2013, 7/31のLXeTPC (TXePET) 打ち合わせのメモ原稿

日時:7月31日、水曜日、午後4時より
場所:1号館1階談話室2
出席者:Abder、笠見、田内(KEK)、濱西、岩崎(横国大)

以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。

シミュレーション状況など、濱西

発表ファイル : pdf
ガラスデュワーを使用した液体キセノン検出器のGEANT4によるシミュレーションの現状と今後の予定について報告する。137Cs, 22Na, 60Coの三つのガンマ線源を真空chamber(SUS製)の内部と外部に設置したときの光電効果やコンプトン散乱からのガンマ線反応エネルギー分布を計算した。それぞれのガンマ線源の光電ピーク、コンプトンエッジ、後方散乱ピークを確認した。ガンマ線源を外部に設置した時、内部設置時にくらべてコンプトン散乱からの分布がぼけている。

これら得られたガンマ線反応エネルギー分布を実験からのエネルギー分解能(137Cs, 662keVの光電ピークで18%FWHM)でconvoluteした分布を計算した。ここで、ガウス分布のσ=FWHM/2.35, σ(E) = ResolutionScale/√E とした。

次に、ガンマ線反応エネルギーに比例したシンチレーション光子数を発生させ、PMTに入射したその光子からガンマ線反応エネルギー分布を計算した。このとき、エネルギー分解能は光子数で決まる。液体キセノンPTFE容器の反射率を60, 80, 100%とした場合のエネルギー分布を計算し、それぞれのエネルギー分解能を求めた。また、PTFE容器の形状(直方体、円筒、台形体)の違いも計算した。直方体の場合が最も分解能がよかった。実験結果と比較すると、よく再現できなかった。

GEANT4, ROOT(解析そしてviewerなどのソフトウエアと計算機の環境の整備を行う予定である。シミュレーションではPTFE容器の形状による違い、ガンマ線源のパラメーターの精密化、液体キセノン中の光子の振る舞い等を改善する予定である。

C : シミュレーションの第一の目的は実験結果を再現することです。そのように実証されたsimulationを下に、次の実験機器を設計し、その最適化を行うことです。
C : シミュレーションで考慮すべきするものとして、 PMTの量子効果(波長依存)、 PMTの窓(石英窓?, ホトカソード)の透過率(全反射など)、 液体キセノンの純度 - シンチレーション光の減衰(attenuation) などがあります。一般に、基礎データを調べ、それをもとに手計算で評価してそれらの影響を『定量的に』把握し、simulationにそれらを組み込み、それらの影響を計算し、その結果が手計算のものと一致していることを確かめることが必要です。

PMT試験とASICボード試験報告(2)、Abder

レポート:PDF、発表ファイル : pptx
宇宙線とプラスチックシンチレータを用いてPMTのゲインの印加電圧の依存性の測定、そして、ASIC TPCFEチップ交換後のテスト結果を報告する。ここで、PMT一式はLXeTPCプロトタイプ試験で宇宙線トリガー用のものである。

PMT試験:データ収集はLecroy製のdigital oscilloscopeで行った。そこで、入力のPMTシグナルの積分値を計算した。先ず、印加電圧1100Vでのシグナル積分値の分布を求め、それをポアソン分布でフィットしその平均値を計算した。このとき、この分布関数とデータとの差、いわゆるχ二乗値が最小となるところの値をその平均値とした。(このχ二乗値の二乗根をQuadratic errorとした)

次に、印加電圧(V)を変えて、シグナル平均値(A)との依存性を測定した。最初はシグナルのトリガー閾値の調整が不十分で分布にノイズの効果が大きいことがわかった。 印加電圧ごとにトリガーレイト(1.1〜1.4Hz)が同じとなるように閾値を調整して、再度、データを収集した。その結果、ノイズの影響が少なくなり、印加電圧依存性をよく測定することが出来た。その結果は、A∝V8.06であった。ここで、使用したPMTのダイノードの段数は12段であった。

C : 地上での宇宙線の頻度は1cm2当たり約1個/分である。使用したプラスチックシンチレーションカウンターの大きさが10x10cm2であれば、トリガーレイトは1.7Hzとなる。
C : 以下に、Abderへのsuggestions, questionsをリストする。
  1. You have to explain definition of quadratic error.
  2. You must specify units of horizontal and vertical axes in you figures.
  3. Figures , equations and tables must be numbered for easy references.
  4. Since the PMT signals are negative, it is strange to show the horizontal axis and data in bipolar. Probably, you took data with DC coupled inputs, i.e. with "large" DC positive offset. If so, you should take data with AC coupled inputs.
  5. We do not understand to use Poisson distribution, since it is a probability distribution with small statistics.
  6. Usual data are taken as shown in a figure entitled as "Frequency of the pic's Area(1100V)" with low threshold as much as possible. Then, you can easily select signals which are well separate from noises ( pedestals). You can calculated average and rms of the signal distributions by fitting with Gaussian distribution or just arithmetic mean and rms. There is no motivation of Poisson distribution.
  7. A more relevant subject of PMT signal study is to evaluate the gain (G) of PMT at a specific applied voltage from the mean and rms in order to estimate number of photo-electrons (Ne) converted at photo-cathode of the PMT. That is; rms 2 = mean2/Ne + rms02 mean = e G Ne , where rms0 is the rms of pedestal-events ( without signals), i.e. rms of noises ) and e is an electric charge of electron. We use a formula which shows rms is proportional to square-root of Ne. You can confirm that Ne is independent of the applied voltage. Also, you may find the best applied voltage for maximum S/N, etc. .
ASIC TPCFE 試験 : チップ交換後、静電気対策のリストバンドを装着し試験を再開した。全16chの出力のベースライン電圧の測定(+970mV ~ -970mV)を行った。また、チップからの直接の差動出力のベースライン電圧の測定(M: +101.4 〜 -126.7mV, P: +116.8 ~ -128.2mV)も行った。

次に、テストパルスによるゲイン測定を全16chで行った。その線形性の指標のR2は0.99以上であった。ゲインのばらつき(rms)は10%程度であった。

ICチップの入荷後に、チップからバッファーアンプへAC結合による同様の測定を行う予定である。

その他

次回の定例会議は8/20 のサマーチャレンジの間に予定です。

以上。