以下、メモ(敬称略)です。ここで、Q(質問)、A(答え)、C(コメント)です。
先ず、8月30日に常温においてTPCFEの1chの動作確認を行った。翌日の31日に、電源を調整し(電源電圧は±1.27V、バイアス電流は100uA)、ゲインの目標値である、2V/pC、10V/pCが達成されているのを確認した。16ch全て信号が正しく出ている事も確認した。現在、入力電荷量は50fC(50mV方形波を1pCへ入力)で、出力シグナルはプローブで見ている。
これから、テストボードを収納するシールドケースを作成し、ノイズスタディーを行う。減算回路の作成を行い、常温で性能試験を行う。これら常温での試験は横浜国大で来週行う。その後に、冷却試験の検討を行う。
8/1に液化を止め、常温まで自然加温を行った。8/4よりガスの絶対圧を1.4気圧として、シグナルの観測を行っている。このとき、ガスは封じきりであった。これと平行して、電荷シグナル、シンチレーション光の波形等の解析ルーチンの整備も行った。参照:Runlog 237 - 239
8/6 14時以前まで、TPCのカソード電圧用のケーブルがchamberのフィードスルーに接続されていなかった。(電荷シグナルが見えなかった理由!)
8/16-18の全所停電復帰後、テストパルスにより、PAD no. 8の出力がないことがわかった。chamber内のドーターカードno.4のch.2が死んだと思われる。そのchに対応するPre-ampとN568BはOKであった。
LXeからのPMTシグナルでもあったが、ガス中での小さなシグナルを観測する中で、シグナル直前にあるピックアップシグナルが顕著となった。いろいろ調べたところ、2249W ADCのゲートによるものと判明した。CAMACクレート内でのピックアップと思われる。2249Wも同時に読み込んでいるため、ゲートのタイミングを変えてピックアップシグナルを解析(PSDなど)外の領域へ移行させた。また、これ以前(8/25, 15:20)のデータからピックアップノイズを差し引くルーチンを用意した。ピックアップノイズはテストパルストリガーで得られたものを使用している(Runlog 241)。
これまで得られた液体と気体でのシグナルの解析結果が紹介された。ガス中のものはRunlog 242にまとめられている。
ガス封入後のシンチレーション光量(2249W ADCの平均値)の8/4から8/23までの推移をみると、光量が50%程度に減少している。実験室内はエアコンで空調されているが、猛暑日(最高気温が35度を越えるような日)では10%程度の日変化が見られる。午前5時ころが最大の光量で午後5時ころ最小となる。電荷シグナルはアノードから1cmのところに張られたワーヤー上のα線(α1)とカソード上のα線(α2)の二つのシグナルが明瞭に測定されている。その相対距離の4cmと時間差からドリフト速度が求められる。電荷シグナルは20MHzのFADCでデジタイズされ、時間にそってピークを中心としてガウス分布フィットから到着時間と電荷量が計算される。また、到着時間は電荷分布のピーク値からも計算される。これらドリフト速度、α1とα2からのシンチレーション光量、電荷量が、時間(測定の日時)の関数として示された。
ドリフト速度は大きくなり電荷量も増加している。これらはシンチレーション光量と逆相関を示している。
8月31日(水)午後1時30分よりガス循環により純化を開始した。ガス流量は1リットル/分、ガス圧力は1.4気圧である。シンチレーション光量は約3倍に増加している。電荷のドリフト速度は小さくなり、電荷量も減少しているようだ。
次回の定例会議は、9/8(木曜日)の午前10時30分からの予定です。
以上。