実験装置


TeV領域での電子・陽電子反応の特徴

1TeVあたりで本質を解明しようとする電弱相互作用そのものによって反応が起こり、余計な反応を伴わない。
あらゆる基本粒子のペアーが平等に生成され、すべてが研究対象になる。したがって、測定器で観測されたひとつひとつの事象を理解することが比較的容易であり、またそのひとつひとつが貴重である。
ウィークボソン(wやZ粒子)が色々なプロセスで生成されやすく、また新しい粒子のほとんどはW粒子や重いクォークに崩壊する。トップクォークもWを放出するようになる。
素過程の重要な情報をになって測定器に観測される成分は、固まったハドロン群(ジェット)、高いエネルギーのレプトンやガンマ線、そして第3世代のクォークなどであろう。

トリスタンで確立した測定技術の発展

ビーム衝突点を何種類もの測定器と大型超伝導電磁石で広く囲み、色々な種類の多くの粒子を同時記録し、そして効率良くデータを解析する技術は、トリスタン実験で確立された。
JLCにおいては、1回の反応で生成する全粒子数がずっと増えるが、その中身の大部分は、よくコリメートされた何個かのジェットである。このジェット群から次々と親粒子を、そして最後にはどういう反応であったのかを同定していくに足る測定技術が鍵となる。
ジェットの方向とエネルギーを知るためのカロリメーター、第3世代のクォーク、特にbクォークを確認するためのバーテックス検出器、非常に高いエネルギーのレプトン測定、識別などが特に重要となる。いずれも、トリスタン実験で確立された技術の拡張で対処できる。

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webmaster@www-jlc.kek.jp Feb 09, 1995