ISG-XI報告

2004.1.9 LC計画推進委員会

 

2003年12月16日から19日までKEKにおいて開かれた。米国からはSLACの他、LLNL、FNAL、BNLから28名の参加があった。今回の会合ではTRCのR1,R2達成の状況と今後の計画のレヴュー及び立案であり、もうひとつは ITRP (International Technology Recommendation Panel) に向けて X-band technologyをどう Presentation するかを協議した。

 

(1)ISG-XI RF Technology Working groupのまとめ(文責 陳)

 

1. SLED-II

(ア)  2003年12月初旬に4本のXL-4クライストロンからの入力パワー(合計で180MW、1.6ms)を圧縮後、SLED-IIの出口で580MW、400nsの出力パワーを出すことに成功。繰り返しは変調器の性能で決まり、現在30Hz。2004年2月から60Hzにアップグレードの予定。

(イ)  TRC R1要求は満たされた。

(ウ)  2004年4月から8-Pack Phase-2が始まる。Phase-2ではSLED-IIから加速管への電力分配システムを建設し、Phase-2aでは4台の加速管をPhase-2bでは8台の加速管を駆動する。春後半ごろまでにはPhase-2aを成功裏に完了し、TRC R2要求を満たしていく予定。KEKは6dB、4.8dB及び3dB(元バックアップ電力合成器)電力分配器の製作を担当。残りはSLACが製作する。

2. クライストロン

(ア)  SLACXP3-3は75MW、1.6ms、120Hzを、KEKPPM-2は68MW、1.7ms、120Hzをそれぞれ10月末に達成。真空トリップ(主に外部の導波管で起こる)によってインターロックが起きるまで、この電力で20-30分程度、継続して運転された。XP3-3は更に65MW、1.6ms、30Hzで1週間ほどの連続運転がなされた(その後75MW,120Hzに移行直後に壊れた)。

(イ)  TRC R2要求は満たされた。

(ウ)  2004年3/4月から始まることが予定されている新型2-Pack IGBT 変調器を使った長期運転には、KEKからPPM-4号機(PPM-5号機はバックアップ)を提供、SLACからはXP3-4XP3-5はバックアップ)を提供する予定。それぞれ3月末までにSLACに於いて120Hzでのコンディショニングが終了する予定。

3. IGBT誘導型変調器

(ア)  8-Pack用のIGBT誘導型変調器はIGBTの熱負荷のため、30Hzでの運転に制限されている。冷却装置を増設することで2004年2月には60Hzにアップグレードする予定。

(イ)  TRC R2要求は依然満たされていない。

(ウ)  2004年3月に新型2-Pack IGBT 変調器が完成し、フルパワー(515kV)で120Hz運転が可能になる。これにより、TRC R2要求を満たす予定。またKEK製の2-Pack IGBT 変調器も2004年5月ごろから運転が始まる予定。

4. 加速管

(ア)  現在までに製作されたUnloaded Gradient65MV/m仕様の60cm管全ての一時間辺りのBreakdown rateの平均値は、依然設計目標値(1時間に0.1回)より一桁程度大きい( Unloaded Gradientが60MV/mの時はほぼ設計目標値を満たしている)。しかし、この統計的処理には異論もあり、玉石混合の平均ではなく、最高値(Breakdown rateは1時間に0.2回程度)をもって議論すべきだという意見もある。

(イ)  TRC R1要求は依然満たされていない。

(ウ)  TRC R1要求を満たすことが、依然重要度第一番である。この春にかけて多くの新しい60cm管の試験が予定されており、TRC R1要求を満たしていく予定。必要ならばwake field対策用の加速管スタディを遅らせもR1要求を満たすことに時間と資源を割いていく。また8-Pack Phase-2 (TRC R2)用の加速管も今後選別していく。

 

(2)ISG-XI Luminosity Working groupのまとめ(文責 浦川)

 

Source, DR, Instrumentation, BD-IRの4グループに分かれて議論を行った。主に、要求されているビームの生成と性質の保存に関する問題点及び可能性について検討した。目標のLuminosityを達成するために必要な今後の開発研究テーマも整理した。また、現状で考えられるLuminosityに影響するリスクについて意見交換を行った。詳しくは各発表者の報告をhttp://www-proc.kek.jp/ISG11.htmから見て下さい。添付資料は合意した今後のATFの研究テーマとATF  Group合意目標です。