LC推進委員の皆様、

 

US linear collider R&D (university-based) R&D reviewが、2003年12月11日と12日にFermilabで行われました。

1月9日のLC推進委員会にはSLAC LCWS参加のため出席出来ませんので、ここで、私が出席した検出器関係のreviewについて簡単に報告します。

 

                               山本 均

 

 

US university based linear collider R&DはDOEとNSF両方によってサポートされていて、それぞれLCRDとLCRDという組織があり、2002年から、統一したreviewが行われるようになりました。2002年の統一reviewは今回の約1年前に行われ、DOEは殆どそのratingのまま、NSFはさらにNSF内でもう一つのreviewを経て最終的に2003年後半頃に実際に資金が出ました。その額は、検出器では、DOEから約$400k,NSFからは微々たる約$40k。要求額はDOEで通った額の約2倍、NSFも額で同じくらいでした。

 

Review committeeは、委員長がHoward Gordon, 殆どがUS memberですが、ヨーロッパがらRolf Heuerが、日本からは私が参加しています。前回は1年計画でしたが、今回は3年計画として要求が出されています。検出器関係では、luminosity-energy-polarization, vertex detector,tracking, calorimetry, muon system and PID に分けられていて、全部で49のproposalが出されています。今年は、大学ではないBNLとANLもreviewの対象に含まれています(LCRDの一部として)。前年に比べて検出器の割合が要求額では高くなっています(前年の加速器/検出器〜1/1に対して、今年は〜1/2)。1年目の検出器の予定額(DOE+NSF)は$1Mほどで、要求額は$1.23M。ともにDOEとNSFが半々くらいです。(NSFは今回は前回の「埋め合わせをしたい」とのこと。)2年目と3年目の要求額は少しずつ増えています。

 

評価は、それぞれ世界で他にどのようなR&Dが行われているかを踏まえた上で、

a. quality:  excellent, good, satisfactory, poor

b. relevance:  critical, important, useful, irrelevant

c. overall:  first priority, second priority, defer, drop

d. comment

といったrankingをおこない、必要に応じて提出者と電話会議を開きながら進められました。

 

今年のreviewでは、proposalの数自体もかなり増えていますが、1年前に比べてかなりまとまって来たと言う印象を受けました。Linear collider detectorを実現するために必要なR&Dに的が絞られて来た様です。特にcalorimeterでは、系統的にoptionを研究していく方向性が前よりハッキリしています。前回のreviewの勧告も概して真摯にうけとめられていました。このようにreviewを使ってuniversity-based R&Dを組織していくのも一つのやり方ではないかと思った次第です。また、少しの金額でも、PRを怠らずにうまく使えば、人々を引き込むのに有効な様です。