26-Apr-2000 JLC-CAL スタッフミーティングメモ 藤井芳昭 以下は先日のスタッフミーティングのメモです。その後分かった情報も若干 付け加えてあります。予算の割り振りについては当日の話と状況が異なる 部分があり、とりあえず以下のように案を作りました。これで行けるか どうか、各大学で具体的な実行予算を作成して頂けますか? 日時 2000年4月24日 15時-17時 場所 KEK計算機棟第2会議室 参加者 神戸大 川越清以氏 甲南大 梶野文義氏 信州大 竹下徹氏、長谷川庸司氏(on TV) 筑波大 金信広氏、松永浩之氏(+石澤氏) K E K 神前純一氏、藤井芳昭 0)秘書の女性が着任(JLC/ZEUS/BESS共通) 染谷美佐子さん 3号館4階402室 misako@post.kek.jp 0298-64-6076、 FAXは従来通り物理事務64-2580へ a)伝票、請求書は藤井へ。 b)出張手続きはユーザーズオフィス。 メールは染谷さんにもc/cして下さい。 その際JLCのカロリメータグループであることを明示して下さい。 c)その他の事務的書類、問い合わせは全て染谷さんにお願いします。 JLCのカロリメータグループであることを明示して提出して下さい。 1)2000年度活動項目 1-1)予算 a)通常予算 540万円 ... 以下のように初期配分したい。 詳細は次項参照。 50万円 ... シャワーマックス@信州大へ 50万円 ... 光検出器@神戸大へ 30万円 ... APD@甲南大へ 100万円 ... EMcal@筑波大へ 60万円 ... データ管理PC構築へ 100万円 ... エンジニアリングスタディ 残り 150万円 はR&Dの進捗状況を見て、必要になった所に 投入する。 b)共同開発研究 150万円 ... シャワーマックス@信州大へ c)員等旅費 50万円 ... 先日のメールのように、 神戸大学(実質メンバー2人) 20万円 甲南大学(実質メンバー1人) 10万円 信州大学(実質メンバー2人) 15万円 その他 5万円 と割り当てますので、各大学で適宜執行して下さい。 ちなみに神戸地区からKEK宿舎1泊2日で3.5万円位支給され、 信州地区からKEK宿舎1泊2日で2.3万円位支給されますから、 一人3回出張出来るくらいの金額です。 1-2)活動項目 以下の項目について、人員規模、予算規模、時間スケジュール等を議論した。 a)ShowerMax/PreShower R&D(信州大) FNALテストに際して神戸で製作したようなシンチストリップ型シャワーマックス 測定器において、光検出器(シリコン等)をシンチに直付けしたものをスタディする。 今年は測定器にアセンブルする前の、コンポーネントのベンチテストを行う。 当面信州大で進めていく。M1を1人割り当てたいが未定。 共同開発研究では238万円要求して150万円採択されている。ミーティングで 科研費が採択されたと言ったのは間違いで、採択されていない。 ==> このため通常予算から50万円配分して、総額200万円で計画を立ててみて 下さい。共同開発研究の申請書では信州と筑波で並行して違った方向から やることにしていましたが、筑波はEMcalを重点的にやるということで、 その分少し削りました。 b)光検出器 R&D(神戸大) ShowerMax/PreShowerについては論文化作業のみを行い、ハードウェアスタディは 光検出器のみとする。4年生を1人割り当てる。科研費の残りはあと僅かで、何か それなりの物を購入できるほどではない。 EBCCDについてはものは揃っているので、特に予算は必要ない。まずはCCD単体の 読み出しをスタディする。うまく行ったらEBCCDに取り掛かる。 マルチチャンネルHPD(61ch)のプリアンプについてノルウェーの会社(IDAS)から 見積もりを取ったが、200万円と高いので注文するのはためらわれる。3月に会社の 人が来日するはずであったがキャンセルされた。数チャンネル読み出す程度の ベンチは構築出来る。それ以上の多チャンネル読み出しには、何らかのマルチ チャンネルプリアンプの購入が必要。IDAS以外の解を調査する。 例えばM1を一人割り当ててガンガンスタディする、というのであれば思いきって 200万円買うことも考えられるが、現状では数十万円程度の解を探すべき。 ==> 取り敢えず50万円枠をプリアンプ等に割り当てておく。調査の状況を見て 金額の増減を含めあとで再調整する。 c)Fine-Granularity シンチストリップEMcal(筑波大) シンチストリップのx-yスタックによるEMcalについて、フィジビリティスタディ を行う。手順は i)GEANTによるシミュレーションスタディ ii)光量、ユニフォーミティ等の、RIを用いたコンポーネントベンチテスト iii)宇宙線を用いたコンポーネントのベンチテスト iv)上記がうまく行ったら、測定器を組み上げてのビームテスト 順調に行けば12月にビームテストをやることを目指す。 4年生を2人ベンチテストに割り当てる。GEANTスタディは石澤氏が行う。 総額200万円あれば全てこなせるであろう。 ==> 取り敢えずコンポーネントベンチテスト用に100万円割り当てておく。 ベンチテストがうまく行って、測定器を組み上げてビームテストに進める という段階になったら、追加(100万円?)を考える。 d)光検出器(主としてAPD)(甲南大) これまでスタディをしてきたAPDについて、具体的に測定器を念頭に置くのでは なく、基本的性質のスタディを引き続き進めたい。できれば4年を1人割り当てたいが まだ未定である。最近極めて高ゲインのAPDが出てきたので、それを候補として 考えている。 信州大のシンチストリップと連携出来ればそうしたいとは思うが、連携しても お互いそれほどメリットが無いということであれば独立にやっていく。 ===> 取り敢えずAPD代として30万円を割り当てておく。具体的な数値を早急に 出してもらい、その後配分額を再検討する。 e)データ集中管理用PCシステム構築(神前氏) これまでのテストデータ全ての集中管理、及びGEANTシミュレーションを走らせる ため、PCシステムを構築する。スペックについては神前氏より以下のような資料の 配付があった。入札にはせず、発注後1ヶ月程度で稼働させたい。5月末-6月冒頭 を想定する。 --------------------------------------------------------------- 〇 データ集中管理用 PC システム構築について 現在、ccjlc で行なっている beam test のデータ管理、及び解析。また、 jim を用いての simulation、解析等を PC-Linux の上に移行したい。 予算:約60万円 ・Full Tower Case ・40GB HDD(IDE) x 4 = 160 GB ・750MHz CPU x 2 or higher ・128MB Memory ・Millennium G200 8MB Video Card ・Ultra66 IDE controller ・CD-RW (SCSI) ・Intel PRO/100+ Network Card ・Floppy Drive ・Mouse、Keyboard なし(設置場所による) もし、可能ならば、、、 ・100BaseTX Hub ・RedHat 6.2 ・ --------------------------------------------------------------- これについて、以下のようなコメントがあった。さらなる要望は直接神前氏に メールして下さい。 o Backup Storageが必要。DDS4(20GB)が良いのではないか?CD/DVDでは 小さすぎる。 o KEK外からリモートログイン出来る環境をつくる。telnet不可。 たぶんsshになる。 o Simulationは大学のPC上でやることになるだろう。 o KEK中央計算機との位置づけが不明確。 ====> ccjlcは来年更新。今のccjlcは使い勝手が悪く、新システムも 使いやすく整備されるまでには時間がかかる可能性が高い。 早急に使い始められるものが必要。 f)Full-Simulator構築(神前氏) g)Design Report/LCworkshopに向けたsimulation study(神前氏) 上記2項目について、神前氏より以下のような資料の配付があった。 --------------------------------------------------------------- 〇 Full-simulator 構築について 今年度の full-simulation program に関する予定 ・3-Tesla 用 geometry を含んだ Geant3 program を動かす - 現在、JIM 全体の作業として進行中。連休明けに第0次バージョンを 作り、総合的な debug 作業に移る。 - Calorimeter については石澤氏がさらに具体的な geometry paramter を使えるようにする作業を行なっている。 - 目標としては FNAL での LC workshop へ 3-Tesla 版での結果を出 せるようにすること。 ・全体のシステムを Geant4 ベースの simulation へと移行させる - 魚住、石澤両氏が Geant4 を動かしている。 - 全体としては 3-Tesla 版の Geant3 以降、本格的な移行作業を立ち 上げるべきと、考えている。 --------------------------------------------------------------- o 神戸大ではmuon systemについてのシミュレーションを開始する 予定だが、JIMではなくstand-aloneのプログラムでやるつもりでいる。 o 筑波大がスタディを進めるシンチストリップ型のEMcalについては、 石澤氏がシミュレータの構築を進める。 h)エンジニアリングスタディ(藤井) 次項の中期活動方針と絡めて議論されたが、エンジニアリングスタディを 今年度に立ち上げることとした。具体的な項目は、 o 構造計算を行い、必要強度を算出する。その上で鉛合金で大丈夫なのか、 鉛複合材か、タングステンが必要なのかを検討する。 o シンチキャスティング、ファイバー接合についても言及されたが 特に議論にはならなかった。 ====> エンジニアリングスタディに100万円割り当てたい。主として 構造材のスタディに投下する。 2)中期的活動方針;「2005年概算要求」への対処 a)検討項目の再検討/b)各大学の取り組みかた まず藤井が、 最終デザイン前にプロトタイプスタディが不可欠であること、 そのためにはこれまでよりも1桁大きい予算が必要であること、 そのようなお金は概算要求が通らないと手当て出来ないこと、 ここ1-2年の間に概算要求が通るとは考えられないこと、 を述べ、活動方針見直しについての議論の口火を切った。これに対してCDFの 経験等を下敷に議論を進めた結果、 「2003年に建設が開始出来るようにスタディを進める」 という従来の方針を変更しないことが確認された。またこれに必要なエンジニア リングスタディをKEKで今年度立ち上げることになった。 c)国際協力を推進するか否か まず藤井が経緯の説明をした。 タングステンについては日中が始まりである。中国はタングステンの粗生産量の 7割をしめており、かつ今年度から学振の日中共同事業が始まったこともあり、 中国と共同してカロリメータにタングステンを使う可能性を探ることは有益である というのが発端。まだアイデアの段階であり、何も具体的には始まっていない。 6月に藤井が中国に行って議論してくるというプランもあったが、旅費事情の 関係から保留されている。 W/Siについてはフランス側で国際共同R&Dを模索しているという伝聞(R.T.氏) が発端。タングステンについて上記のスタディを考えていたことと、Siなら浜松 という発想があり、フランスとコンタクトした。旅費、財源の問題もあり、すぐ ハードの共同R&Dが立ち上がる状況にはない。まずはシミュレーションから始まる。 DESYのV.Korbel氏とのタイルファイバー共同スタディについては膠着している。 o 本命はタイルファイバーであるという方針に変更はない。 o 日中のタングステンについてはエンジニアリング的見地からも 積極的に推進すべきである。 o 一般論として国際共同R&Dは推進されるべきものであるが、大学と しては深く関わる余力はない。日仏にコミットするとすればKEKで あろうが、現在のアクティビティに支障がでては困る。特に12月に 想定しているビームテストに支障がでては困る。 日仏については神前氏か藤井のいずれかが行って、ひと仕事してくる方向で 調整する。 3)解析、論文化 a)シャワー縦プロファイル 筑波大中田氏が引き継いだ。今年度中に投稿するというペースで進める。 近藤氏、宮田氏ともコミット出来ず。金氏が原理的指導を、実務的指導は松永氏、 魚住氏が行う予定。 b)4:2EM + 8:2HAD 藤井曰く「金谷氏からのマクロ待ち。」 c)T912-T411part2 魚住氏が進めている。秋までには完了する予定で進める。 d)T912 PreSH/SHmax 川越氏が進めている。解析と並行して既にドラフトを書き始めている。 秋までには十分完了する。実験詳細については魚住氏の論文を引用する形で 書くのが自然なので、魚住論文と同時投稿にしたい。 以上4解析については、次回の全体ミーティングで詳しく報告して貰い、議論する。 4)次回ミーティング 次回は解析の議論を中心とした全体ミーティングとする。予定は 日時 7月8日(土) 13時-17時 場所 KEK 3号館 4階 会議室 (TV無し)