みんな良く知っている、私達を地球に引きつけている重力。
重力は質量に比例する。一方、質量はエネルギーと等価である。
従って、重力は全ての粒子に働く。しかし、素粒子の質量は非常に小さい。従って現在の加速器で到達できるようなエネルギーでは素粒子間の重力は非常に小さく無視できるが、宇宙創成直後の超々高エネルギーでは重要になってくる。
地球全体が紙を引っ張る重力よりも、帯電した下じきが紙を引っ張る静電気力の方が強い。
良く知られている静電気や磁石の力だけでなく、私達が日常経験する重力以外の全ての力は電磁気力。
特に、電子と原子核を結び付け原子を作る力、原子同士を結び付け分子を作る力は、電磁気力である。
電磁気力は電荷に比例する。電荷を持った粒子は、目に見えない光子(仮想光子)をお手玉しながら走っている。言い換えれば、荷電粒子は光子の衣を着ている。
電子が電磁石などで急に向きを変えられると、光子の衣が引きちぎれて飛び出す。これが放射光である。
原子核のベータ崩壊などの原因となる(粒子の種類を変えることの出来る)力。日常は経験することのない力だが、ミクロの世界では重要な役割を果たす。
弱い力を媒介する力の粒子、W、Zは大きな質量を持っている。そのため、力の本質的な強さを表す結合定数は電磁気力と同程度であるが、力が届く距離が非常に短く、力の見かけの強さは弱い。従って、日常世界で感じることはない。
W、Z粒子は、もともと光子と同様に質量を持たないゲージ粒子であるが、真空中のヒッグス場との相互作用により質量を持ったと考えられ(質量の起源のページ参照)電弱力としてまとめられている。
クォークを結び付け、陽子(p)や中性子(n)を作り、またそれらから原子核を作る力。
強い力は色荷(カラー)に比例する。クォークの色荷には赤、青、緑の三原色(もちろん本当の色ではない)がある。強い力を媒介する力の粒子グルーオンには白を除く色の組合せ
つまり、8種類あり、いずれも質量を持たない。しかし、グルーオン自体がカラーを持ちグルーオンをお手玉するので、力は距離が離れるほど強くなり、核子(陽子、中性子)の大きさ程度以上の距離になると全体として白色の状態しか安定に存在できない(カラーの閉じ込め)。従って、強い力の到達距離は、グルーオンが質量を持たないにもかかわらず短く、日常感じることはない。