2014, 8/22のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿
日時:8月22日、 金曜日、午後1時30分より
場所:remote
出席者:濱西(横浜国大)、笠見,三原、田内(KEK)
以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。
XEMIS2シミュレーション進捗状況、濱西
サマーチャレンジの期間中で特に進展はなかったが、懸案事項について議論したい。
- Q : 1事象ごとのPMTヒストグラム分布で ピークサーチを行うときエントリーのないビン(0ビン)をどのように処理したらよいか。
- C : 一般にピークサーチのアルゴリズムで0ビンがあると正常な結果が得られないことがよくある。したがって、両隣のビンの値の平均値をそこに入れて行えばよい。このとき、得られるピーク値が実際の反応位置と一致していることを確かめることが必要である。
- Q : シミュレーションの妥当性の評価をどうすればよいか。
- A : γ線の液体キセノン中での光電効果,コンプトン散乱などの反応過程はGEANT4のphysics processによる評価であることを示すこと、また、シンチレーション光の検出過程で、反射、減衰、屈折、フォトカソードの量子効率などを考慮していることを定量的に示すことが先ず必要である。一般に、プロトタイプでの測定結果のシミュレーションを示してその性能を示す。我々の場合、サマーチャレンジで行っているγ線スペクトラムの測定値のシミュレーションによる再現を示せればよい。
- Q : 約1ヶ月後の9月の物理学会で何を示したらよいか。ピークサーチの性能を示せば良いか。
- A : 結果として重要なのは、この位置分解能と位置再構成の効率(efficiency)と間違う比率である。それらが、小動物用PETのXEMIS2でどのような役割をしているのか示せればよい。
- C : 前回のmeetingでも議論したが、XEMIS2でPMTの第一の役割は10nsの時間情報とその時間内での3次元位置情報( 1cm3 )の提供である。より精度のよい3次元位置情報はTPCの電荷シグナルで得ることができる。これは通常のPETで使用される100MBq程度の線量での運転に必要な検出器としての性能である。このことを明示する必要がある。XEMIS2のPETイメージの性能としてSubatechでのシミュレーション結果を想定質問のために持っている必要がある。
予冷装置試験、笠見
予冷装置は真空断熱された熱交換器とその下流に設置された予冷器(スターリング冷凍機)から構成されている。この予冷装置をTPC試験用のchamberシステムに接続して性能試験を行った。その結果、熱交換器として機能するにはXeガスの循環流量は少なくとも2.2リットル/分必要であることがわかった。
1つの例として、循環流量が2.5リットル/分のとき、chamberより熱交換器への入り口で-94.1℃となりその出口で-43.5℃、また、熱交換の相手はその入り口で-2.4℃で出口で-92.1℃であった。この-94.1℃ではその温度履歴によるとXe液が入り口まで到達していることがわかる。この下流の予冷器の低温部(銅ブロック)の入り口での温度は-96.2℃で出口は-91.6℃でchamberにXeが送られている。このとき、予冷器のヘッドの温度は-123.1℃であった。ただし、chamber内のXeガスゲージ圧力は0.12MPaと高い。循環流量などはchamber上部に設置されているPTR(パルスチューブ冷凍器)能力で制限されている。
現状のchamber上部のPTRのヘッド部分から予冷装置との間のXeのパイプ(IN/OUT)は真空断熱されていないため、これらの部分からの熱侵入がかなりある。これを十分に冷却するのにPTRの能力が足りない。
- C : 予冷器ヘッドの温度が-123℃となっているが、その低温部での温度が-96.3℃で一致していないことから、予冷器の低温部(銅ブロック)への熱侵入があり、それを冷却するための予冷器の能力も足りないようだ。この熱侵入量を減らす必要がある。
- A : 銅ブロックはエポキシ棒とアルミで支持されている。このエポキシ棒をチューブのものにすれば熱侵入を少なくできると思われる。
- A : 熱交換器で十分に熱交換が行われ、Xeが液としてchamberに戻されるなら、予冷器を熱交換器の上流に移動することがよいと思われる。
XEMIS2用の図面と見積など、三原
Subatechからの図面を業者に送り見積を依頼している。その後、フランスの業者とともに入札がSubatechで行われる。
MEGで冷凍器の更新のため予冷システムの検討が行われている。上の予冷装置試験と共同研究が行うことができるとよいと思う。
次回、8/29(金)午後1時30分, 1号館談話室1の予定。
以上。