2-2a 物質定義の記述


  1. 物質の定義
  2. G4ElementとG4Isotope
  3. G4Material
  4. 単原子の物質を作るには
  5. 分子・化合物を作るには
  6. 混合物を作るには
  7. 注意点
  8. 参考資料

1. 物質の定義

物質の定義に用いるクラスは次の三種類がある。

うち、G4ElementとG4Isotopeは原子の状態、性質を表すのに対し、G4Materialはより巨視的な物質の特性を表す。
検出器等の定義に使われるのはG4Materialのみであることに注意。

[top]

2. G4ElementとG4Isotope

原子を定義するのにこれらのクラスを用いる。Isotopeを定義したい場合はElementに組み込む形で使用する。

Isotopeを作ったら、Elementをつくり、AddIsotope関数でElementに組み込む。

[top]

3. G4Material

G4Elementを組み合わせてMaterialを作成する。作成できる物質の種類は以下の通り。

G4Materialには、温度、圧力、状態(気体、液体、固体等)、密度などの情報を付加することが出来る。
また、SetMaterialPropatiesTable関数などを通して放射長、吸収長などの属性を与えることも可能(例:N06)。
詳細は G4Element.hhを参照のこと。

[top]

4. 単原子の物質を作るには

G4Elementを直接使えないことに注意。

[top]

5. 分子・化合物を作るには

分子、化合物は、全体の密度、そこに含まれる原子の種類を引数に与えて作る。それぞれの原子が
いくつずつ含まれているかは、AddElement関数で指定。

[top]

6. 混合物を作るには

以下は空気の作り方。Elementの質量比で混合比を定義する例。

Materialを材料としてMaterialを作る例(エアロジェル)。

一般的なガスの定義方法。kStateGasはG4Material.hhに定義されている列挙型。
kStateUndefined, kStateSolid, kStateLiquid, kStateGasの4種類がある。

[top]

7. 注意点

完全な真空は定義できない。空気等を極端に薄めて(密度を小さくして)使う。
universe_mean_density (=1.e-25*g/cm3) というグローバル変数が予め用意されているので、それを使う手もある。
(余談ですが、従ってこの名前の変数をうっかりローカル変数として定義すると危険。)
以下は真空の定義の一例。

[top]

8. 参考資料

[top]


[top | 2-2a 物質定義 | 2-2b 測定器記述 | 5-2a 測定器応答実装例 | 5-2b アプリケーション作成 | 5-2c ROOTによる結果処理例]

このページに関するご質問、ご叱責はこちらへ。