第2回JLC構造体ミーティングのメモ

日時:6月23日(水)13時30分ー15時
参加者:山岡、松井、宮本、杉本、田内。

山岡氏より、 (トラペン,pdf 7ページ, 222.5kb)(1)JLC-1(Green Book)の構造体(Iron yoke)でのソレノイド磁 場計算、(2)サポートチューブの構造解析、についての報告があった。 (1)2テスラのソレノイド磁場を得るには20,154Aが必要であった。このとき、 磁場と電流値の関係が線形でなくなる、いわゆるsaturationは2%程度であった。 これはendcap部分にmuon chamber用の10cmのgapによる影響であり、4,000Aから 見られる。また、最大磁場は2.5テスラ程度(コイル近辺等)であり、CDC領域で の非一様性は高々1.29%であった。Iron yokeの鉄はBelle測定器と同じものとし た。これは、炭素合有量のさらに少ないTOPAZ構造体のものに比べて価格が1/2ー 1/3であり、磁場が2テスラと強いときミュー値に差がなくなるため価格削減にな る。

磁場の均一度をさらに上げる例としてBELLE測定器のポールチップが紹介され た。gapのない鉄の塊をendcap部に付け加えたもので、磁場のflux returnがスム ーズである。これを用いれば、コイルのturn数を軸方向に増減させなくてもよい であろう。また、support tubeの支持構造体にもなるだろう。endcapとbarrel部 分のiron yokeの間のgapは磁場分布にあまり影響しないこともわかり、ケーブル 用のスペースと利用できる。 超伝導コイルの冷却方法について、槙田氏より次のコメントがあった。green bookでは銅の安定化材のなかに埋め込まれた液体ヘリウム用パイプで冷却される が、topazなどで用いられたアルミ安定化材の外側にパイルを取り付けるほうが よいと思われる。これについて、松井氏より、三菱電機との話で従来にない方法 を検討してみたいとのことでgreen bookの方法が提案されたとの説明があった。

(2)サポートチューブの構造解析。外径82cm、全長14m、中心より±2mは厚さ 1cmのCFRPよりなり、その外側は厚さ10cmのタングステン(長さはそれぞれ5m) よりなる。このタングステン部分にそれぞれ10tonの荷重がかかっているとし た。CFRPのヤング率として1.5x10^4kg/mm^2を用いた。この値は荷重などの仕方 に最適化されたものではない。チューブの支持は両端で置かれている状態で、上 下方向以外は動くことができる。このとき、中心で7.1mmのsagがあった。これ は、明らかに許容範囲を越えている。

今後の予定として、 iron yokeのendcap部分(ポールチップ)の最適化を、磁場の均一度とサポート チューブの支持方法を考慮して検討する。

次に、宮本氏より、 (トラペン,pdf 2ページ, 144.2kb) 磁気シールド用のcompensation magnetの磁場計算の現状が報 告された。先ず、QC1の影響は鉄の塊で置き換えてみた。QC1の先頭はシールドコ イルより20cm奥にある。ソレノイド磁場の強さも影響を受ける。衝突点より± 1.2m程度はソレノイド磁場は一定である。シールドコイル内部では残留磁場によ り鉄内部Bが数百ガウスとなった。このとき、鉄のμは5000で一定とした。QC1を さらに奥に設置しなければならないかもしれない。これと平行して、QC1のポー ルチップ形状をいれた磁場計算も行われた。QC1両端では3次元の計算が必要でメ ッシュサイズなどの調整をし計算精度をあげることをしている。これら2つの結 果より、ソレノイド、compensation magnet、QC1による磁場を求め、JIMに組み 込むことを考えている。

次回のミーティングは7月7日(水)午後1時30分より、3号館4階425号室で行い ます。

また、トラペン等はweb pageに載せる予定で、そのコピーの配布は特にしない予 定です。

文責:田内。