従来の線形加速器の加速電界強度は、1m当たり10メガボルト程度である。このままで750GeVまで加速しようとすると、加速管だけでも75kmになってしまう。リニアコライダーにするためには、その全長は150km以上となる。
1.5TeVのリニアコライダーの全長を25km以下にするには、加速管内に1m当たり120メガボルト以上の高加速電界を発生できる線形加速器が必要となる。このような高い電界強度を発生させるためには、10m当たり2ギガワットの尖頭高周波電力を発生させるクライストロンと、高電界に耐える加速管が必要となる。
第1期計画においては10m当たり~400MWの尖頭高周波電力が必要となる。
従来の衝突型リング加速器の100倍ものルミノシティを実現するためには、ビームを細く絞らなければならない。そのために、ビームを超低エミッタンスにする必要がある。これは、強烈な放射光を放出させるウィグラーと、光周波高次モードを除去できる加速空洞を使った2GeV超低インピーダンスリングで達成する。このリングのエミッタンスは、将来の低エミッタンス放射光光源リングよりも、さらに1桁も優れており、先端的な光源開発技術と軌を一にしている。