側 に再度連絡することになりました。 基本的立場はアメリカ側に任せるとのこと です。

 > 今のところ、Jim Siegrist か Jim Brau になりそうですが、最終決定は
 > 向こうに一任してありますが、数日以内に決めてもらう様伝えてあります。
何か忘れているとおもいますが、以上取りあえず、

松田武
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