しかしながら、100GeV以上のリング加速器では、ビームが偏向するときに輻射する放射光損失を補うための電力消費が膨大になる。電力消費を抑えるには、リングの周長をビームエネルギーの4乗で大きくしなければならない。
JLCは、2台の線形加速器を対向させ、電子と陽電子を加速し衝突させる新方式の衝突型加速器である。電子・陽電子ビームは直線上に加速されるので、原理的には放射光損失がなく、電力消費に対する加速効率が良い。
2GeVまでそれぞれの線形加速器で加速された電子と陽電子ビームは、ダンピングリングで超低エミッタンス化され、前段加速器で予備加速された後、主線形加速器の端部までトランスポートされる。そこでビームを衝突点に向けてUターンさせ、250GeV〜750GeVまで加速した後、ファイナルフォーカス系で絞り込んで衝突させる。