JLC-structure meeting memo, 10/18/1999

8回JLC構造体ミーティングのメモ

日時:10月19日(火)13時30分ー15時
参加者:山岡、松井、宮本、杉本、田内。

山岡氏が以下の項目について報告した (トラペン,tif 9ページ, 1.1MB, または、 pdf 9ページ, 1.1MB)

(1)サポートチューブの固有振動数を持つ振動への応答:連続的な振動スペクトラムを入力して解析する前に、固有振動数での応答について調べてみた。振幅の2乗は、減衰定数(β)が共鳴幅に対応するBreit-Wigner型の共鳴曲線で表すことができる。この共鳴曲線によると振動数(ω)が0の時、振幅は入力の加速度に対する静的な変形量(δ_st)になる。また、ωが固有振動数の共振時、振幅はδ_stの1/(2β)倍になる。サポートチューブの減衰定数は、日本電気協会『原子力発電所耐震設計技術指針』のボルト及びリベット構造物の2%と仮定した。したがって、共振時δ_stの25倍となる。例えば、δ_stは、f=3Hzでの地盤振動の実測値5nmより求められたこの振動の加速度(α=(2πf)^2 x 5nm=2 x 10^{-4} cm/sec^2 (gal))とANSYSの静的構造解析より求められた変形量すなわち1重力(G=980 gal)に対する変形量(0.09mm)より計算することができる。δ_st=0.09α/G (mm) 。したがって、δ_st=0.018nmで共振時(69Hz)では0.45nmの振幅になる。ここで、固有振動数(f_o=67Hz)での地盤振動の加速度を3Hzでの実測値より求めているが、一般に高い振動数をもつ地盤振動の振幅が1/f^2に比例するためf依存性がcancelされ、αをこのように定数として扱うのは比較的よい近似と見なすことができる。

さらに、サポートチューブの支持機構(任意の固有振動数をもつバネとしている)を考慮した振動解析も行った。このとき、バネの固有振動数、5,10,15,50,100Hzの5つについて、それぞれのシステム(サポートチューブ+バネ)の固有振動数で共振させる解析をANSYSで行った。δ_stの振動数依存性のように共振点での振幅の大きさも1/f^2に比例する結果が得られた。

(2)両端での入力振動を逆位相にしたときの変形量は今までに求めたものの高々2倍程度ではないかと思われる。

(3)測定器ソレノイド磁場3テスラ時の電磁力は2テスラに比べて(3/2)^2=2.25倍となる。実際に24,000トンの電磁力が働くものと思われる。現在のポールチップでは6mm程度内側に引っ張りこまれてしまうため、何らかのデザインの変更が必要である。(ミーティング時に述べたポールチップの移動量はヤング率を間違えていたので正しくなかった。)

次回は第2回ACFA-workshop後で日時は追って連絡します。