(1)ソレノイド超伝導電磁石。山岡氏より、 (トラペン,tif 11ページ, 2.856MB, または、 pdf 11ページ, 445kB) endcap部分のgapによる磁気抵抗を下 げる提案とそれに基づく磁場計算の報告があった。ビーム軸回りのsupport tube を取り囲む部分に厚さ34cmの鉄のポールチップを追加するもので、その厚さの上 限はポールチップの"dead" polar angleが149mradを越えないように決定した。 CDC領域の磁場不均一度は、前回の1.3%から1%となった。また、20000Aでの saturationは2.2%から1.7%と減じた。さらに磁場の均一度を上げるために、3分 割されたコイルの真ん中のものの電流密度(コイルのターン数)を変えて最適化 を行った。250ターンが最適で、磁場不均一度は0.7%となった。今までのターン 数は257であり、両側のものは278ターンである。
槙田氏より、コイル分割部分付近で磁場が弱くなり、さらに均一度を上げるため にはコイルを分割しないほうがよいとのコメントがあった。松井氏より、コイル 分割は運送方法や内部に設置されるカロリメーターの支持機構のために提案され たとの説明があった。これとは違ったカロリメーターの支持機構を考えればコイ ルを分割しなくてもよいかもしれない。これは今後の検討課題。
(2)support tuneの構造解析。山岡氏より、全長14mのsupport tubeの両端での 支持方法を1点ではなく、50cm離れた2点で(±5mと±5.5mの所)行ったときの 計算報告があった。1点支持の場合、中心でのたわみは7.1mmであるが、2点の場合 は0.6mmとなった。このとき、ヤング率はCFRP、タングステンとも同じ1.5 x 10^4 kg/mm^2を使用した。
今後、振動解析をする上でsupport tubeの構造体への支持方法が重要であること が指摘された。BELLE測定器の場合、構造体の固有振動数が6.8Hzで地震波との共 振を考えなければならなかった。例えば、80galの地震波が270galに増幅されて しまう。また、ソレノイド磁場を励磁すると、ポールチップが数mm動いてしまう ことなど。このような、より現実味のある解析のためには、JLC構造体のCADファ イルがぜひとも必要であることが強調された。
今後の短期的検討課題として、次のようにまとめられた。
(3)compensation magnet、 QC1の磁場計算。宮本氏より、 (トラペン,tif 9ページ, 1.118MB, または、 pdf 9ページ, 437kB)磁場計算の現状が報告 された。今回、QC1ポールチップに鉄のBーHカーブ(μ)が考慮された。このた め、ポールチップ内部の磁場の値がもっともらしくなった。しかし、実際のポー ルチップの物質は鉄とコバルトとの合金で鉄とは違うBーHカーブを持つ。QC1先端 部の磁場分布で特に必要と思われる3次元の磁場計算を行っていた。しかし、計 算結果の精度の向上が難しく、なめらかな分布が得られなかった。メッシュの切 り方など新たな方法を思い付くまで、2次元の計算結果をJIMに組み込むことにし た。
次回のミーティングは7月16日(金)午後1時30分より、3号館4階425号室で行い ます。 2週間後の7/19ー7/22にSLACとのISG4meetingがあり、support tubeの検 討結果について発表し議論したいと思います。このため、ISG4直前の7/16にミー ティングを行うようにしました。
ミーティングメモ、トラペン等はweb pageに載せました。そのURLは、 http://www-jlc.kek.jp/subg/ir/Minutes.structure-j.html です。
文責、田内。