28-Nov-2000
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               Minutes of JLC-CAL Meeting 
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日時;2000年11月25日(土) 13:00-17:00
場所;信州大学理学部
参加者;竹下、川越、松永、魚住、石澤、中田、藤本、関口、藤井(敬称略)


1)共同開発研究(直読みシンチストリップSHmax)
  竹下氏より現状、予定について報告があった。
  o シンチストリップは作成済。
  o Si-padをシンチ端に直付して読み出してみたが、ノイズに埋もれて見えない。
    Si-padにベータソースを直射させるとシグナルが見えるので、動作はしている。
    (シンチ光=数百、MIP通過=数千電子)
  o Si-padではなくAPDを直付して読み出してみる予定。12月に納品される。
    => シンチストリップのサイズを、APD受光面(5mmx5mm)に合わせた方がS/Nが得。 
    => APDの結果をみて計画を再検討する。


2)各大学の活動状況と今年度予算配分の再検討

a)神戸大
  川越氏と学生(蟹田氏)で光検出器のスタディをしている。
  o 蟹田氏はEBCCDをやるが、現在その前段階としてCCD単体の読み出しテストを
    している。この読み出し系(浜松製PreAmp)はそのままEBCCD読み出しに使える。
  o 川越氏はDEPの61ch-HPDを担当している。先日IDE(Norway)製の32chx2プリ
    アンプ・読み出しボードが届いた。
  o 蟹田氏は今年度卒業。来年度の学生割り当てについては不明。

b)信州大学(共同開発研究以外)
  4年生にGEANT3でのビームテストシミュレーションをさせている。
  来年は1人アサインしたいが、どうなるか不明。
 
c)KEK
  o 硬鉛の試作をした。配合は
        0.07%Ca + Pb , 0.07%Ca + 0.30%Sn + Pb 
    の2種。JIS強度試験片(14B)と、クリープ試験・切削試験用の平板等を作った。
    これから工作センターの装置を用いて強度試験をする。
  o シミュレーション(神前氏の代理で藤井報告)
    JLC-detectorのfull-simulatorは一応コーディングが終わって、現在
    チューニング、ツール開発、および散発的に発見されるバグ修正をしている。
    Quick-simulatorへフィードバックすべきパラメタを早急に求める。
    GEANT4の作業も少しづつ始まっている。
  o データサーバー jlccalsv.kek.jo を立ち上げた(神前氏の代理で藤井報告)。
    スペックは  CPU = P-III 850MHz x 2
                Disk = 40GB x 4
    現在ccjlc上にビームテストデータが保存されているが、ccjlcは12月15日に
    シャットダウンされるのでその前にここにコピーする。
    カロリーメータシミュレーションツール、解析ツール等も管理したい。
    アカウントが欲しい人は、junichi.kanzaki@kek.jpまで連絡して下さい。

d)筑波大
  シンチストリップ型の細グラニュラリティEMCALについて藤本氏から報告。
  o 20mmL x 2mmt x (10mm-30mm)w のストリップを作り、光量・一様性を
    測定している。測定のdefining counterは5mm径で、長手方向に1cm-step、
    横断方向に5点測定する。
  o 30mm幅のストリップの場合、平均光量は2.1p.e.で、光量のばらつきは
    5.8%(RMS)であった。長手方向の端に向かって光量が減るアーチ型の
    分布をしている。
  ==> ペイントは?;ポスターカラーを塗っている。
  ==> PETフィルムは?;サンドイッチしている。
  ==> 端切りはなしのY-11 WLSをPMTまで引っ張っている。
  ==> 端で光量が落ちるのはペイントのせいか?

e)予算再配分
  o 神戸大学は当初配分枠執行済。追加配分は不要。
  o 筑波大学の当初配分100万円は使いきる予定。
  o 通常予算から信州大学へ当初配分された50万円は、KEKの硬鉛試作にまわす。
    共同開発予算150万円は、12月納品のAPDの結果を見て判断する。
  o KEKは当初配分に50万円を加えて210万円とする。
  o 甲南大学の30万円は執行予定無しとのことで、再配分原資にまわす。

  この結果再計画原資として180万円。これは来年度にFine-granularity-EM
と直読みSHMAXのビームテストを行う場合に必要となる機器の購入にあてる。
どのようなものが必要かはミーティング後に検討する。

  旅費については、2月末もしくは3月冒頭につくば地区でミーティングを
行うこととし、それに必要な金額以外は他グループに引き渡す。次回の
ミーティング参加人数を、早急に確定させる。


3)解析報告

a)中田氏によるシャワーパラメータ(transparencies)
  o T912についての解析を行った。やはりpionについては相関が解けない。
    RCAL部の隣接SuperLayerについては一見解けている様に見えるが、
    直交化分布に従って乱数を振って再変換してもデータを再現しない。
  o e/pi識別については、eff=90%で1/1000程度でている。E1/Etotと
    組み合わせると、1/数千いく。
    => PS/SM解析に匹敵する。なぜこんなに良いか?RCALのweghtを増やせば
       PS/SM解析も向上するのではないか?

b)石澤氏によるシミュレーション解析
  o Full-Simulationのデータのクラスタリングツールを開発している。
    Jadeのアルゴリズムを踏襲している。Seed>1GeV,連結>5MeV。
  o 得られたクラスターについてのエネルギー分解能は18%/rootE程度で、
    全セル和Etotalに対するものと殆んど同じである。
  o 近接2ガンマを2個のクラスターとして識別出来る限界は約2度である。
    これはほぼセルサイズに等しい。


4)論文検討

a)魚住氏よりHCAL本体論文の現在の問題点について説明があった。transparencies
  (以下夜に行った議論も含めて書いています)
  o pion GEANT の筑波-神戸不一致については、cut-offの違いが原因だった。
    エネルギー消失問題のため、コンスタント項が6%と大きくなっている。
    => GHEISHAにバグがあり、エネルギー保存が成り立たないチャンネルが
       あると神前氏が言っていた。確認する。
  o calibration constantの決定をLandau-fitで行うに際して、ピーク対平均
    の補正が必要である。FCALとRCALの相対係数を、エネルギー分解能が
    ベストになるように0.71と設定した。
    => ピーク対平均の補正ならば数学的に求めるべきである。今やっている
       補正は、RCALはFCALより分解能が悪いのでweightを下げたということ。
    => 異なるカロリメータを組み合わせる時に、Best-Linearityで組み合わせる
       かBest-Resolutionで組み合わせるか、という選択肢は常に存在する。
       weight=1で再解析すべし、とは現時点では言わない。
  o ビーム運動量の測定誤差が0.8%は大きすぎる感じである。ビームの運動量幅
    についてのTomのMonteCarloの値0.2%は本当に我々の場合に当てはまるのか?
    (中心軌道を10cm曲げて、0.1mmの精度で測れば0.1%程度のはず。)
  o エネルギー分解能が鈴木論文より悪いことについての議論が必要。
    アクリル板の効果について、GEANTを走らせて確認する。
  o PMTゲイン安定性からくる系統誤差評価がまだ出来ていない。LEDモニタ追跡
    の結果がかなり大きく、またPMT-LEDとTile-LEDで振る舞いが違うため、どう
    使うべきか判断しかねる。また、muon peakの追跡結果も合致しない。
    => 同じエネルギーのミューオンのみを追跡してみたほうが良い。
  o e/pi比の Low-E -> High-E の振る舞いについて言及する必要がある。
  o ミューオンピークの求め方について、始めからフィットありき、で書いても
    良いのではないか?

    文章の手直しについては省略。図面については、以下のようにした。
        図3の上半分削除。タワー番号は図2にいれる。
        図4削除。
        図5のMuonMatrix削除。
        図6のtower13は、section3のものに置き換える。
        図8削除。
        図10削除。
        図11上図のビン幅を粗くする。
        図13上図削除。
        図15のtower13は、section3のものに置き換える。
        図16削除。
        図18上図削除。
        図19上図削除。下図は50GeVのものに置き換える。
        図20,21,22削除。
        図23上図削除。
        図26削除。
        図28の電子のプロット削除。
        図30削除。
        図31中のT411の点を白抜きにする。

b)川越氏のPS/SM論文についてざっと検討した。
  o 中心を求める式で、フィット結果は使っていないのではないか?
    => Lorentz-shapeは式の妥当性を示す根拠としてreferしているだけ。
  o 引用論文[14]を引用して良いか、internal reportではないか、確認する。
  o 図1は削除する。
  o 図3のストリップの図は必要か?
  o 図12d、14dの階段構造が図bに見えないのは不思議である。
    => ミーティング後に100倍にしたら見えるようになったとのメールがあった。
  o 図16aの分布が曲がっているように見えるが、SWDCの分解能が本当はもっと
    悪いという可能性はないか?
    => 有意にもっと悪いということは無い。追求するメリットは無い。


5)KEK中央計算機移行作業への対応
  新システムでのジョブの流れを説明した。
  o ccを使うためにはメールアカウントも必要である。
  o 現システムは12月15日にシャットダウンする。新システムは1月19日から運用。
  o 各自のホームディレクトリは各自で移行する方が良い。
  o cc上のビームテストデータに第3者読み取り権がなかったため、新システムへの
    自動移行作業から漏れた。自力でjlccalsvにコピーする。
  o 卒業した学生の現ccのアカウントは新ccでも作られるが、パスワードは
    新設定されないので幽霊アカウントになる。抹消申請をする必要がある。


6)デザインレポート作成への対応
  o 物理面での新作業は、top massを175GeVにすることと、新3T測定器で
    スタディすること。
  o 12月中に第1次ドラフトを書く。これについては、各種プロットが更新されて
    いなくとも良い。その後3月末までにプロットの更新を行なう。
  o カロリメータとしては、
        新パラメタでの期待性能をシミュレーションする、
        これまでのハードウェアR&Dの結果をまとめる、
    の2点が主な作業になる。

7)その他
  次回のミーティングを2月末か3月冒頭につくば地区で行う。


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