以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。
10月18日から11月4日までのPMT1,2によるシンチレーション光量の推移を示した(Runlog 254)。ここで、光量の平均値を示したが、PMT2のADC値が900以上の条件、すなわち、カソード上に設置したα線源(α2)からのインチレーション光量の平均値である。そのため、PMT1のものは10倍してプロットした(赤色のデータ点)。 PMTシグナルの10倍アンプの出力を50Ωでターミネーションすること、宇宙線トリガー時のために、attenuatorをアンプの前に結線して光量のモニターを行うようにした。この間、顕著な光量の増大はなかった。
続いて、2-foldと3-fold coincidenceによるトリガーでの電荷シグナルの報告を行った(Runlog 254)。ここで、2-fold はα線源、3-fold は宇宙線トリガーである。Runlog 253で提案した方法で電荷シグナルをモニターした。 11月4日の2-foldデータにはドリフト時間を横軸とする分布にα1, α2のピークはなく、電荷シグナルの波高分布にもα線のよるものはなかった。当日の3-foldのデータを見ると、宇宙線と見られるシグナルもあったが、10月20日のデータとほぼ同じであった。
以上から、シンチレーション光量と電荷シグナル量の両方でも純度の向上をモニターすることができなかった。
11月のCERN Courier (Vol.51, Issue 9) に、"PET and MRI"の興味ある掲載があった。その中に、Siemensのwhole-body PET/MRI scannerの説明があった。これはPETとMRIを統合したもので我々の目標の1つでもある。そのPETはLSO結晶をAPDで読み出すもので、我々の場合は液体キセノンTPC+APDとなる。
次に、液体キセノンの純度向上、ASICのフロントエンドエレクトロニクス使用などを目的とするプロトタイプチェンバーの提案を行った。真空チャンバー内に設置される液体キセノンの容器、つまりTPC容器にはシグナルケーブル、エレクトロニクス、そして、PMTなどを入れないことを想定している。少なくとも、真空チェンバー部分の概念・技術設計をし、来年度に向けて概算評価を行いたい。
また、TPCFEの試験用に、新たなテスト基盤を製作することになった。これを使用して、再度ノイズの測定を行う予定である。ここでの主な改良点は、(1) 試験の終わったモニター用の出力回路の削除、(2) ジャンパー切り替えによる1chのみの入力を16chそれぞれ独立の入力に変更、(3) 安定な電流源のための最適化、(4) GNDラインの改良、(5) 差動出力をsinge-endedなものへの変更である。
新テスト基盤の出来上がる間、修士論文を書き進める。その目次を示すのでコメントを頂きたい。それと平行して、回路シミュレーションも継続して行う。
次回の定例会議は、11/10(木曜日)の午前10時30分からの予定です。
以上。